伴侶を亡くすと、「どうやって生きていったらいいのか。どうやって乗り越えたらいいのか。どうやって布団から出たらいいのか」と思います。それは辛いことですが、何か「する」ことがたとえスーパーにパジャマのまま行くようなことであっても意義があるのです。忍耐してください。時間の経過によりすべて良くなるというわけではありませんが、より良い方向に持って行くことは確かです。伴侶の死と向き合うこと。そしてこれからの人生をどう歩んでいくか、あるいは最近伴侶を亡くした人に対する接し方について経験者からの助言を聞いてみましょう。
伴侶を亡くしたら
証を失わないでください
「神に対して怒らないでください」とカーメン・クレイン・ピーターソンは述べています。彼女は夫を31歳で亡くしました。「神のせいにして教会に行くのを止めないでください。私がその時期を切り抜けられたのは福音のおかげです。」
カーメンには同じように伴侶を亡くした後、教会に行くのを止めてしまった友達が何人もいて、その人たちは今も苦しんでいます。教会に活発に集い、証を保ち続けるのはカーメンにとって癒しの過程の最も重要な側面でした。
伴侶を亡くした人たちのグループに入る
このようなグループにはセラピストがやっている専門的なカウンセリングのグループや、ただ友人としての私的な集まりもあります。「これは私にとって良いことでした。…自分がとても孤独であるとは感じませんでした。そこには実際に経験した人たちがいました」と彼女は言っています。
このような友人たちと休日に出かけることを彼女は勧めています。たとえ短い時間であっても、気晴らしのために昼食を一緒にしたり、楽しい活動を計画したりするのです。
だからといってそのグループが支えであるとは思わないように気を付けてください。最初のうちは癒しのためにそのようなことが必要になるかもしれませんが、自分の力でこれからの人生と向き合い始めなければならない時がやってくるのです、とケリー・キンバーは言います。彼は妻を45歳で亡くしました。「伴侶を亡くした人たちのグループに長くいればいるほど『僕は男やもめだ。妻を亡くしたんだ。可哀そうな僕』という考えにとらわれ続けたので、そのグループから離れることにしました。そうすると新たな一歩を踏み出せるようになりました。」
運動する
「一日中布団に入って寝ていたければそうすることもできます」とピーターソンは言います。「自分にとっては運動は布団から出て、外に出るための方法でした。」加えて、運動はエンドルフィンを生成し、悲しみを和らげることができます。たとえ1日しかもたなくても、ちょっぴり幸せになります。
あまり早くデートを始めないでください
「私はあまりにも早くデートを始めたので、実際は気持ちが混乱してしまいました」とキンバーは言います。
多くの人は伴侶を亡くしたその年にデートする準備ができたと思いますが、振り返ってみると、そうではなかったことを覚ります。キンバーの経験では、すぐに再婚した友人は離婚や、不幸な結婚生活をおくることになってしまった人が多かったのです。孤独感からすきまを埋めようとしますが、結果的にはそのような大きな決断に対して気持ちの準備ができていなかったのです。「癒されるには時間が必要です」と彼は警告します。「準備ができないまま前進すると、他に様々な問題が起こってきます。」
自己啓発の本を読む
悲しみや伴侶の死に関する本はあなたの苦しみに新たな視点を与え、他の人たちがどのように伴侶の死に向き合ってきたかについての方法を教えてくれます。このような経験をした末日聖徒がよく読む本には次のような内容が含まれています。
他の人を慰めなければならないという義務を感じないでください
「人々はあなたの方にやってきます。なぜなら彼らは悲しんでおり、慰めを必要とするからです」とミッシェル・ジョンソンは言います。彼女は夫が37歳の時に亡くなりました。「その人たちはあなたが元気であるところを見たいのです。そうすれば彼らも元気になれるからです。でもその人たちを慰め、彼らの気持ちがおさまるのを見るのはあなたの仕事ではありません。」夫の死について周囲を気遣って無理に笑顔を作っていても、それで非常に消耗し、自分では悲しむことができないように感じた時のことを回想しています。周りを慰めることを止めるようにしたら、自分の癒しへの道を踏み出せるようになりました。
肉体的な欲求を食い止める
伴侶がいなくなっても、止まることのない肉体的な欲求に多くの人は準備ができていません、とキンバーは警告します。感情のおもむくままに行動しないよう注意を促しています。彼は次のように述べています。「あなたはとても不安定で、孤独で、誰かに抱きしめてもらいたいと思っています」しかしこのような気持ちには細心の注意を払い、自分の限界に気づいていないと危険なことになります。
大きな決断はしない…今は
少なくとも1年は引っ越しをしたり、伴侶の物を処分したり、環境を変えたり、大きな決断をしないでください、とジョンソンはアドバイスします。生活の中の安定を保つように努めてください。最初は非常に感情の起伏の激しい時期であり、やらない方が良いこともやってしまうかもしれません。気持ちが不安定な時にしてしまったことを後悔したくはないでしょう。
