末日聖徒イエス・キリスト教会( モルモン書があるので誤ってモルモン教と呼ばれる )の教義では家族が中心であると言われています。教会員にとって離婚は繊細で複雑な問題です。モルモン教の会員の離婚について知るために、私は1,000以上の離婚をした、あるいはその過程にある活発な会員を調査しました。
教会員にとって家族は社会だけでなく、教会にあっても基本的な単位です。永遠に愛する家族と結び固められるという平安を与える教義にあって、離婚は打ち沈んだ心から引き出された結論なのです。離婚りこん
そのように家族を中心とした教会にあって、離婚とはどのようなものであるかを知るために、私は離婚した1,062人を調査しました。協力してくれた人々の真摯な思いは非常に驚くべきものであり、モルモン教の会員の離婚について私たちが学ばなければならないことはまだまだあると感じました。
これらの調査結果は個人的に考える機会を与えてくれました。私たちは皆、何らかの形で離婚した人を知っています。これらの結果を読みながら、内なる声や、心の思いに耳を傾けてください。教会内で離婚したり、離婚しようとしている人に自分はどんなサポートになっていたか、なっているか、あるいはなれるかよく考えてください。
なぜ末日聖徒イエス・キリスト教会の会員に離婚があるのか?
離婚の原因は様々です。(一つ以上の答えを選択可)
夫婦はどの程度カウンセラーとセラピーをしたか?
アメリカで、多くの夫婦は結婚生活を続けるためにカウンセリングに行きますが、実は行く回数はあまり多くはないかもしれません。
注:「カウンセリングサポート」として考えられる定義は、回答者によりまちまちの解釈となっています。人によっては専門家によるカウンセリングは一度も受けていなくても、ビショップ(教会の地域ごとの指導者)に話したことをカウンセリングサポートとしています。
専門家の言葉
ユタ州ソルトレイクシティの結婚家族セラピストのジョナサン・スウィントン博士は、カウンセリングを求める末日聖徒の夫婦に関してさらなる洞察を持っています。
「夫婦のカウンセリング(3回以上のセッション)を受ける人の割合は国内平均よりも低いようです・・・。
全国的調査によれば、カウンセリングを受ける夫婦の70~75%はその関係を改善することができますが、それには一般的に3回以上のセッションが必要です。この調査統計資料によると、何度もカウンセリングを受けたのは夫婦のわずか17%でした。答えた人のほとんどが十分なカウンセリングを受けなかったのが興味深いことです。離婚が最良の選択肢だったのだと確かに分かりますが、研究ではカウンセリングがどれほど効果的であるかを示しているにもかかわらず、離婚した夫婦の大多数はカウンセリングを受けなかったことが少し悔やまれます。もし受けていれば結婚生活のどれほどが救われただろうかという思いです。」
離婚は教会の活動に影響を与えますか?
ほとんどの回答者は離婚した時、教会に活発であったと答えました。
離婚後も多くの人は教会に出席しました。
あまり参加しなくなった人の理由には以下のようなものがありました。
「ワードの姉妹たちが離婚について私を責め、娘たちに離婚は私のせいだと言いました。娘たちはそのような大人の姉妹たちの態度のため教会に行きたくなくなりました。」
一方、行き続けた人の理由は以下のようでした。
「もし子供がいたら(いなかったら)、教会に行き続けたかしらと思います。子供たちには福音の中で強くなって欲しかったのです。」
「教会は否定的な面ではなく、人生の肯定的な面に焦点を当てることを助けてくれました。」
「離婚した時、私はかつてないほど教会に行くようになりました。」
召しは離婚の結果変わりますか?
召しが変わった一番の理由は引っ越しですが、その他にも多くの人が召しの変更について異なる理由を教えてくれました。例えば、家庭生活や子供の世話に集中したかった場合など。また、他の人は悪い見本になったので解任された、あるいは地元の指導者は離婚した人にその責任を受けて欲しくなかったと信じています。離婚後に直面した新たな必要のために召しを休ませて欲しいと依頼したと言いました。
離婚した会員はどこで支援を受けるでしょうか?
