音楽は、人生をいい方向に導いてくれます。音楽は、辛い時にいつもそばにいてくれる親友です。音楽は、周りの人とつながるきっかけになります。音楽は、人を癒します。音楽は、人に喜びと団結力を与えます。

音楽には、人生を変える効果があるんです。

だからわたしは音楽が大好きです。

人類と音楽

わたしたち人間を、他の動物と隔てているのは、文字の使用よりも音楽を楽しむ能力の有無という説を聞いたことがあります。文字を持たない少数民族(オーストラリア北部のアーネムランドに暮らすヨルング族等)はいまだに存在しますが、人類史上、音楽のない文明はなかったと言っても過言ではないのです。人間に近い霊長類ですら、音楽を聴いて楽しむ力は持っていません。音楽を創り、歌い、聴き、楽しむのは人類だけの特権です。

そう考えると、「音楽は人類を進化させている最も力あるもの」と言えるかもしれません。それほど音楽と人間の関係は古く、深いものがあるんです。

音楽の効果

みなさん、なぜわたしたちは小さいころから「音楽」の授業を受けてきたのか、その理由を知っていますか?

幼少からごく自然に受けてきた音楽の授業。

「音楽という授業が存在する理由、それは戦前と戦後で大きく意味が異なります。戦前の日本では国歌斉唱の機会が多く、国民の一体感を生み出すため、国学の一種として子どもたちに学ばせていた背景がありました」(溝井花代子)

歴史をさかのぼると、あのドイツのヒトラーも、兵士たちの士気を高めるために、ベートーヴェンの交響曲第9番を流していたと聞いたことがあります。その影響により、ナチス軍は次々と国に攻め入って領土を広げました。つまり、戦争の士気を高めるために音楽が頻繁に利用された、ということですよね。

「その一方、戦後になると、それまで使われてきた唱歌やクラシック音楽が高い生活水準を持つ人の『娯楽』となりつつありました。そして学校でも、子どもたちの協調性や社会性を育む目的で音楽教育を進めていったと聞いています」(溝井花代子

友達と一緒に歌を歌ったり、リコーダーの練習をするのも社会生活に必要な協調性・社会性につながるのだとか。

東京音楽大学・音楽教育専攻卒業のピアノ講師である溝井花代子さんの言葉を上記で紹介しましたが、その中でもわたしの大好きな言葉があります。

「わたし自身、音楽の授業はすべての教科に通じる『総合科』であると思っています。」

作詞をすることは、国語の俳句や短歌を作ることに似ています。

作曲家について学ぶことも歴史につながります。

合唱をすれば、周りの人の声を聞いたり、合わせたり、比べたりします。それは、自己肯定感を高めることにつながるそう。(普段は言えないことも、歌詞として口に出すことによって、気持ちを浄化し、受け入れ、それが自己肯定感に繋がっていく。)

「音楽」自体がとても柔軟性の高い教科だから、他の教科の「とっかかり」になると、溝井さんは言っています。

こうやって音楽は一人一人の人生に何らかの影響を与えているのです。

近年では、「音楽療法」といったリハビリプログラムもよく使われますよね。

わたし自身、4歳のころからバイオリンを習っていました。中学生の時に病院を訪ね、体と心に傷を負った患者さんたちのために演奏をする機会をいただいたことがあります。患者といっても、骨折した中学生から、重いガンと闘う小さい子供や、病院に長期入院している年配の方もいました。年齢も病名もみんな違っていたけど、みんな同様に心の穴という苦しみを抱えていました。今まで頑張ってきた部活に戻れない中学生の心に空いた穴、みんなと一緒に小学校に通えない子供の心にできた穴、死を考える毎日のおじいちゃんやおばあちゃんの心の穴…わたしは初めて演奏中に泣いたのを覚えています。

音楽を聴いていた患者さんたちから、わたしも音楽によって癒しを受けたんだ、とその時強く感じました。

このCMを見たことがない方は今、ぜひ見てください!
2014年に日本中の人が涙したと話題になったCM。

CMの最後にこんな言葉が浮かび上がってきます…。

「音楽は、言葉を超える。」

わたしたち末日聖徒イエス・キリスト教会でも「音楽」をとても大切にしています。

仙台伝道部の合唱

100人を超える宣教師たちが、仙台駅で合唱をした時の動画です。

「わたしは心の歌を喜ぶからである。まことに、義人の歌はわたしへの祈りである。」(教義と聖約 25:12)

わたしたちは、楽しい時に歌い、歌を通して神様を礼拝し賛美します。歌を通して福音を教え、信仰と証を強めます。歌はわたしたちが悔い改めて、戒めを守る気持ちを持つように助けてくれます。歌は、わたしたちが悲しいときになぐさめ、心を軽くしてくれます。また神様の御霊を招き、わたしたちが良い思いと清い思いを感じるように助けてくれます(レッスンを豊かにする活動 5参照)。歌は、わたしたちに対する天父とイエス・キリストの愛を思い出させてくれます。

わたしは、日曜日に幸せで苦労のない静かさを保つため、教会の音楽を聴きながら1週間の出来事や自分の行動を振り返ることを習慣にしています。良かったなと思う出来事、または改善できること、辛かった出来事を日記に書きます。音楽を聴きながら書くと、次にその音楽を聴いた時に、日記をつけていたことや、何を書いたかを思い出すんです。そうすることによって、同じ間違いをしないよう、再び決意し、正しいことや良いことをする勇気をもらえるのです。

わたしの生活に「音楽」という友がいることに感謝しています。