今年も残すところわずかとなりました。この時期はいつもより時間が瞬く間に過ぎていくようです。クリスマスやお正月休みを楽しみにしながら、日々の生活に励む人がたくさんいるでしょう。年の瀬の行事を楽しみながらも、また一年が過ぎ去ることにふと寂しさを感じるかもしれません。そんな時に、今年一年を振り返ってみてはいかがでしょうか?一年を振り返ることで、自分自身や周りの人の成長を確認でき、数多くの恵みに感謝できるようになるでしょう。
今年を振り返ることのメリット
上記にもありますが、一年間の自分の足跡を振り返ることで、自分の成長を確かめることができます。目標に更に一歩近づけたことで、達成感と満足感を味わうことができることでしょう。もしかしたら思い通りに行かないことに対して、もどかしさを感じるかもしれません。そんな時は自分をねぎらいながらも、目標を見直してみてはどうでしょうか?そうすることで、より自分に合った目標を立てるヒントを得られることでしょう。また試練や失敗に苦しみ、肩を落とすことも多々あると思います。そんな時は、自分の気持ちを認めてあげながらも、感謝することを見つけることで、癒しや生きる力を見出しましょう。この一年の歩みをこのように振り返ることで、自分の弱点を責めたり、人と比べて落ち込むことも少なくなるのではないでしょうか。ゆく年くる年に思いをはせながら、新しい年に良い選びや行動をするための指針を見つけられることでしょう。
一年間の出来事を思い出す
満足感や達成感を得るためには、具体的にどのようなことを振り返ればよいのでしょうか?いくつかアイディアを紹介します。
・家族や友人と過ごした楽しい時間を思い出す。
・仕事や学校で達成したり、褒められたり、認められたことを挙げる。
・趣味や特技でやり遂げたことを思い起こす。
・新しく始めたこと、チャレンジしたことを挙げる等。
ここにあげたこと以外にも、きっとたくさん振り返ることがあるはずです。ぜひあなただけのオンリーワンな思い出や経験を振り返ってみてくださいね。
さて今年を振り返ることの大切さは分かっているけれども、忙しくて時間がなかなか取れなかったり、具体的にどのように振り返ってよいか迷う方もいるでしょう。そんな方のために、手軽にできる方法をご紹介します。
・カメラやスマホに収めた写真を見直しながら、楽しい思い出を振り返る。
・SNS上に投稿した記事や写真を見直す。
・一年間の印象的な出来事、楽しかったこと、達成したことを紙に書き出す。
・自分が書いた日記を読み返す。
・もし今年の目標があれば、その目標を振り返る。
どうでしょうか?あなたにピッタリの方法は見つかりましたか?リストの最後に挙げた、「今年の目標を振り返る」ことについてのヒントを、もう少し詳しくお伝えします。
夢をかなえるための有効的な目標設定
一年を振り返る時に、年初めに立てた目標を有効活用することができます。もちろん目標を立てなかったことを心配する必要はありません。あえて目標を立てないことで、目標以外のことが手に入ることもあります。大切なことは、一年の出来事や経験を振り返ることで、自分の成長を感じることです。また振り返ることで、祈り求めていたことに、実は神が答えてくれていたと気が付くこともあります。
それでもやはり夢を叶えるためには、目標に向かって努力することが大切です。よく考えられた目標を立てることで、達成感と自信を得ることができます。M・ラッセル・バラード会長は、目標設定についてこのように言いました。「多すぎず少なすぎず、高すぎず低すぎない、よくバランスの取れた目標を定めます。自分が達成可能な目標を書き留め、重要な物から順次努力していくのです。目標設定に当たっては、神に導きを祈り求めてください。」(M・ラッセル・バラード、「生活のバランスを保つ」『リアホナ』、2012年9月号、48)
スモールステップの目標を立てる
あなたに大きな目標があるとしたら、そこに到達するための小分けの目標を立てると達成感を得られるでしょう。ヘザー・J・ジョンソンは目標の細分化についてこのように教えています。
設定するすべての大きな目標は、3種類に分けることができます。そうすることで、目標を達成するために毎日何をする必要があるかを決めることができます。
- 長期目標 「専門職に就く」などの大きな目標です。
- 中期目標 「大学の学位を取得する」のように大きな目標に近づくための具体的な目標です。
- 短期目標 「学校を決して休まない」などの長期、中期目標を達成するために、比較的短い期間で到達できる目標です。
- 毎日行うこと。毎日「明日が期限の宿題を終わらせる」などの目標を立てます。
(ヘザー・J・ジョンソン「一日24時間では足りないですか。時間を最大限に活用するためのアイデア『リアホナ』2019年2月号デジタル版)
職場で学んだことを私生活でも生かす
スモールステップの目標が効果的であることはわたしも実感しています。ここでわたしが今年の目標を立てる時に工夫したことを紹介します。実は新年に立てた目標をおぼろげにしか覚えていない状態だったので、6月半ばに目標をもう一度立て直しました。その時に夢に向かって無理なく目標設定ができるように、長期目標と短期目標を作りました。長期目標は、一年後になりたい自分の姿のことです。短期目標は6か月後になりたい姿です。そしてその目標に向かって週単位で具体的に何をすればよいかを決めました。音楽を使う仕事をしているので、もっと即興演奏や曲作りが上手になりたいという一年の目標を立てました。そのために6か月の目標は、音楽の基礎固めとレパートリーを増やすことにしました。一週間の目標は、コード理論の勉強、3曲弾けるようになること等です。週の終わりに評価をして、弾けるようになった曲にスタンプを押します。「やったね!」と言いながらスタンプを押す時に、まさに達成感を感じます。難しい曲は一週間で覚えられないので、達成期間を伸ばすこともあります。
この長期と短期の目標を作る方法は、職場で幼い子どもたちの成長を支援するために用いている目標設定の仕方からヒントを得ました。この方法から、子どもたちは見る見るうちに成長し、自信を持つようになります。例えば、挨拶する意味が分からなかった子が、自分から挨拶ができるようになったり、嫌なことをされても「イヤ」が言えずに泣いていた子が、言葉で自分の気持ちを表現できるようになりました。目標を達成することで、親御さんは子どもの成長を再確認し、共に喜ぶことができます。
自分に合った目標を立てることで、日々何に気を付けたらよいかが分かり、焦ることが少なくなります。また自分の成長を認めることで、周りの人と比べることも減ります。ちょっと大げさかもしれませんが、前向きになり、生きる希望がわいてきます。
あなたにはどのような夢がありますか?その夢を叶えるためには何ができますか?
