あなたは、将来の結婚生活にどんなイメージを持っていますか?または、今幸せな結婚生活を送っていますか?わたし自身、結婚前は結婚したら毎日笑顔の絶えない幸せでキラキラした毎日が待っていると思っていました。実際に結婚して、結婚前に描いていた幸せな生活を送れていない、理想と現実のギャップに戸惑っている、という人も少なくないのではないでしょう。夫婦関係や家族関係を良くする方法はあるのでしょうか?また、これから結婚する/したいというあなた、不安に思う必要はありません。今回は、永遠に続く幸せな結婚/家族関係を築き、幸せになれるヒントをご紹介していきたいと思います。

幸せな結婚生活とは

あなたにとって幸せな結婚生活、理想の夫婦像とは何ですか?

お互いを尊重し合い、喧嘩のない仲良し夫婦?お互い干渉し合わずにそれぞれの趣味を楽しめる夫婦関係?それとも一緒にいる時間を大切にできる夫婦関係?

また、子供を持つ事に関するお互いの価値観の違いなどもあります。どちらかが子供を切望していても、どちらかが子供を望まない場合もあります。幸せな夫婦の在り方は夫婦の数だけあると思います。ひとりひとり幸せだと感じる条件は違うからです。

家族の絆を深めるための七つの勧め

マービン・J・アシュトン長老はこのように言いました。

「……家族の関係がうまくいかなくなるおもな原因の一つが、人と人との交流の基本を知らないことにあるということでした……家族の交流を効果的に行うには、感情と情報の交換を図らなければいけません……良い会話の基本は、話をやり取りする時の礼儀と相手を尊重する気持ちです。意義の深い交流ができるようになると、愛と信頼と関心を伝えられるようになります。ジョーンズ・スティーブンズはこう語っています。『心が聴くまでは頭は何も聴かない。そして、心が今日知ったことを、頭は明日理解する』」

以下にアシュトン長老の、家族の交流によって絆を深めるための7つの勧めを紹介します。

1 犠牲

わたしたちは、忙しく心の余裕がなくなると、忙しいんだからじゃましないで、ちょっと待ちなさい!という態度を取ってしまいがちです。そのような態度は、家族が心を閉ざして殻に閉じこもってしまう原因となります。心を打ち明けられる、何でも話せる関係を築く努力をしなければいけません。お互いに対する真の愛と思いやりの心は、言葉のやり取りだけでなく、お互いがお互いのことを知ることが大切です。

2 環境を整える

家族の誰かの話を、音楽やラジオを聴きながら、携帯を見ながら、何かをしながら聴いていませんか?

アシュトン長老はこのように言いました。

「効果的な交流は林の中や山の上、海辺、家庭の夕べ、散歩の途中、車の中、休暇中、病院への見舞いの折、通学途中、スポーツの観戦中などにできるでしょう。環境が整ったら、相手に関心を集中し、上手に受け答えをするようにしなくてはなりません。話の必要が生じたときには、いつでもその場で環境を整えましょう。」

わたしは今まで環境を整えるという事は普段あまり意識していませんでしたが、してみると、すぐに効果を実感する事ができました。例えば、車の中で家族の誰かが話そうとしていたら、音楽を小さくして耳を傾けたり、賑やかな場所では少し静かな場所や人があまりいないところに移動して話を聞くなど必要に応じて対応するといいでしょう。

3 聴く

聴くという事はただ黙っているという事ではありません。それは誰かが話したがっている時に、耳だけでなく心もその人に向けて聴くという事です。聴く事と愛する事は深く結びついています。誰かが話したがっている時、問題を持っている時が相談に乗る時です。

これを読んでハッとしました。4歳の息子の話を、忙しいからと、上の空で聴いて「はいはい」と聞き流すことがあるからです。人は誰でも、話を聴いてくれないと、話す気持ちが薄れてしまいますよね。子供との絆を深めるためには、これではいけないと思いました。ママに何でも相談してもらえる関係を築くために、しっかりと耳を傾け、息子との関係を深める努力をしたいです。そしてこれは親子だけでなく、夫婦の絆を深める助けにもなると思います。

4 気持ちを話す

アシュトン長老はこのように言いました。

「気持ちを率直に話す。考えていることや感じていることを口にするのは何と大切なことでしょうか。家族がお互いの立場に立って話し合えることはいかに大切なことでしょうか。わたしたちは自分が相手をどう思っているか相手の想像に任せがちです。そのために誤解も多くなります。相手が自分をどう思っているか、また何をしてほしいと考えているかをもし知っていたら、もっとうまくいくことが多くなります。」

