言葉で感謝を伝える大切さ

「『感謝する』つまり『愛しているよ』とか『ありがとう』と言うのは,難しいことではありません。しかし,このような愛と感謝の言葉は,優しい心遣いに礼を言う以上の何かを表します。それは優しい礼儀となります。伴侶が感謝の心をもって互いにそれぞれの長所を探し,真心から褒め合うようになると,妻も夫も,相手の褒め言葉にふさわしい人間になろうと努力するようになるのです。」モルモン教の12使徒定員会、ラッセル・M・ネルソン(結婚のきずなをはぐくむ リアホナ2006年5月号)

感謝を示すことは、一見すると非常にたやすいことに思えます。「ありがとう」や「大好きだよ」、「よくやったね」、「すごい」と言うことは、難しくありません。それではなぜ、普段これらの言葉をあまり言わないのでしょうか。

時に私たちは、その人をとても良く知っているので、私たちが考えていることを分かっているだろうと仮定します。夫は、私が彼を愛していると知っている、いつも言わなくてもいいわ、という様に。でも、誰もがそれを聞きたいのです。夫が私を愛していると分かっていますが、結婚してこれだけの年月が経つと、彼がそれを言うのを実際に聞くことよりもうれしいことはありません。私が家を掃除したことに彼が気付いてくれた時、感激します。彼が私の料理を褒めてくれると、私の心を温かくさせます。彼も、私が感謝していると知りたいはずです。わかっているということと、聞くということは、二つの違う事柄です。

愛ある言葉を妨げる2つの理由

生活が、時々その行為を邪魔をします。忙しい生活スタイルが、小さな事柄をしばしば脇へ押しやります。「ごみを出してくれてありがとう」などの大切なことさえも。私は、夫が頼まなくてもごみを出してくれることに、本当に感謝しています。私は家では靴を履かないので、ごみを出しに行くには、夏には熱いセメントで足を火傷しないように、冬には足が凍えないように靴を履かなければなりません。それなのに、彼がそれをしてくれることに忘れずにお礼を言うことはめずらしいのです。毎回感謝する必要はないかもしれませんが、せめて時折その感謝の言葉を聞けると嬉しいはずです。

伴侶に感謝を示すのに妨げとなるもう一つのものは、閉じ込められた怒りです。もし伴侶をまだ赦していない、未解決の問題があると、彼、または彼女がするどんなことに対しても感謝を表すのはとても難しくなり得ます。その問題を解決することが重要ですが、もっと重要なのは赦すことです。いつも意見が一致するわけではないかもしれませんが、健全な結婚生活を望むならば、意見の相違で、伴侶が持つ多くの素晴らしい特質に対する愛と感謝を曇らせる訳にはいきません。たとえば、彼が炭酸飲料の缶を破裂するまで冷凍庫に置き忘れていました。たまたま彼がその場にいなかったので、そのめちゃくちゃになった状態を掃除しなかったことに対して恨みを持ち続けていたら、あなたが困っている子供の宿題の手助けに集中できるよう、今週毎晩夕飯を作ってくれている彼に感謝するのは難しいかもしれません。

 一つの誤りのために、伴侶に20年、30年も代価を払わせないでください。あなたを心が狭く、口うるさい人にするだけでなく、あなたの伴侶は、多くの「軽罪」のために辛い「人生」を送ることになるでしょう。罰は罪に見合ったものである必要があります。もし伴侶が、15年前にあなたの大切な物を壊してしまったことについてや、25年前に料理を焦がして台所に火を付けたことについていまだ言われていたら、感謝されていると感じることは、伴侶にとって難しいでしょう。それからの期間で、相手はその誤りの10倍の埋め合わせをきっとしてきたのですから、もう忘れてあげましょう!伴侶の欠点を赦すようになると、彼、彼女が得るべき愛と感謝を伝えるための余裕が心に生まれます。

上記のように、私たちが伴侶を褒めると、彼らは感謝の言葉にふさわしくなろうとさらに努力するという、ネルソン長老の指摘が大好きです。何年も前、私たちが結婚したばかりの頃、夫は私が作るスパゲティーとミートローフがどんなに好きか言ってくれました。スパゲティーはいくら食べても食べ足りない、ミートローフを私のように上手に作れる人はいないと夢中になって話しました。これだけの年月が過ぎても、私はそれら二つの料理が必ず彼の期待に応えられるように、今でもとても気を使っています。決してレシピからそれず、手を抜くことなく、常に愛をたくさん込めてそれらを作っています。彼が食べながら、どんなにおいしいか言ってくれる時、私の心臓は今でもドキドキするようです。それは、双方向のものです。私は、彼が私の料理に感謝してくれることをうれしく思い、彼は、私が今も彼の大好きな料理を愛を込めて作っていることをうれしく思っています。結婚は、双方向の感謝で大きく育つものだと知っています。皆さんもぜひ試してみてください。

この記事はトューディー・ローズによって書かれ、2014年3月14日 に投稿されました。