ぜひあなたの夢に向かって毎日取り組める目標を作ってみてくださいね。
一年の証を家族で共有する
もう一つ一年を振り返る方法を紹介します。それは、わたしの家族の伝統である、「家族の証集」の作成についてです。証とは、神やイエス・キリストを信じる気持ち、イエス・キリストの教えを学ぶ時に得られる幸せや祝福のことを指します。わたしの家族は、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員で、教会や家庭で証を分かち合うことがあります。その証を記録としてまとめることで、証を子孫に伝えたり、読み返す時に勇気や希望をもらうことができます。わたしの家族は、一年間の主な出来事や達成したこと、楽しかった思い出や福音に対する証をまとめて冊子にしています。これは記録の達人だった亡き父が発端でした。
父が定年退職した年に家族旅行で行った旅館で「家族集会」を開催し、一年を振り返ったことがきっかけです。この冊子の習慣は父が亡くなった今も続けようとしています。几帳面で勤勉な父は、毎年7月頃に家族に対して原稿募集を呼びかけ始ました。11月に原稿は締め切られ、年末年始に家族が集まった時に、父が各家族に証集をプレゼントしてくれました。原稿の提出が間に合わなかった家族に対して、父は文句も言わず、家族のFacebookに投稿されていた写真に自分なりにコメントを添えて、証集に掲載してくれました。ある年は、父がFacebookから見つけてきた写真のオンパレードだったこともありました。それを見たわたしたちは苦笑しながらも、思い出をまとめてくれる父に感謝しました。
家族がそれぞれの地で生活している今、証集の行事を通して、家族の近況を確かめたり、証を強めあう機会にできればと願っています。たとえ家族が教会の会員でなくても、家族の近況を報告し合い、家族の絆を深めることができると思います。また家族以外にも、友達や愛する人と一年間を振り返りながら、お互いを認め合い、励まし合うことができます。
今年を振り返ることで幸福感を得る
今までお話してきたように、今年を振り返ることで、感謝の気持ちが深まり、充実感や幸せが増し、神様や福音に対する証を強めることもできます。目標を振り返ることで、人生の目標を再確認し、生きる指針を見出すことができます。米国では11月の終わりに感謝祭をお祝いします。学校、教会、施設などにおいて、自分たちの感謝していることをリストに挙げます。感謝祭が終わると、クリスマスの支度が始まります。クリスマスにはイエス・キリストの誕生をお祝いします。神がわたしたちにお与えになった最大のプレゼントは、救い主イエス・キリストです。イエスの贖いのおかげでわたしたちは悔い改めによる罪の赦しを受け、ふさわしくあるならば、死後も再び神の御元に戻り、家族や愛する者と共に住むことができます。
2020年11月20日に、末日聖徒イエス・キリスト教会の預言者であるネルソン大管長は、全世界に向けて希望のビデオメッセージを送りました。そのビデオの中で、ネルソン大管長は希望と癒しをもたらすために、わたしたちに感謝していることや感謝している人についてSNS上に投稿するように呼びかけられました。自分の生活や経験を振り返ることにより、感謝の気持ちが芽生え、神から来るたくさんの祝福に気が付くことができます。また周りの人たちと感謝の気持ちを共有することで、さらに感謝の気持ちが増し、家族や友達との絆が深まります。ぜひ身近なところから一年を振り返り、感謝の気持ちを感じ、期待と希望に胸を膨らませて新しい年を迎えることができるように願っています。
みなさんにとって今年はどんな年でしたか?どのようなことに感謝していますか?またどのようなことを達成したか、ぜひコメントしてください!