人は傷つけようとして言うわけではないということを自覚してください
友人や知人は何と言って良いかわからなくても、何か言わなければと感じるので、知らないうちに傷つけるようなことを言ってしまったりします。「自分の伴侶を亡くした経験がなければ、その苦しみを理解することは難しいということを認識してください。ほとんどの人は、傷つけるつもりはないのですから善意に解釈してください」とキンバーは言います。「もし誰かが何か馬鹿なことを言うたびに怒っていたら、いつも怒っていなければなりませんし、そこに価値はありません。」
生きていることに罪悪感を感じないでください
前に進み、幸せになることに対して伴侶の多くは罪悪感を持ちますが、亡くなった伴侶は永遠に毎日あなたが泣き暮らして過ごすことは望んでいません、とジョンソンは言います。人生は続きます。家に閉じこもって泣くことも、準備ができたら自分の人生をもう一度始めることもできるのです。楽しいことをし、笑っても良いのです。再び笑顔が戻ったからと言って伴侶を愛していなかったというわけではありません。
愛する人が伴侶を亡くしたら
決まり切った質問を避ける
「元気にしてる?」というのはジョンソンにとって世界中で一番嫌いな質問です。「この質問にどう答えたら良いのでしょう?もし私がどうしているのか本当に知りたければ、『ちゃんと食べてる?』とか『眠れてる?』というような具体的な質問をし、私が困っている具体的な問題を解決するように努めるはずです。」
皆の悲しみ方は違うということを理解する
人によっては数か月で立ち直る人もいますが、たいていの場合何年もかかります。「悲しみに立ち向かう方法は人によって違うということに敏感になってください」とピーターソンは言います。「それぞれの状況や結婚は人によって違い、その両方が悲しみの期間に影響を与えます。」
特別な助けをする
「助けが必要な時は電話して」や「何か私にできることがあったら教えて」というような言葉は伴侶を亡くした人には役に立ちません。なぜなら自分でも本当は何が必要かわからないからです。「私は圧倒されてしまい、世話をしてくれる人が必要でした」とジョンソンは言います。友人たちが約束を作って家事や食事やおしゃべりに来てくれるのが大好きでした。日時を決めなければ、伴侶を亡くした人はおそらくやり通すことはできないでしょう。
自分の経験と人の経験を比較しない
多くの人は善意で「お気持ちは分かります」などのように言って伴侶を亡くした人を元気づけようとします。もしあなたも伴侶を亡くしていたとしても人のそれと比べることはできません。すべての結婚、関係、状況は異なります。ですから自分の経験を他の人の経験と比べると彼らにとって癒しとなるどころか感情を傷つける恐れがあります。「心からお悔やみ申し上げます」というようにした方が良いのです。
集まりに招く
伴侶を亡くすと、夫や妻を亡くすこと以上に自分そのものまでも無くしてしまいます。もう夫や妻、夫婦、あるいは伝統的な家族の姿ではなくなってしまうのです。突然自分が迷子になってしまったように感じます。ジョンソンは夫を亡くした時、多くの夫婦の友達を無くしたと言っています。「お付き合いが無くなってしまうのです。」彼女は伴侶を亡くした人を伴侶が生きていた時のように集まりに招くことを勧めています。
親を亡くした子供を支援する
子供をカウンセリングに連れて行く
ほとんどの子供は何らかの心理療法が必要なのですが、まだそのような決断をするには幼すぎます。親として、責任を持って子供たちを支援しなければなりません。グループ療法だと同じ経験をした子供たちがいることが分かります。親を亡くした他の子供たちが楽しい経験をしているのをあなたの子供たちが見たら、自分も楽しんでいいんだと思うようになります。
残った方の親も失わないように
「残念ながら私は世捨て人のようになってしまったので、子供たちは母親を亡くしただけでなく、父親(も)失くしてしまいました」とキンバーは振り返ります。彼は悲しみのあまり、自分の子供を含む誰とも接触しなくなってしまいました。彼は伴侶を亡くした人々に子供と触れ合うことや気遣うことを、おろそかにしないように警告しています。「今は子供たちは誰よりもあなたを必要としています。」
子供たちに思いを吐き出させる
たとえ自分には辛くても子供たちに亡くなった親について話すのを禁止しないでください。あなたも伴侶など存在していないふりをするのも嫌でしょう。
亡くなった親の人生を祝いましょう
子ども達の亡き親の誕生日、命日、母の日、父の日などの特別な日を子供たちが計画するのを助けましょう。子どもが無理なく気持ちよくできる子どもなりの愛情表現をさせるようにしましょう。
これはAshley Evansonが書いたもので、ldsliving.comに”How to Cope with Losing a Spouse: Advice from Those Who Have Been There“の題名で掲載されました。
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