色々な理由で、わたしの父方の家系図は、良くても不明確で欠けているところがありました。それを変えようと決意をし、一年前にancestry.comに登録し、10人の顔も名前もないわたしの祖先を探し始めました。
始めは、なかなか進みませんでした。(出生届や死亡届などの)書類の紛失や、家系図の欠けている部分により、一、二世代前ですでに、壁にぶち当たっているように思えました。
ある日両親が、祖母に会いに行くように提案しました。祖母は、情報をしまった箱をもっており、その中にわたしが探している家族歴史の答えを見つけられるかもしれないとのことでした。
わたしたちはしばしば、祖母に、そのことについて尋ねてきましたが、祖母の記憶は確かではなく、大切な日付や人々、場所について知りませんでした。
わたしは、その箱を渡してくれるように祖母を説得しようと決意して、訪ねました。わたしたちはしばらく話し、最初は納得していなかった祖母も、箱をわたしが持ち帰ることに同意してくれました。
わたしは、その幅が広くて深い箱に飛び込んだ時、信じられないものを見つけました。たくさんの、場所や名前が記された現物の写真や、書類、目撃談でした。すべて、そこにあったのです。白黒の写真を一枚一枚見ていると、歴史が突然、まったく別の意味を持ったのです。それはツタンカーメン王の墓を発見したようなものでした。もっとも、わたしはその人々の子孫、一員なので、わたしには、もっと意味深いものですが。
これらの人々は、わたしとは違う時代に生きていたのですが、彼らの顔をじっと見つめているうちにわたしが感じた、間近の誇りと親族関係を信じることができませんでした。わたしの全人生は、突然変わりました。その箱には、わたしの先祖がいたからです。わたしをもたらした人々、今まで知らなかったわたしの家族。
わたしは、ある出来事についての先祖の手書きの記事のひとつを公開しました。わたしは、物書きであり、熱烈な記録魔です。わたしは、1800年代に書かれた先祖の直接の言葉を読んで、興奮で満たされました。わたしは彼女が、わたしが記録をつける時と同じ様に感じたのだろうか、これらの数ページがわたしにとってどんなに価値があるものか知っていたのだろうかと思いました。彼女の簡潔明瞭な説明が瞬時に、他では見つけられなかった情報満載の、かけがえのない大事なものになったのです。
その深さのある箱の中身(散乱したメモ、整理されていない写真、分別し、整理する必要がある果てしない量のデータ)を調べながら、これはわたしの個人的な、家族のロゼッタ・ストーン(古代エジプトの石碑)であることに気がつきました。家系図を繋げる鍵となったのです。まだまだすべきことがありますが、この業への最初の小さな一歩からさえも、驚くべきことを発見したのです!
LDS教会のオンライン、ファミリー・サーチを見ていて、他の人がわたしの家族の系図に新しい情報を載せているのを見つけ、それによりひとつの系統を繋げて数百年さかのぼる事ができました。わたしは、ノルマン人バイキングの直系であることがわかりました。チェロキー(アメリカン・インディアンの部族)の血統であるという、家族に伝わる話しが本当であるということも知りました!箱いっぱいに詰まった情報のかけらは、わたしの豊かな過去への鍵だったのです。
わたしは、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員として、家族の歴史と家系図についてずっと学んできました。(時にモルモンまたは、LDS教会と呼ばれる)この宗教は、全体が家族を基とし、中心としています。わたしたちモルモンは、自分の出身や、先祖を知るために、膨大な調べものをします。実際モルモンは、家族歴史で知られており、幾人かのアメリカ大統領に家系図を提供してきたという慣習があります。
わたしたちが家族歴史をする一つの理由は、家族が永遠に一緒にいられると信じているからです。わたしたちは、「なくなった親族」のために儀式をすることを信じています。それにより、この世で真理を聞く機会がなかった場合、この世を超えてその機会を得ることが出来るようにするためです。
広く知られていますが、ほとんどの場合誤解されているのが、亡くなった家族の身代わりに行われるバプテスマについてです。これは、実にシンプルなことです。神殿にふさわしい末日聖徒の代理人による、家族の一員のための水に沈められるバプテスマです。家族の名前を使って、その末日聖徒が実際にバプテスマを受けることにより、彼らの身代わりとして行われるのです。
LDSの教義は、死者の名によりこれらの儀式を行うときに、その人は次の世で、イエス・キリストの福音を受け入れるかどうか決めることが出来ると、はっきりと述べています。
わたしは最近、近くの神殿のオープンハウス(再奉献される前の一般の人へのお披露目の時)へ、モルモンではない友人を連れて行きました。その後長い間、話をしました。彼女は、「死者のためのバプテスマ」について聞いたことがなく、最初は少し、警戒していました。
わたしがより詳しく説明すると、彼女はその概念は理にかなうと言いました。彼女は、キリスト教を学ぶ機会のない場所に生きていた人はどうなるのだろうかと常に思っていたと、言いました。その機会を渡す人々を与えるといことは、彼女には理にかなっていたのです。
それは、わたしたちがLDS教会で感じていることです。わたしたちがこの業をするのは、それが全世界に対する神の憐れみ深い手を表しているからです。神は、人を差別待遇することなく、すべての神の子に神のことを学んで欲しいと望んでおられます。モルモンの信仰において系図をするのは、家族を永遠に繋ぐ、そのためです。
この記事は、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員、リビィ・ウィットテイカーによる寄稿です。
リビィ・ウィットテイカーは、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員(モルモンの女性)です。ボイシー、アイダホの保険仲介業者で、コミュニケーション専門家として働いています。