「宣教師」という言葉を定義すると、基本的には「宗教的な使命を持って派遣される者、とりわけ外国にキリスト教を広める人」となります。 もっと広い意味で定義すれば、「宣教師」とは、1つのプログラムなり原則の集合体に強く好感を持つ人が、教会によって一定の地域に送られ、人々を説得し、ないしは改宗すること。あるいは、教育や医療機関などのほかの活動に携わることとなります。

末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン書があるので誤ってモルモン教と呼ばれる)のトーマス・S・モンソン大管長は、182回目の半期総大会の最初のセッションで、宣教師に対する年齢制限が変わり、若い男性は18歳から、若い女性は19歳から、そのふさわしさに応じて宣教師になることができるという発表をしました。これらの宣教師は自分で行く場所を決めません。しかし、彼らは謙遜に、自分から進んでどこなりとも主のぶどう畑で必要とされる所に、主の用向きを果たすために出かけるのです。ある宣教師は家からそれ程遠くではない所で伝道するかもしれません。一方ほかの宣教師は遥か離れた土地に行って伝道するように召されますが、意図も目的も同じです。福音を宣べ伝え、教えることで、尊い人々をキリストのもとに連れて来ることです。

BYUtvのリアリティーショー「ディストリクト」

2009年の数週間に渡って、カリフォルニアのサンディエゴで4つのカメラチームが末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師の日常生活を追いました。8000時間を越える撮影が、宣教師が戸別訪問をし、街路で人々に話しかけ、福音を聞くのに関心を持った人々の家でレッスンを教える場面でなされました。これらのすべては彼らのありのままを写したものです。台本もなく、リハーサルもなく、宣教師も話しかけられている人々も俳優ではありません。

このように撮影することになったきっかけは、新しい宣教師訓練用のビデオをつくるための資料にするという考えでした。しかし、BYUtvと末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師部門が協力して、撮影した内容の一部を新しいリアリティーショーに使おうと決めたのです。その結果としてできたのは、8回のシリーズで、4組の宣教師を3ヶ月の間追跡するというものでした。

宣教師部門のメディアディレクターであるグレッグ・ドラウベイが述べているのは、

このプロジェクトのそもそもの始まりは、宣教師のためにもっと現実的な状況を与えたいという努力の結晶です。7−8年前にサンアントニオで行ったのと似たことをしたのです。ただ宣教師がすることをそのまま録画しました。それから小さな1−2分の訓練用のビデオの資料をつくりました。

私たちはサンディエゴに行って同じことをしました。ただ、今回は教えることと求道者を見つけることに的を絞りました。それから、私たちは40−50の資料を作りました。 [1]

BYUtv の独創性のあるディレクターであるスコット・スウォフォードはこのシリーズの首脳ですが、彼も次のように述べています。

私たちはあらゆるレベルで、一日中末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師が経験する現実の話はとても娯楽的な要素があると感じました。対象が、教会員であれ、ただ教会員に関心を持っている人であれ、これは人々の注意を惹き付けるテレビ番組です。これは若い人々が大事だと思っていることを成し遂げようと苦闘していることです。これは宣教師が難しい事態を経験していて、信仰が試され、求道の者の人々が、宣教師は気が狂っていると思っている状況を描いています。

私たちは「地区」を放送することができることで興奮しています。前例のないプロダクションだからです。教会はこれまで一度も伝道に関するこのような開けっぴろげな放送をすることに興味を示したことがなかったからです。このようなことを試みるのは恐怖を伴うように思われたのですが、現在、上の(管理職)の方からも、視聴者の方からも受けているフィードバックや支持は、ただ驚くようなすばらしいものです。 [1]

それぞれのペアーで、この「ディストリクト」の一人の同僚はユタから喝采を受け、別の同僚はそうではありません。地区のリーダーであるスチーヴ・ボット長老はジョン・ヘップワース長老(アイダホ)と同僚で、マイク・モレノ長老はタイラー・クリスチャンセン長老(フロリダ)と、アレックス・ムレー長老はテヴィタ・テゥイテゥー長老(グアム)と、ジャネット・ザルディヴァー姉妹はローラ・ヴォイレス姉妹(ミシシッピー)と同僚を組んでいます。[1]

 

この記事はキース・ブラウンによって書かれました。