また、相手とうまく対話できないときに、「相手のどこが悪いのだろう」と考えがちですが、「わたしの何が良くないのだろう」と考える必要があります。

わたしには4歳のいたずら盛りの息子がいます。時々わたしは、息子がどうして言うことを聞いてくれないのか、なぜわたしに反抗的な態度を取るのか、理解できずに葛藤する時があります。よく考えてみると,、自分の話し方や接し方に問題があったと反省することがあります。アシュトン長老のお話を読んでから、反省すべき事があれば息子に「ママはストレスがたまっていて必要以上に怒ってしまったね。ごめんね」と伝えるようにしています。そして、「ママが怒ったのは、あなたを危ない事から守るためだよ。車がたくさん通る道路に飛び出してしまって、車にはねられてしまったらとても悲しくなるでしょう?」または「ゲームやテレビを見すぎる事はあまり良くない事だから、ママは心配して怒ったんだよ」など、率直に話すようになってからは、息子も以前より心を開いてくれるようになった気がします。

5 裁いてはならない

裁く事で解決することはひとつもないですよね。批判するよりも理解するように努力してみましょう。誰かの意見に呆れたり、不快な態度を示さないようにしましょう。相手に自分の価値観を押し付けることなく、選択の自由を尊重した上で助言します。性格に触れることなく、偏見や感情を抜きにして問題を扱う事ができれば、お互いへの理解は深まり、家族の交流は成功に近づいていきます。

6 信頼されるにふさわしくある

秘密を守りましょう。信頼して話したのに、周りの人に知れ渡っていた、という経験をした事が誰しもあるはずです。その時に恥ずかしいを思いをして、話さなければ良かった、もう二度と相談したくない、と感じませんでしたか?家族内でも、友人であっても、勇気を出して相談してくれたのであれば、たとえそれが小さな事だと感じる事でも秘密を守ってあげましょう。そうすれば相手は心を開き、あなたは信頼され、安心して何でも話せる人となるでしょう。

7 忍耐をもって交流する

アシュトン長老は、忍耐についてこのように話しました。

「忍耐する。わたしたちが、自分ではできないのに、人にばかりしてほしいと望むことの一つに、家族の交流における忍耐が挙げられます。人に対して忍耐することによって自分自身の忍耐が培われます。『忍耐強くありなさい。まじめでありなさい。自制しなさい。忍耐と信仰、希望、慈愛を持ちなさい。』(教義と聖約 6:19) 『もう君の文句は聞き飽きたよ』や『何度も言っているだろう』といった表現は、忍耐がなくなり、交流が閉ざされたことを示しています。」
永遠の結婚 生徒用手引き「家族の交流」) 

幸せな結婚生活を送る方法

何が起きても幸せな結婚生活を送る方法

結婚前はお互いに相手を優先させたり、思いやりや気遣いがあった関係が、結婚して相手の弱みや欠点が見えてくると、小さい事が喧嘩に繋がってしまいます。自分が相手にしてあげる事よりも、自分にして欲しい事が増えていき、気が付いたら喧嘩ばかりで、こんなはずじゃなかったと感じてしまう事もあります。残念な事に、「結婚する相手を間違えたのかしら」と感じている人も少なくないのです。

わたしは、結婚して2年後に子供が生まれ、今までとは生活が変わり、夫とぶつかる事が増え、もう限界だ、と思った事が何度もあります。そう感じた時によく思い出す言葉があります。

「注意深く、祈りを込めて伴侶を選んでください。そして、結婚をしたら、互いに完全に忠実であってください。かつて、おじとおばの家に、貴重な言葉が書かれた小さな額が飾られていました。このような言葉でした。『あなたの愛する人を選び、選んだ人を愛しなさい。』 この短い言葉には深い知恵があります。結婚における献身は不可欠です。」
「神権の力」トーマス・S・モンソン大管長2011年4月総大会)

「夫と妻が福音のすべての儀式と原則を心から忠実に守るならば、いかなる離婚の原因も生じません。結婚関係に伴う喜びと幸せはますます快いものとなり、夫婦は日を追うごとに互いの親密さを増していきます。夫婦が互いに愛し合うだけでなく、二人の間に生まれ た子供たちも愛と調和に包まれて生活するでしょう。(「永遠の結婚」生徒用手引きジョセフ・フィールディング・スミス大管長)

時にわたしたちは、離婚が解決策だと感じる時があります。もちろん、浮気や家庭内暴力など仕方ない場合もあります。しかし、それが本当に解決策になるのかよく考える必要があります。

「わたしたちの多くは親しい友人や親戚の離婚を経験しています。幸福は電灯のようにスイ ッチを入れさえすればよいというものではありません。 幸福は心の状態であり、自分自身の内部からもたらされるものです。幸福は努力して得るものです。金銭で売買したり、何もしないで得たりできるものではありません。」(ジョセフ・フィールディング・スミス大管長)

