わたしが最初に結婚したとき、皆そして彼らが飼っている犬までもが結婚生活に関するアドバイスをしたがっていることは分かっていました。アドバイスの中には実用的なものや、たわいないものもあり、中にはシンプルで賢明なものもありました。そしてアドバイスが殺到してくると、そこにはシンプルでも共通のテーマがあることに気づいたのです。それはコミュニケーションです。率直に話し合い、心に感じている気持ちを伝え、ともに決断し、互いに優しく話し合う必要性です。結婚生活においてこのような姿勢は苦痛を避け、良い関係を築いていくために大切なこととして浮かび上がってきました。

リサーチが結婚生活におけるコミュニケーションの大切さについて証明しているのは驚くにはあたらないことです。2014年の研究によれば、夫婦がどれほどたくさんコミュニケーションをとっているか、そしてどのようにコミュニケーションをとっているかは実際に二人の関係の満足度に影響を与えるということが分かりました。一つの長期にわたる研究では、ジョン・ゴットマン博士は結婚生活に苦痛やダメージを与え、ひいては離婚にまで至ってしまう4つのコミュニケーションパターンを発見しました。

1. 批判

伴侶がどれほどすばらしくても、おそらくあなたは常に不満に思うことを指摘できるでしょう。ゴミを出すのを忘れた、靴下を床にぬぎっぱなしにする、帰りが遅くなるのを言うのを忘れた、など。それが何であろうと、あなたは自分を誤った方向に向ける何かを心に抱くことでしょう。

不満を言うというのは最も健全な行為でないとはいえ、批判の領域に持って行ってしまうと、それは即座にダメージを与えるものとなり得ます。『結婚生活をよくする7つの原則』の著者であるゴットマン博士は不満を言うというのは「特定の行為あるいは出来事に焦点を当てる」ことであり、批判するというのは「相手の性格や個性について否定的な感情や意見を表現する」ことであると説明しています。不満とは「二人で同意したようにごみを出すのをあなたは忘れたからわたしは怒っているの」と言うことであり、一方批判は「あなたはごみを出すということを一度も覚えてないのね!わたしが全部しなければならないのよ」となります。ではどうしたらわたしたちはこの有害な批判を結婚生活で避けることができるでしょうか?

対策:「わたしは」を使って自分の必要としていることや気持ちを表現する。

伴侶を批判するかわりに、自分の必要が何であるかを相手に知らせるようにします。次回あなたのごみ(あるいは他のものでも)についてイライラする気持ちがあれば、「わたしちょっといっぱいいっぱいで、もしあなたがごみを出してくれたらほんとうに助かるんだけど。一緒に計画をたてることはできないかしら?」という風に言うことができます。自分が必要としていることを伴侶に言うのはよいことです。よくないことはイライラを攻撃に変えてしまうことです。

2. 侮辱

批判が止まらないと、それは即座に相手に対する侮辱に変わってしまいます。ゴットマン博士によれば結婚生活で問題が解決されないと、否定的な考えが頂点に達する可能性があると述べています。

ごみを例にとると、伴侶がごみを出すのをいつも忘れるとします。あなたは不満を口にすることから始まり、それから批判するようになります。問題が正しく処理されないと、伴侶を違う目で見るようになります。伴侶がごみの問題について解決策を提案しようとするとき、あなたはただ笑って次にように言うのです。「あら、これで状況が変わるのかしら!あなたって全然進歩しないし、助けてもくれないのね。」このみくびったような対応は相手に対してどれだけ軽蔑しているか、また愛情が欠如しているかを示します。明らかに侮辱は健全なコミュニケーションのパターンとは言えません。では二人の関係にしみこんでくる侮辱を防ぐ最も良い方法とは何でしょう?

対策:互いに尊敬を持って接し、感謝を示す。

伴侶が解決法を提案するとき、呆れたように皮肉っぽく答えるかわりに、相手の努力を認める機会を持ちましょう。伴侶も人間であり、あなたと同様に尊敬に値することを忘れないでください!

3. 保身

わたしたちのほとんどは「死」という名の騎手〔訳注:新約聖書ヨハネの黙示録6章にあるこの世の終わりに出てくる馬のたとえからゴットマン博士は4人の騎士を結婚生活を終わらせる象徴として用いている〕について知っていると思います。言い訳がましく答えるのはとても簡単なことです。特に自分がけなされ、傷ついたときはそうです。保身に走るのは自分を守るために批判、あるいは侮辱に応えるための自然な方法です。

ごみのシナリオでは「あなたはごみを出すことを全然覚えていないんだから!」という批判は「そうだね、君がそのことについていつも僕にがみがみ言わなければ、多分僕たちは問題ないのに!」という保身の答えを導くかもしれません。保身は問題を大きくして、伴侶に責任を押し付けるだけです。

でも自分が保身に走りたい気持ちを持ち始めたとき、わたしたちには何ができるでしょう?

対策:自分の責任を認める

この対策をするにはほんとうに謙遜になる必要があります。いつもそのように見えないかもしれませんが、ほとんどの問題は単に一人の人間のせいではありません。伴侶はごみのことについてあまりにもしょっちゅう怒り狂っているかもしれませんが、ここであなたは深呼吸して、争いの中の自分の責任を認識することができます。「ごめん、今日ごみを出すのをすっかり忘れてしまって」と言うのです。

4. 壁を築く

4人の騎手の最後はおそらく最も瀕死にさせるものです。長い間、否定的なパターンを繰り返すと、伴侶はほんとうに圧倒されてしまいます。実際に一つの研究では、コミュニケーションにダメージが与えられると、伴侶は感情的にいっぱいになってしまい、争いを完全に避けようとします。大爆発を避けるためには、まず一歩下がって、完全にそこから離れてもよいでしょう。

このごみ問答がずっと長く続き、コミュニケーションに何度も他の騎手(批判、侮辱、保身)を使ったら、壁を築くのは問題です。一人が問題をもちかけようとすると、相手はテレビをつけたり、あるいは完全に無視します。

中休みをとることは良いことになり得ますが、壁を築くことは二人を互いに分離し、健康的で前向きなコミュニケーションを妨害します。では、どうしたら壁を築くのを止めることができるでしょうか?

対策:中断して気を静め、そして会話に戻りましょう。状況があまりにも感情的になったら、中断するのは良いことです。相手に自分は気を鎮める必要があること、でもその問題を一緒に解決するための方法を自分はほんとうに知りたいということを知ってもらいます。中断は二人にとって役に立つのです。

あなたの宿題

結婚生活のアドバイスをくれた人たちも含めていつでも完全なコミュニケーションを持つ夫婦がいるという訳ではありません。しかし自分のコミュニケーションの中に4人の騎手(批判、侮辱、保身、壁を築く)がいないかを探してみて、そのかわりに対策を講じようと試みるとき、結婚生活での苦痛を取り除き、コミュニケーションは改善できます。そして、より良いコミュニケーションとは、実際により良い結婚生活を意味するのです。

学んだことから実際の役に立つように、練習してみてはどうでしょうか?今週、結婚生活の中で4人の騎手について記録をとってください。どのようなときに自分がこういうパターンにはまってしまうかが分かると、自分で気づき、変える努力を始めるのに役立つことでしょう。

この記事は元々はElizabeth Warnerによって書かれ、Family Good thingsに投稿されました。