ージャッジするって?ー

あなたには誰かの行動や言葉にイラッとしたり、理解できなかったり、あの人は間違っている、と感じたことはありませんか?ほとんどの人がそのような経験をしたことがあると思います。わたしたちは日常生活の中で、他人が自分の考え方に反した言動に対して、自分の基準で評価する傾向にあります。つまり、自分の価値観に合わせて人を判断したり評価すると、その人をジャッジしている、ということになります。

 

人をジャッジしたわたしの経験

わたしは以前、ある会社のコールセンターで働いていました。お客さんからの電話はいつも楽な内容ばかりではありませんでした。どうにもできない事や、変えられない事柄に対して怒鳴られたり、何時間も文句を言われたりする事もありました。「あなた、バカじゃないの!」と言われた事さえもあります。わたしの失敗ならまだしも、わたしにはどうにもできない事なのに、どうしてこんなに不等な扱いを受けないといけないのか、一体どういう神経でこんな事を言っているのか、性格悪いな!といつも腹を立てていました。その他にも、風邪や病気の人が公共の場でマスクをしていない事や、このパンデミックという大変な時期に、みんなでマスクをして防ごうという取り組みをしているというのに、マスクなんてしても意味がないとマスク着用を拒む人、携帯を使用しながら危険な運転をしている人、人が大勢いる場所でタバコを吸っている人などに対して、理解できないと感じる事がよくあります。「こんなに簡単な事なのに、どうして周りに迷惑をかけている事に気が付かないのか・・」と思ってしまいます。無意識のうちに、身の回りの人に対してジャッジしてしまっている事もあります。

マスク無し、携帯しながら運転、たばこを吸う人の絵

ージャッジする側が受ける影響ー

わたしは、自分が他の人をジャッジする時に、どんな気持ちになるか、どんな影響を与えてしまうか紙に書き出してみました。

・イライラする

・その事で頭がいっぱいで何もできなくなる(時間を無駄に使ってしまう)

・ネガティブな感情に心が占領される

・人をジャッジしているという罪悪感に襲われる

・その人との関係に亀裂が入る

・文句や噂話に繋がる

・そうでなくても自分が正しいという考えを持ってしまう

このように、ジャッジすることでジャッジする側にストレスがたまり、悪循環が起きていることが分かると思います。

ジャッジすることで受ける影響のリスト

ージャッジすることをやめる方法ー

・ジャッジしてしまう自分を受け入れる

しっかりとした躾(しつけ)や、教育を受けた、または受けている人ほどジャッジしてしまう傾向があるようです。特に宗教の教えを熱心に勉強したり実践している人は、他人の間違った行動や考え方に対してジャッジしてしまいがちかもしれません。そういう場合は、せっかく身に着けた正しい知識や教養を、ジャッジすることではなく、良い事に活かせるようにできたら良いですよね。具体的には、相手が嫌な気持ちにならない程度に行動で模範を示してみたり、相手の良いところを積極的に探すように努力したり、色々な形で自分の持っている知識や学んだ事を共有してみると良いかもしれません。ポイントは相手に愛や優しさを示す事だと思います。

同時に、自分の考えや軸、価値観をしっかり持っていれば、自然と人をジャッジしてしまうという事実を受け入れ、罪悪感に潰されないようにしましょう。大切なのは、ジャッジしてしまう回数を少しずつ減らしていけるように努力する事です。

 

ー相手の状況に立ってみるー

怒っている時やイライラしている時は難しいかもしれませんが、この方法はかなり効果があります!

人は通常、自分が正しく、相手が間違っていると考えがちですよね。なので、自分の価値観を一度全て忘れるように努め、完全に相手の立場に立ってなりきってみると、その人が間違っていると思わなくなります。例えば以下のように考えることができます。

 

「自分もあの人のような家庭で育ったら、あのような考え方になってしまっていたかな。」

「嫌な事があって人に当たってしまっているのかもしれない。」

 

人はそれぞれ育った環境も違えば、受けた教育、価値観、性格も違います。人の行動の裏には、このような色々な要素が隠れています。この事を理解すれば、相手になりきる事もそんなに難しい事ではなくなるかもしれません。

 

ウークトドルフ長老もジャッジしなくなる方法を紹介してくれています。

「人を裁くのをやめて、批判的な思いや感情を、神とその子供たちへの愛に満ちた心に置き換えるだけでよいのです」と言っています。神の愛を受け入れ、その愛で心と頭を満たすことで悪感情を消すことができます。すべての人が神の子供で神から深く愛されているので、わたしたちは互いを大切にし、赦し合うことが重要です。イエス・キリストから敵を愛する模範を学びましょう。そして憐れみ深くなることで、憐れみを受ける人になりましょう。(ディーター・F・ウークトドルフ「憐れみ深い人々は憐れみを受ける」総大会 2012年4月)

 

どうでしたか?わたしもこの記事を書き始めてから、意識して相手の立場に立つ事を心がけています。ジャッジをしないというだけで、精神的にこんなに楽になるものなのかと感じています。みなさんも今週一週間、わたしと一緒にチャレンジしてみませんか?そして、その感想や他にみなさんが実践している方法があればぜひコメントしてください!