パーカー・ストロングは、ガーナでモルモン教の宣教師として奉仕していたときに、自身が所有していたジュニア・ジャズ・チームのジャージを見つけました。「自分のジャージがそこにあるということは、天父はわたしのことを愛し、気にかけておられ、見守ってくださっていることを示すものでした」とストロングは語りました。

 

ユタ州センタービル出身の19歳、パーカー・ストロングは、西アフリカでトロトロ(ミニバス)の中で座っていました。そのガーナの公共バスは定員オーバーで、乗客は荷物を後部座席へと押し込み始めました。ストロングの膝の上に、ヤギが手渡されました。ヤギはストロングの顔に息を吐きかけ、窓から走行中の雨林の景色を眺めました。

「その瞬間、僕は西アフリカのど真ん中にいるのだと実感しました」とストロングは話しました。

モルモン教の教会員であるストロングは、2013年にガーナ・アクラ伝道部に召されました。ガーナに到着すると、やがて文化やいくつかの異なる方言に慣れていきましたが、これまで住んできた環境と大きく違ったため、順応するのが大変だったこともありました。

ストロングにとって、最初の3ヶ月は冒険のように思えました。毎朝、目が覚めると水をくみ、バケツを使って体を洗い、電気のない生活にワクワクしました。しかしこのワクワク感は、新しい環境の現実に慣れるにつれ、徐々に消えていきました。何でもある故郷の贅沢な生活を恋しく思うとともに、ストロングは、自分は福音をわかち合うために、ガーナで必要とされているのだろうかと疑うようになりました。


「『わたしは、本当にここにいるべきなのだろうか?わたしは伝道に出るべきだったのだろうか?』といった気持ちを感じるのは、多くモルモン教の宣教師によくあることだと思います」とストロングは話しました。

 

宣教師とアフリカの会員のバプテスマ会の写真

写真提供:パーカー・ストロング


九月のある晩、同僚とレッスンを教えていると、このような思いがストロングの頭から離れませんでした。彼らは、ある小さな漁村の下水の向かい側に座りました。日が沈みかけるころ、ストロングは顔を上げると、ジュニア・ジャズ・チームのシャツを来た少年が通りかかるのを目にしました。

「自分の地元のものをここで目にすること自体、それだけでもとても興奮する出来事でした。彼が着ていたシャツを見たときに、『うわ、僕のホーム・チーム、ジャズのシャツだ。それが何かを自分に訴えているかのようだ。すごい。この西アフリカのど真ん中で、故郷の一部を目にしているようだ』と思いました」とストロングは話しました。

ストロングはその少年を呼び止めると、そのシャツを手にとって見てもいいかと尋ねました。すると少年は、ジャージを脱ぎ、ストロングに渡しました。彼は膝の上でジャージを広げると、その背番号は、何年も前にジュニア・ジャズに所属していたときの自分の背番号と同じ「0」であることに気づきました。ストロングは、シャツを裏返しにしました。

「裏にサインがしてあるのが見えました。おそらく10歳くらいの子供の下手な筆跡で『パーカー・B・ストロング』と書いてありました」とストロングは語りました。「それは、自分の名前でした。超現実的な出来事のようで、『こんなことって現実にあるのだろうか?それとも夢を見ているのだろうか?この手にしているシャツは本物なのだろうか?』と思いました。」

ストロングは感極まり、すぐに神さまが自分のことをご存知でおられることと、神さまの愛を感じました。

「まさにわたしの恐れ、疑問、すべてが消えました。そのような出来事が起こる確率は、極めて小さいです。ありえないことなんです。偶然なんかじゃありません。シャツの自分の名前を見たときに、わたしはそのことを考えると涙ぐみました。神さまはわたしのことを愛しておられ、ここがわたしがいるべき場所だという証明が、わたしの手の中にありました。シャツにサインをしたとき、わたしは将来自分はビッグスターになり、これは何百万ドルで売れると思っていました。何百万ドルで売れませんでしたが、西アフリカのガーナで見つけたこのシャツはわたしのものであり、わたしにとってそれは何にもましてもっと価値のあるものでした」とストロングは話しました。

どういうわけか、何年か前にストロングが母親に、このジュニア・ジャズのシャツを渡した後、DI(モルモン教会が運営する中古品店)に寄付され、そして回り回って今またストロングの手にありました。

ストロングは、「これは本当の話であり、このことによりわたしは、天父はわたしを愛し、気にかけておられ、見守っておられることを知りました。神はわたしをご存知で、わたしの祈りを通して神に語りかけたことをすべてを知っておられます。ここは、わたしがいるべき場所であり、わたしが成長しなければならない場所だったのです」と話しました。

ストロングは、何が起こっているのか見当もつかない少年にシャツを返すと、気持ちを引き締め、レッスンの続きを教えました。この経験は、伝道の間中ずっと彼に影響を与え、今日においても彼の人生に影響を与え続けています。

「わたしがすすんで神さまの御心に従おうと注意をはらう限り、わたしの人生は神さまが望まれる方向に導かれることでしょう。神さまは、本当にあなたの祈りを聞かれます。主は心からあなたのことを気にかけておられ、愛しておられます。ときにそのように感じられないときもあるかもしれませんが、神さまはおられます。このことを知っていることを大事に思っていますし、これが幸せへと導いてくれる生き方なのです」とストロングは語りました。

 

 

この記事はもともと Sarah Petersen によって書かれ、deseretnews.com LDS missionary finds his own Jr. Jazz jersey while serving in Africa の題名で投稿されました。