わたしたちの末息子のジョシュアは、2013年6月21日アメリカのユタ州プロボ市に生まれました。 彼は、5人の子供の末っ子で、唯一の男の子です。赤ちゃんは、生まれると顔色がよくなっていくものですが、息子の場合、顔色はいっこうに改善されませんでした。必要な酸素を得られていなかったからです。看護師たちは、息子の肺が少し膨らむよう助ける必要があるだけで、すぐ20分ほどで戻ると、わたしたちを安心させるように言い、急いで新生児集中治療室に連れて行きました。医者はジョシュアの肺を膨らませましたが、顔色は全くよくなりませんでした。
診断結果
医者たちが、ジョシュアの問題が何であるかを見つけようとしているときに、偶然に小児循環器専門医がふと彼らが話しているのを耳にし、急いで超音波で検査するようにと指示しました。心臓の2つの主な動脈である大動脈と肺動脈が、心臓につながる場所で交差しており(別名、大血管転位と呼ばれます)、ジョシュアの血液は2つの別々の回路を通って体に流れていることが特定できました。肺に流れる酸素が豊富な血液は回路が閉じられていて、酸素を含まない血液が絶え間なく体に再循環している状態でした。ジョシュアが生まれた朝、小児循環器専門医が早めに回診を始めていたのは奇跡でした。
ジョシュアの病気が診断された頃には、彼の顔色は濃い青みがかった灰色になっていました。そしてわたしとジョシュアは、ソルトレイクシティのプライマリー・チルドレンズ・ホスピタル(子供を専門的にみる特別な病院)に、ドクターヘリで救急搬送される必要があると告げられました。わたしはその場にいた教会員で神権者である医者に、一緒にジョシュアに神権の祝福を授けてくれるよう頼みました。このような混乱した状況の中で、ジョシュアに奇跡が起こり、すぐに癒されるよう祝福を授けるかわりに、わたしは、手術に関わる医者たちが必要な処置を正確に行えるように、また、息子が手術から回復し、健康で活発な生活を送ることができるよう祝福すべきだと霊感を受けました。このとき、わたしは必要な治療を受けることにより、この先どのような影響が起こるかなど、まったく理解していませんでした。ヘリコプターが、プライマリー・チルドレンズ・ホスピタルに到着すると、わたしたちは12人の医者、外科医、看護師たちが心待ちに待機している手術室に、大急ぎで通されました。
血液循環のために、2つの心室の間に一時的に穴を開ける処置を始めましたが、酸素レベルは、望みどおりに改善されませんでした。それは緊張の瞬間でした。わたしは、手術室の隣のトイレに行き、ひざまずくと、天父にわたしのこの小さな息子を生かしてくださるよう嘆願しました。わたしの人生で、こんなにも熱心に祈りを捧げたことはなかったと思います。祈り終えると、御霊をとおして天父はジョシュアのことを見守っていてくださっており、神様の御心が行われ、ジョシュアは大丈夫であると強く感じました。何時間も時間がたつと、ジョシュアの酸素レベルは、必要なレベルにまで上昇しました。次の日に行われる、心臓の2つの主な動脈を再配置する開胸手術のために、息子の状態を安定させる必要がありました。
ジョシュアが生まれ、心臓欠陥があることがわかったときに、わたしと妻はとても驚きました。他の子供たちは全員健康に生まれ、妻の祝福師の祝福では、すべての子供たちは元気で健康に生まれるであろうと書かれてあったからです。ジョシュアは、大動脈が交差している疾患があったものの、他はあらゆる面においてまったく問題はありませんでした。彼の体は強く、生まれたときの体重は8.5ポンド(約3855グラム)でした。深刻な心臓欠陥の中でも、息子のような心臓欠陥の病気は、もし手術がうまくいけば回復が可能であり、普通の生活をすることも、健康に過ごすこともできるのです。ジョシュアは、この手術を受け回復した後、他の子供たちのように活発に生活ができるようになります。これからずっと、健康で元気に過ごすことができるのです。
神の御心を探し求める
最初の晩、わたしはジョシュアのベッドの横に座り、息子の胸に手を置き、考えました。「わたしたちの人生において、この出来事の天父の目的とはいったい何なのでしょうか。わたしはビショップ(地域の教会員を管轄する役目)として奉仕していて、わたしたちは常にできる限り福音に従った生活をするよう努力しています。わたしたちは、なぜこのような経験をする必要があるのか、また何をすべきか理解できるよう助けてください」。すると、ある思いが心に浮かびはじめました。家族のことを考えました。この経験は、わたしたち家族と親戚が、もっと近づくために必要だったのでしょうか?祈りと断食への信仰が増すために必要な経験だったのでしょうか?ビショップとして、もっとワードの会員たちの気持ちを理解したり、思いやりを持てるようになるために必要な経験だったのでしょうか?