少し前にわたしたちは夫の貴重な休日の朝、些細な事で大喧嘩をしました。わたしは子供の世話を一日中しながら、家事や仕事をしているのに、子供の世話もしない夫に家事や子育てについて文句を言われる筋合いはない、と怒りが頂点に達し、カッとなってとどめの一言を発してしまいました。その一言が相手を傷つける事は分かっていました。案の定、夫を深く傷つけてしまいました。しかし、ごめんねの一言を伝える事ができませんでした。わたしは今までの喧嘩と同じように意地の張り合いが続く事を予想していましたが、今回は違いました。夫が家事や子供の世話をしたり、わたしがストレスで機嫌が悪い時にも怒らずに一人で出かけて良いよと言ってくれるようになったのです。

わたしは少し戸惑い、その理由を尋ねました。夫は「確かに君の言葉にすごく傷ついたよ。自分は家族のために朝から晩まで働いて頑張っているのに、感謝すらされていないと腹が立った。でもどうして君がそういう風に感じているのかよく考えてみて、君の状況、子供達を見ながら家事や仕事をしてくれている事がどれほど大変なのかを理解する努力をする必要があると感じている」と言いました。今まではお互いに自分の方が大変だ、という主張ばかりで、相手の状況など気にもしていませんでした。わたしは彼のその努力に気が付き、その時に初めて本当に相手の状況、努力に目を向ける事ができました。頭では理解していたはずが、心で理解できていなかったのだと思います。

そして、よく考えてみると、自分にも問題があった事に気が付きました。自分も変わる必要があったのです。そしてある事を学びました。夫のこの行動は、簡単そうでそうではない事、そして、

どちらかが先に行動を起こす事によって夫婦関係が修復できるという事です。これは夫婦関係だけではなく友人関係、家族関係、全てに当てはまると思います。

相手が自分の気持ち、努力、状況を理解しようとしているという事実だけで、関係が劇的に変わるのです。今人間関係に悩んでいる人がいれば、自分から相手を理解する努力をしてください。ただ言葉でごめんね、ありがとうと言うだけではなく、心から相手を理解する努力をしてください。そうすれば必ず相手にその努力が伝わります。そして相手も同じ努力をしたいと感じるようになると思います。

「すぐに『ごめんなさい』と言ってください。この言葉を口にすることがつらいと思うことがあっても、できるだけ早く『すまなかった。赦してほしい』と言 ってください。たとえ、自分だけに落ち度があるわけ ではないときでも、そうしてください。真実の愛を育てたいと思ったら、自分の過ちや間違いを素直に進んで認める者になることです。」(「幸福の偉大な計画と結 婚」『聖徒の道』1995年7月号,70参照)

 結婚生活が長くなればなるほど実践することが難しくなりますよね。「ごめんなさい」の一言を発するまでにかなりの時間がかかる事がわたし自身にもよくあります。しかし、意を決してやってみたんです。すると、思ったより早く、夫婦関係の変化に気が付くことができました。

小さなことでも大切なコミュニケーション

次に人間関係に大切な事は、「コミュニケーション」です。

先日友人がこんな話をしていました。

友人の夫は家族で出かけると必ず口数が少なくなり、眉間にしわを寄せ、楽しい時間になるはずがいつも喧嘩になっていたそうです。彼女は、機嫌が悪いのは家族で出かけたくないから?自分の自由時間が欲しいから?ジムに1時間しか行けなかったから?と、その理由を模索していました。結婚17年目のある日、その理由がわかったのです。それは、彼はいつも家族で人の多い場所(公園やアミューズメントパーク、プールなど)に行くと子供達に何か起きたら、と不安になって子供達の無事を確認する事で忙しくて楽しめないという事でした。彼は、それは子供を持つ親は皆同じように感じることが当たり前だと思っていたため、話さなくても分かるだろうと思っていました。

これはひとつの例ですが、同じような事、きっとどの夫婦にも家族にも友人関係にも必ずあると思います。何年一緒に生活しても、小さい頃から一緒に育った関係でも、伝えなければわからない事は意外とたくさんあります。分かっていれば喧嘩にならなかったのに、という事を防ぐためにも、小さい事でも、相手に伝える事を心がけてみてください。

まとめ

幸せな結婚生活を送るには、お互いの努力が必要である事が分かりましたね。「幸せは~歩いて来ない。だから歩いてゆくんだね~」と「三百六十五歩のマーチ」という歌にあるように、待っていても変化は望めません。お互いに歩み寄るために、諦めずに努力すれば必ず幸せをつかめる/取り戻せると信じています。皆さんが実践している事や、こんな事が役立ちました!という経験談やご意見がありましたらぜひシェアしてみてくださいね。