初めての妊娠が分かったとき、毎日は喜びに満ち、生まれたばかりの柔らかな赤ちゃんを腕に抱く日を楽しみにしていました。しかし、妊娠11週期に入るころ、わたしは出血するようになりました。

 

かかりつけの産婦人科医に診てもらうと、胎児の心音が確認できず、超音波で検査してみることになりました。超音波室に案内されると、わたしの手は震えました。放射線技師は、無言でわたしの腹部に超音波振動子をあてました。彼は眉をしかめながら、不鮮明な白黒の画面を詳しく調べると、「排卵誘発剤を飲んでいましたか?」とわたしに聞きました。

 

わたしは驚いて、「いいえ。妊娠するのは今回が初めてです」と答えました。

 

彼はうなずくと画面をながめました。

 

夫とわたしは、技師が画面の映像を拡大するのを心配しながら見ていると、小さな胎嚢が3つ見えました。

 

「三つ子ですか?」と、わたしは信じられない思いで聞きました。

 

彼はうなずき、3つの胎嚢の上に小さなXマークを付けました。そのXマークの意味を理解しようとするにつれ、わたしの心は沈みました。それから数日間、ドクターが言っていたことは間違いだったという期待にしがみつきながら、重い気持ちで過ごしました。しかし陣痛が始まると、もうそれ以上現実を否定することができなくなりました。

 

流産の後、人けのない家に戻ると、精神的にひどく落ち込みました。わたしは、一日中ソファーで泣き続け、なぜこのようなことを起こさせるのか主にたずねました。わたしの夫も流産を悲しみ、わたしの健康を心配しました。わたしの絶望は、彼に悲しみと悔恨の情を増し加え、夫は、この苦痛からわたしを助けることができないと思いました。数週間の喜びと感激の後、むなしさにより、わたしたちの心は引き裂かれました。

 

わたしたちは、若い結婚をしている学生たちのワードに集っていましたが、ほぼすべての夫婦たちには子供がいました。わたしは、流産を経験したことがある人を知りませんでしたし、このような試練をわたしが経験しようとは思いもよりませんでした。

 

人々は、良かれと思って助言をしてくれたのですが、多くの場合、誤った情報でした。常に誰かが「子供は作らないの?」と聞いてきたり、忠告や歪んだ教義を耳にするのがいやで、教会に集うのが辛く感じました。

 

夫とわたしは、悲しみを対処するために最善の努力をしました。わたしのお腹の中には、もう赤ちゃんがいなくて空っぽという事実が憂鬱な気持ちにさせました。きっともうお腹がはって、予定日が近く3月。誕生の季節。赤ちゃんを迎えるには最高の時期でした。赤ちゃんたちは三月に産まれてくるはずだったのです。気持ちをうまく消化できませんでした。出産予定日が過ぎても、1年が過ぎても、わたしはまた新たに妊娠することができませんでした。

 

再度わたしは流産を経験し、不妊症に悩まされました。そしてついに、最初の流産から約3年後、美しいい四月に娘が生まれました。

 

流産を経験した時にできること

流産の経験から感じた苦しみは、すぐには消えませんでした。癒えるまでには、長い時間がかかりました。何年もたった今でさえ、より物事への理解を深め、人生の困難に向かおうとするとき、あの経験がわたしの生活や人とどう接するかに影響を与えています。しかし、癒される過程には手順があるのです。それは前へ進めるよう後押しをしてくれることでしょう。

 

悲しんでも大丈夫であることを理解する。

流産の最も難しい面は、他人の目には見えないということです。人々は、流産を経験した夫婦は悲しむ必要などないと思うことが多くあります。流産したときが、妊娠3週目であろうと23週目であろうと関係なく、大きな喪失感を感じる可能性があります。あなたには悲しむ権利があり、悲しむ必要があります。

 

悲しみは、各個人にとって、異なる形をしていることがあります。最も深刻な悲しみは、突然で、悲劇的で、説明のできない死によるものが多いです。 流産も、この分類に入ります。骨折をしたときに、あなたはどうしてそれが起こり、どのように治療をしたらいいか知っています。しかし、流産の場合、どうしてそれが起こり、どのように治療をしたらいいかは明確ではありません。

 

人の善意に気分を害さない。

人と関わるのは、ときに難しいですが、悲しんでいるときに必要です。では、誰かが配慮に欠けるようなことを聞いてきたときに、わたしたちはどう答えたらいいでしょうか?わたしが聞いたことのある最善の助言は、「どうしてそのようなことを尋ねるのですか?」と答えることです。このようなシンプルな反応により、わたしたちは怒ったり、傷つくことを回避でき、できればその人がなぜそのようなことを尋ねるのか、その理由が分かるかもしれません。ある人が、善意ではあるものの身がすくむような方法で、同情を示してくれるときには、気分を害さないようにと自分に言い聞かせます。完璧な人などいませんし、わたしも完璧ではないのです。