回答者は教会関係のグループからの援助について1から7(数字が大きくなるほど支援が厚い)のランク付けをしてもらいました。以下のようになります。
専門家の言葉
ホーム・ラへのストレス調査によれば、伴侶の死が人生の一番のストレスだとすると、離婚は二番目に大きなストレスとなる出来事です。離婚した人はこの大きなストレスに対処するために多くのサポートを必要とします。
スウィントン博士は「わたしはワードの会員やミニスタリングブラザーがすべきサポートをしていないので悲しい」という意見に同意しています。「これは悲しむべきことです。離婚した人に必要なのは、周囲の人々のサポートだからです。離婚という状況に対する周りが抱く不快感は、必要なサポートを与える側に不必要な影響を与えているのではないかと心配しています。」
あなたには友人がいます
回答者の多くは、教会の会員ではない人からの助けが一番多かったと言っています。なぜなら、彼らは批判的ではなく、教会の外の世界では離婚に対して悪いイメージを持たれることが少ないからです。
一人の離婚経験者は次のように述べています。
「教会の外の友人は、離婚したことでわたしを罪人のように扱いはしませんでした。彼らはただ助けたかったのです。」
会員の友人は、主に霊的なつながりで支えてくれました。それは会員でない人から受けることはできないものでした。一人の女性は「わたしは教会員の離婚経験者から大きな助けを受けました」と言いました。
しかし、教会の友人から同じような支援を受けられなかった回答者もいました。
「何かあった時に本当の友人であるかないかが分かるというのは真理です。多くの人はわたしが歩いてくるのを見ると、目をそらしたものです」と回答者の一人は言いました。
もう一人も同じような経験を話してくれました。「ショッピング、食事などすべての活動に誘ってくれなくなりました。わたしはのけ者にされました。彼らがこのような状況にどう対処して良いのかわからないだけだと理解しようと努めました。」
専門家の言葉
「離婚は多くの人にとってよりタブーなものになっているかもしれません」とスウィントン博士は説明しています。
「離婚には汚名というようなものがあります。教会では、家族の関係を非常に尊重しているので(確かにそうなのですが)、多くの会員は教会の基盤となる家族とは一致しないように見える離婚に、どのように向き合ったらよいのか分かりません。教会の外では、家族の価値を低く見る憂慮すべき傾向があります。このため教会の外で離婚があるとそれに対して多くの離婚の支援があるのかもしれません。」
教会員は慎重過ぎるのでしょうか?
離婚した人たちはワードの会員をひとくくりに見た時、サポートしてくれない、恐れている、あるいは批判的であると感じる傾向がありました。複数の回答者は次のように言っています。
「多くのワードの会員はわたしを疫病のように避けました。何と言ったらいいのか分からなかったからです。自分が伝染病を持っているように感じましたし、彼らもわたしのことをそうだと思っていたと思います!」
「子供たちは仲間はずれになりました。」
「教会は家族中心の組織なので、家族が分かれると居場所を探すのが大変です。」
なぜワードの会員は離婚した会員とつながるのがそれほど難しいように見えるのでしょう?スウィントン博士は次のように言います。
「教会の文化では、離婚はタブーのようなもので、多くの人はどうやって対応したら良いのか分からないので、結果として避けてしまうのです。」
しかし、離婚した会員を避けるのは彼らにさらに問題を与えるだけです。そして助けようと努力する時は、それがたとえぎこちなくとも、大きな助けとなります。回答者の一人は次のように言っています。
「本当に多くの会員から驚くべきサポートを受けた時、何度も涙を流したものです。」
離婚した会員が知ってほしいこと
回答者の経験から、ワード指導者、ステーク指導者、会員、ミニスタリング担当者たちに向けて、これから離婚する人にどのように接したらいいかの助言があります。
「ただにっこりしたり、挨拶してくれた…のが助けになりました。」
「もしみんなが離婚がどれほど大変なものか分かっていたら、辛い時に助けとなってくれたかもしれません。教会の会員であるということは、伝統的な『家族は永遠』だという家族以上のものであることを、わたしに気付かせて欲しかったです。」
「わたしを一人の人間として受け入れてください。特に若い男性や神権指導者はわたしの子供のことを心にかけてください。例えば息子たちを中央神権部会やミニスタリングに連れて行ってください。」
「何か必要なものがないか聞いてください。本当に辛い時期を経験している子供たちを気にかけてください。裁かないでサポートしてください。」
「霊的なサポートをください。…強さや信仰についてのメッセージをください。証を築くのを助けてください。」
「結婚の状況に関係なく、皆が参加できる活動を計画してください。」
「クラスでの発言は理想的な家族の状況にはない人たちにとって、そのテーマがどのように関係があるかも常に考慮に入れるべきです。」
専門家の言葉
離婚した会員をより良くサポートするために、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は何ができるでしょうか?
スウィントン博士は次のように述べています。「彼らを愛してください。たとえ状況が不快なものであったり、どう反応したらよいか分からなくても彼らを愛してください。サポートすることで、自分の価値観に合わないことを大目に見ているのではないかと心配するなら、愛を示すことは何かを大目に見ることではないということを覚えておいてください。必要とされるかもしれないサポートを、不快感で妨げさせないでください。また、長期間のサポートをしてください。離婚は何年間もとてもストレスのかかるものとなり得るからです。」
私たちは何ができるでしょうか?
「人生の中で離婚ほど難しいものはほとんどありません」とスウィントン博士は述べています。「友人、隣人、ワードの会員、ミニスタリング担当者、家族…として私たちはキリストの愛を示すべきです。離婚を乗り切るためには、できるだけの愛やサポートが必要なのです。」
離婚した教会員へのメッセージの中で、スウィントン博士は次のように述べています。
これはJosh Lockhartによって書かれ、LDSliving.comに”Survey Reveals What It’s Really Like to Be Divorced in the LDS Church“の題名で投稿されました。
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