これまで人生で、わたしたちは深刻な試練を経験したことはありませんでした。常に、肉体的にも健康が祝福されてきました。わたしが祈り、断食と神権の祝福について、会員たちの前でしっかりと立ち、わたしの確かな証を彼らに分かち合うために、このような経験があったのでしょうか?ある程度、これらすべてが当てはまると思います。またわたしは、家族、友人、ワードの会員から、留守番電話やメールにメッセージをもらいました。彼らがわたしたちのために祈っているというメッセージを聞いて、御霊をとおして彼らの祈りがまさに聞かれていると感じました。
そのときに、わたしの心におもな目的の一つである事柄について思いがわいてきました。この経験が伝道の機会であることがわかり始めたんです。また、もし天父の御心がわたしの息子を祝福することであるならば、その祝福を受ける資格を得られるように、わたしはできるすべてのことを行うべきであるという印象を感じました。思い浮かぶすべての人にメールや電話で連絡し、ジョシュアのために、また次の手術のためにわたしたちと一緒に祈ってくれるようにお願いしました。わたしは、多くの会員ではない人々や昔からの友達である今は教会に活発に通っていない会員たち、下請け業者にも連絡をしました。反響は大きく、彼らはわたしたちと一緒に祈りますと言ってくれました。また、祈るようお願いしたことを、心から感謝してくれました。また素晴らしいことに、彼らは手術がうまくいったかどうかを案じて、電話やメールで連絡をくれました。わたしは、彼らに手術はすべてうまくいったことと、彼らの祈りに感謝をしていることを伝えました。また、簡潔ながらも、自信を持って「祈り、断食、神権の祝福は真実です!」と伝えることができました。
祝福は真実です!
二日後の日曜日に、わたしは朝早く地元に戻り、聖餐会に少しだけ出席することができました。聖餐会が終わりに近づいたころ、わたしはワードの会員の前に立ち、彼らの祈りと、それからわたしは知らなかったのですが、ワードで特別な断食を行ってくれたことを感謝しました。そして祈り、断食と神権の祝福についてわたしの証を分かち合うことができました。それは素晴らしい経験でした。わたしは、福音に従った生活をしている家族に、なぜこのようなことが起こるのだろうかと疑問に思う人もいるかもしれませんと言いました。そこでわたしは、もしこの経験がなかったならば、天父にこんなに頼ることも、この数日の間に築いた天父との関係も、ありえなかったことを説明しました。わたしの証は、常に強いものでしたが、今はこれまで以上に強くなったことも伝えました。
ジョシュアの手術は、完璧に成功することができました。彼の回復は目覚ましく、出産から2週間で帰宅することができました。現在にいたっても、完全に健康な男の子です。生まれて3日しかたっていない赤ちゃんが、心臓の両方の大動脈を再配置するために開胸手術を受け、たった2週間で帰宅できるなど奇跡です。わたしは、神権の祝福、祈り、現代医学に本当に感謝していますし、それらは真実であると証します。
この記事はもともとユタ州在住の父親により書かれたものです。このお話の登場人物の名前は仮名が使われています。