 

あなたの伴侶のことを忘れない。

自分の悲しみで頭がいっぱいになると、あなたの伴侶も苦しんでいることを忘れがちになってしまいます。

 

多くの夫たちは、悲しみと癒しの過程の間に、自分は考慮されず、忘れられていると感じるようです。ある人は、「その子はわたしの子供でもあり、わたしも妻と同じくらい辛いんです。彼女とは違うと理解していますが、子供を失ったことだけを悲しんでいるのではなく、妻が味わっている苦しみにわたしも苦しめられているんです」と言いました。

 

夫も悲しむ必要があり、悲しむ権利がありますが、ほとんどの人の場合、夫の悲しみは妻のものとは異なるでしょう。なぜなら、女性は妊娠と流産の肉体的な変化を経験するので、多くの場合、夫は妻と同じ感情を理解するのは困難だからです。夫も、悲しみを感じることでしょうが、人に自分の気持ちを話すことはないかもしれません。

 

多くの夫は、妻や家族のために強くいなければいけないと感じます。またある人は、もし彼らが自分の苦しみと失望を和らげることができれば、妻のことを助けられるのではないかと思います。しかし心の中では、妻を苦しみから守ってあげられないのは、自分に責任があるのではないかと思い、挫折感を感じています。

 

手を差し伸べ、お互いを慰め支え合ってください。そして、この辛い時期に、いつも以上にあなたの伴侶に愛を示してください。

 

福音を慰めの源とする。

わたしは必死に答えを探していたときに、慰めを求めて聖典を調べ、福音の教義を学びました。神権の祝福は、平安と個人的な導きを得るための素晴らしい源となります。またあなたが集うワードのビショップも助けを与え、理解を示すことでしょう。

 

流産や死産を経験した人を慰めるには

わたしたちの悲しみや試練の受け止め方は、人により異なります。ある人にとって慰めとなったことは、別の人を傷つけることがあります。なんてややこしいんだろうと、あなたは思うかもしれません。 では、どうすればいいのでしょうか?

 

どのように助けることができるか、ひざまづいて天父に祈る。

主は、彼らを助けたいと思っておられ、あなたは主に代わって、その人のために仕えることができます。

 

良い聞き役になる。

多くの場合、シンプルに「わたしもとても悲しいよ。」や「あなたが大好きで、あなたのことを考えると、わたしの心も痛むんだ」と伝えることは、良い聞き役になることと併せて最高の慰め方です。では、もし相手があなたの親友、姉妹、または娘であった場合はどうでしょうか?もし、彼女があなたと話したいと電話をしてきた場合、もっとそれ以上のことを伝える必要があるかもしれません。「24時間、いつでもあなたが話したいときに、わたしはここにいるからね」「それは本当に辛いわね」「今、あなたが苦しんでいるのが分かるわ」「あなたのために祈るからね」と伝えるのもいいでしょう。

 

流産の話題を避けるのではなく認める。

もしあなたがその人を避ければ、彼らは見捨てられたと感じるかもしれません。苦しみを認識すべきですが、「あなたの気持ちがよく分かる」といったことを言わないことです。たとえあなたが、似たような状況を経験したことがあったとしても、すべての人の対処法は異なります。

 

その人の苦しみをけなさない。

代わりに、理解できない感情を経験しているかもしれないことを認めてあげてください。もし誰かが、流産による苦しみを経験しているときに、「これでよかったのよ。もしかしたら障害があったのかもしれないし」などと言わないでください。そのような推論は慰めにはなりません。

 

誰かが悲しみの過程にいるときに、彼らを急かさない。

骨折が完治するのに数週間かかるように、流産から立ち直るのにも時間が必要です。彼らが必要なだけ待ってあげてください。そして引き続き、励まし、助けてあげてください。

 

あなたが流産したときと、そのとき感じたことを思い出す。

わたしたちは各々、人生において、何らかの形で何かを失います。そのような経験について考えることにより、あなたの愛する人の苦しみを自分のことのように感じながら慰めることができるかもしれません。 聖典の中には、救い主が苦しんでいる人々を慰められた話が多く収められています。主は、悲しむ者とともに悲しむように命じられました。このキリストの属性に習い努力し、御霊からの導きを求めるときに、 人々を助け、慰めを与えることができることでしょう。

 

 

この記事はもともとRachelle J. Christensenによって書かれ、ldsliving.comMiscarriage: How to Heal and How to Helpの題名で投稿されました。

日本語©2017 LDS Living, A Division of Deseret Book Company | Englsih ©2017 LDS Living, A Division of Deseret Book Company

 

 

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