人生はしばしば予期せぬ困難をわたしたちに突きつけます。フィリピンのジョナード・ラバスティダ・カダリンの旅は、まさにそのような困難の中で始まりました。それは「依存症」という深い闇の中でした。ジョナードの物語は、信仰、忍耐力、そして神様の恵みによる変化の力を証明する、力強い証です。それはわたしたちをより明るい道へと導いてくれるのです。
新たなスタートを求めて
ジョナードの苦しみは、薬物の使用から始まりました。やがてそれはアルコールや喫煙へとエスカレートしていきました。新しい人生を求めて、彼は故郷ミンダナオを離れ、セブへと引っ越しました。学校に通いながら、不健全な環境から抜け出せることを願っていたのです。
しかしジョナードはすぐに気づきます。単に場所を変えるだけでは、根付いてしまった悪習慣を断ち切るには不十分だったのです。新しくできた友達たちとの関係で、彼は再び昔の生活に戻っていきました。そしてまた、自分を見失った感覚に陥ったのです。
祈りへの答え
ジョナードの心の奥底にある変わりたいという願いは、もはや否定できないものとなっていました。彼は霊的な導きを求めて、さまざまな宗教の集会に参加しましたが、心の虚しさを満たしてくれるものは見つかりませんでした。
状況がさらに悪化する中、ある転機が訪れました。彼に住まいを提供していた叔母から、厳しい選択を突きつけられたのです。それは、学校を辞めて家に帰るか、セブに残るなら別の住む場所を探すかというものでした。
行き場も進むべき道もなかったジョナードは、心から神様に祈りました。助けを求める心からの祈りでした。そしてその祈りをきっかけに、いくつもの優しい奇跡が連続して起こり始めたのです。
ジョナードは親切な友達の家に一時的に住むことができるようになり、最終的にはその友達が卒業するまでそこに住むことができたのです。その友達の家で、ジョナードはある小冊子を見つけました。そこにはイエス・キリストが迷える羊を抱えている絵がありました。その絵はまさに自分の姿のように思え、深く心に響いたのです。

導きのメッセージ
その後まもなく、宣教師たちがジョナードのもとを訪れました。彼らの温かい歓迎と、イエス・キリストと神様の計画についてのメッセージは、ジョナードの心に残りました。ネットの情報のせいで疑いを持っていましたが、宣教師たちの穏やかな存在と丁寧な説明により、本当の希望を感じ始めました。
彼らは決してジョナードを見捨てませんでした。親切さと真理に基づいた教えによって、ジョナードは「本当に変われる」と確信するようになったのです。
変化への道
変化の道のりは一朝一夕ではありませんでした。ジョナードは依然として飲酒や喫煙をすることがありましたが、心の中に変わりたいという思いが確かに芽生えていたのです。彼は聖典を読み、心から祈るようになり、少しずつ以前の習慣から距離を置くようになりました。
宣教師たちは非常に忍耐強く、無理に押しつけることはせず、いつも愛を持ってジョナードを招きました。彼らとの時間が進むにつれ、ジョナードは聖霊をはっきりと感じるようになり、「本当の悔い改め」が自分にも可能であると理解できるようになったのです。
悔い改めの道は簡単ではありませんでしたが、正しい方向に進んでいると確信していました。
新たな始まり:バプテスマと聖霊の賜物
ついにバプテスマを受ける決心をしたとき、ジョナードの心には緊張と共に深い平安が満ちていました。バプテスマはまるで「新たな人生の始まり」の瞬間のようでした。
その後すぐに聖霊の賜物を受け、彼は何年ぶりかに「本当に清らかで、将来に希望が持てる」と感じることができました。振り返ると神様が辛抱強く、一歩一歩、暗闇から光へと導いてくれた、とよく分かるのです。
信仰と目的ある人生へ
バプテスマ以降、ジョナードは教会で積極的に活動しました。セミナリーに出席し、宣教師として奉仕し、青少年向けのFSY(For the Strength of Youth)イベントのサポートをしてきました。彼が経験した一つ一つがジョナード自身の証を深め、神様はふさわしい時にほかの人を通してわたしたちを成長させてくれるという真理を思い起こさせてくれました。
そして、あるFSYのカンファレンスで、後に妻となる女性と出会いました。今年4月、二人は神殿で結婚しました。ジョナードにとって、かつては自分には無理かもしれないと思っていた、神聖な祝福でした。
救いという約束は常に生きている
ジョナードの歩みは、本当の変化はいつでも可能だという強力な証です。悔い改めとは、ただ過ちをやめることではなく、キリストのもとへ向かうことであると彼は学びました。
自分がつまずいたときも、キリストは決してあきらめませんでした。ジョナードは、たとえどれほど道を踏み外したとしても、いつでも戻ることができることを知ったのです。
そして戻ったとき、救い主はわたしたちを想像以上に高めてくれます。確かに、救い主の招きに応じるとき、そこには必ず祝福があります。
あなたはジョナードの感動的な体験のどの部分に共感しましたか?
信仰は、あなた自身の人生の困難な時期にどのように助けとなりましたか?