モルモン教の会員は多くの固定概念で見られがちです。モルモン教に対する最も多い考えの一つは、大家族だということです。多くのモルモン教の親には、7,8人どころか10人、あるいはそれ以上の子供がいます。大家族を持つことはモルモン教の教義の一部ではありませんが、子供をもうけ、育てることの大切さを教えられています。教会の第15代大管長であるゴードン・B・ヒンクレーは1995年に発表した声明でこう述べています。

「家族は神の子供たちの永遠の行く末に対する創造主の計画の中心をなす・・・増えよ、地に満ちよ、という神の子供たちに対する神の戒めは今なお有効です。」(「家族―世界への宣言」)

この劇的な声明は別にして、教会の指導者は家族計画を各家族に任せています。モルモン教は家族に関して有名だという事実は重要です。―モルモン教は子供たちを大切にし、親の務めに力を注いでいるのです。[1]

家族は永遠である

モルモン教の鍵となる教義の一つは、家族を中心としています。モルモン教は神殿で行われる神聖な儀式が、永遠に家族といられることを確実にできると信じています。モルモン教の男女は、集会所の礼拝堂とは違って一般の人には公開されていない神殿のために備えをするよう推奨されています。神殿は、私たちを永遠のために備える神聖な儀式のために取って置かれています。神殿で行われている最も重要な儀式の一つは、結び固めの儀式です。結び固めは、モルモン教の会員が神殿結婚を表すために使う言葉です。これらの儀式は市民結婚とは異なります。執行者の権威はこの世だけに及ぶものではないからです。結び固められた男女は、この世と永遠に渡り結婚します。死を超えられる結婚をさせる力を持つ市民結婚の執行者はいません。永遠の結婚はイエス・キリスト教会独自の物であり、永遠の家族に欠かせないものです。

家族には永遠の重要性があるので、モルモン教は地上で家族に非常な価値と重きを置きます。モルモン教は、私たちがこの地上に来る前に存在し、この世の後も存在し続けると信じています。夫と私が息子を家族に迎えた時、私たちの赤ん坊の霊が天から来たということをよく理解していました。彼が生まれた時、私たちは永遠と家族の重要性をさらに理解したのです。

家族は社会のためになる

子供を育てるにはお金がかかります。家族に新生児を受け入れるためだけのすべての必需品の他に、衣類、教育、食糧、娯楽、そしてスポーツや音楽などの他の活動のために長年に渡ってお金が必要です。(そして子供の世話にかかる費用や子供と一緒に親の一人が家にとどまるための収入減などの要因。)望んで家族を持つことを選ぶ人々は、たぶんよりつつましい生活も選ぶでしょう。

しかし子供を責任感のある貢献できる大人に育て上げることにより、はるかにより大きな有益な影響を社会にもたらすことができます。どのような個人の金銭的不利益をも超える影響をもたらします。ブリガム・ヤング大学による研究では、一人の子供は大人になると400万ドルから800万ドル国内総生産に貢献する可能性があると結論づけています。社会と経済は、子供を育てる親から益を受けるのです。

親の務めが親を精錬する

今日の世の中は、自分自身に重きを置きます。自己中心と利己心のテーマが、文化を、そしてカップルを、もし仮に結婚しても子供を持つことにあまり重きを置かないようになっています。「子供を持たずにすべてを手に入れる」というこの風潮が続けば、世界は必ず苦しむことになるでしょう。経済的論議を置いても、社会の大人の質は必ず退廃するでしょう。

現在、夫と私には子供が一人だけいます(将来もっと増える予定ですが)。一人息子の母親として、親の務めは人格を変えると証できます。以前は息子に対する愛の深さ、その小さな者に対して抱く無私の献身に気付くことは決してありませんでした。親の務めに伴う犠牲は多く、また重要です。睡眠不足や体重増加などの肉体的犠牲に加えて、夫と私はお互いのための時間や、他の趣味や興味に使う時間なども、ある程度あきらめました。私は日に何度もキッチンの床を拭き、おもちゃを拾います。息子をあやすために優しく子守歌を歌い、彼がついに眠りに落ちるまでロッキングチェアーで時間を過ごします。

人生にマイナスの影響だという人もいる、これらすべての犠牲があっても決して元に戻るつもりはありません。息子が生まれてからの数か月間、最も偉大な目的、最も大きな充足感、そして今まで経験したこともない最も大きな愛のほとばしりを感じました。天に、そして神に近く感じます。今まで以上に救い主に頼り、力を与えられたと感じます。毎日が喜びに満ちているわけではありません。母らしい多くのの涙も流してきました。けれども、永遠の重要性を持つ業を始めているという知識は、失われていません。

子供を育てることは精錬することであり、この世はより精錬され責任ある大人を必要としているのではないでしょうか。

子供のいない家庭

すべての子供のいない家庭が、自分本位の生き方という主義に賛同しているわけではありません。多くの夫婦が、子供を育てたいという望みに影響を及ぼす障害に直面します。不妊は、数えきれない夫婦が経験する試練であり、必ずしも奇跡の赤ん坊という結果に終わるわけではありません。モルモン教はこれらの状況を理解し、愛と理解と慰めを提供します。すでに述べたように、モルモン教には、具体的な家族計画に対して公式な意見はありません。いつ、何人の子供を持つかは、その夫婦と主との問題です。

神は私たちのために家族を備えられた

すべての人が家族と好意的な付き合いがあるわけではなく、すべてのモルモン教の会員が教化的な家庭生活を送っているわけではありません。あなたがイエス・キリスト教会について学んでいるのなら、すべての家族が完全である、または完全であることを期待されているという誤った考えに陥らないでください。永遠の観点を持ってしても、親の務めは困難で骨の折れるものです。

天の父は、私たちの益となるように家族を備えられました。子供を育てることを通して、より救い主のようになることを学びます。親の務めを果たす上でキリストに頼ることにより、彼の力と影響をより多く学びます。家庭生活は常に容易で楽しいものではありませんが、キリストの教義に基づいて生活する時に、人生は充足感で満たされるのです。

家族の力を軽視しないでください。子供のいない暮らしが理想的だというウソに騙されないでください。家族は神聖であり、永遠であることができます。豊かな家族生活は、主が私たちに与えることができる最も偉大な祝福の一つです。

シャルロッテは2010年4月にブリガム・ヤング大学から、編集専攻で英語の学士号を取得しました。学業の傍ら、ニール・A・マクスウェル宗教奨学金協会やBYU出版、機関紙ニュー・エラでインターンをしました。現在オレゴン州ポートランドに夫と息子と共に住んでいます。専業主婦で、個人ブログ(smallandtrivial.blogspot.com)を書いて執筆能力を維持しています。