モルモンの著名なバイオリン奏者ジェニー・オークス・ベーカーは今までずっと天使たちや奇跡を信じ続けてきました。しかし先週イタリアに居たときに、ある特別な経験をしてからは、さらに強く信じるようになりました。

 

ヨーロッパツアーでの出来事

ベーカー家はヨーロッパ各国を周りながらオーストリアのザルツブルクに向かっている途中でした。ザルツブルクで新作アルバムの撮影をしたり、ウィーンで「ジェニー・オークス・ベーカーと家族4人」として演奏する予定でした。ベーカー家は先週イタリアに降り立ち、ベネチア、ローマ、シエーナをツアーして周りました。すべては予定した通りに進んでいました。ピサに立ち寄るまでは…

たくさんの荷物を持ったベーカー家の子供たち

「わたしたちは荷物や楽器を車の中に置いたまま鍵を掛けてから、ピサの斜塔の写真を撮るためにしばらく車から離れました。」ベーカーはザルツブルクからの特別インタビューに答えた際にこのように語りました。30分後に一家が車に戻ると、車が盗難にあっていたことが分かりました。「わたしたちはぞっとしました。荷物、楽器、鞄、リュックがなくなっていました。子供達は叫び声を上げて、ただ涙を流すばかりでした。」

ベーカー家は住まいのあるユタから何千キロも離れた場所で、洋服、パスポート、チェロ、キーボード、楽譜などを失ったのです。しかし一家は、警察が到着するのを待っている間、ある非常に特別な所持品が犯罪の手を免れたことに気が付きました。

「わたしはイタリア出身の著名なバイオリン製作者ビンセンゾ・パノーモの手による1795年製のバイオリンを弾いています。わたしはこのバイオリンを20年以上も弾いています。」彼女はバイオリンケースが車の中に置かれたままになっているのを見つけました。涙があふれて感謝の気持ちでいっぱいになりました。

著名な演奏家の彼女にとってバイオリンはただの楽器以上の存在なのです。「それはわたしにとって音楽の魂です」と彼女は言います。「最愛の母が亡くなった時に受け継いだ遺産でこのバイオリンを購入しました。母はこの世にいた時に音楽の賜物を与えてくれました。そして、亡くなってからは特別なバイオリンを贈り物として授けてくれました。」

その後、娘ローラと息子マシューのギターも残されていたことに気が付きました。しかしアコーディオンと娘サラの大切なチェロはなくなっていました。

ビンセンゾ・パノーモ1795年製のバイオリン

「わたしはその晩、祈りを捧げ、天のお父様にいくつかの貴重な持ち物を安全に守ってくれたことに感謝しました。わたしは天使たちの群れがわたしのバイオリンを守るために送られたことを知っていました。そしてわたしの母が天使たちを導いている様子を想像していました。」

 

天使たちに助けられ、試練を乗り越える

ベーカーは、神様は全ての試練を取り除くことはされないけれども、わたしたちがそれを乗り越えることができるように奇跡を起こされることを信じています。「このような大きな奇跡はほかの問題を小さくしてしまうことがあります」とベーカーは付け加えました。「まさにそのようなことがわたしたち家族に起きたのです!ただ感激するばかりです。」

一家は領事館でパスポートの手続きをしたり、ショッピングモールで新しい洋服を購入したりしました。一番の課題は新しい4分の3サイズのチェロを見つけることでした。「フィレンツェに着いてから、街中のお店を探しましたが、まったく見つかりませんでした。しかしありがたいことにわたしのフェイスブックにアップした盗難の投稿を読んだ友人が、イタリア・ボローニャに住んでいる人を紹介してくれました。そのおかげでわたしたちは完璧なチェロを見付けることができました。面白いことに、わたしたちがチェロを購入した場所はチェロの発祥地でした。」

ベーカー家は「サウンド・オブ・ミュージック」のビデオ撮影のためにいくつもの物品を購入し直さなければなりませんでした。しかし彼らはこれからも必ず天使たちの助けや奇跡が起こることを信じていました。「わたしは自分の家族はトラップ家族に少し似ていると思います。わたしたちは試練を通して絆を深めています。それに音楽のおかげでさらに一致することができるのです。」

 

主な写真はjennyoaksbaker.comより掲載する。ほかの全ての写真はジェニー・オークス・ベーカーの厚意により掲載する。

 

この記事はもともとJason F. Wrightによって書かれ、ldsliving.comに ‘After Theft of Passport, Prized Possessions, Jenny Oaks Baker Is “in Awe” of the Miracles She’s Experiencedの題名で投稿されました。