わたしたちはバプテスマを受けて聖霊の賜物を授かることで、神様が用意された幸せに続く道を歩み始めます。でもバプテスマを受けなくても幸せを感じることはできます。

それにバプテスマを受けたくても色々な理由から受けられない人もいます。さらに、死んでからもバプテスマのチャンスはあるのですから、なぜ今バプテスマを受けるべきなのか迷うかも知れません。

実は、生きているうちにバプテスマを受けることで数えきれないほどの素晴らしい祝福を得ることができます。具体的にどのような良いことがあるのでしょうか?

バプテスマの祝福は偉大で無限大

権能を持つ人が執行する、水に沈めるバプテスマは…末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になって永遠の救いを得るために必要なものです(「福音のテーマ」バプテスマ)。
永遠の救いとは、神様や愛する人たちと再び一緒に住むことを指しています。これはわたしたちにとっては最も偉大な祝福です。

さらに、イエス・キリストを信じ、悔い改めてバプテスマを受ける時、それまでの罪が赦されます。バプテスマを受けた後に、聖霊の賜物を授かることで、ふさわしければ常に聖霊を伴侶とし、慰めや導きを受けられることも大きな祝福です。

バプテスマを受けた後もふさわしい状態で定期的に聖餐を受けることにより、バプテスマの時と同じように罪の赦しを受けて、御霊を感じることができます(「福音のテーマ」バプテスマ)。

バプテスマを受けようとするときにぶつかる壁

バプテスマを受けようとするときにぶつかる壁

どんなにバプテスマが良いと分かっていても、バプテスマを受けることを躊躇す

ることがあります。バプテスマを躊躇する理由はいくつかあると思います。例えば、周りの反対や周りの目が気になる場合です。先祖や家族の宗教とは異なるキリスト教に入ることで、親戚や家族から反対されることもあります。

いくら素晴らしい教えと分かっていても、今までの生活や交友関係から違う世界に踏み込むことに抵抗を感じるでしょう。知恵の言葉や安息日など特定の戒めが本当かどうか信じられなかったり、守れるかどうか自信がなかったりする人もいます。

また福音に対して確かな証を得られずに、バプテスマを躊躇している場合もあります。

バプテスマを受けようとするときに、壁にぶつかった場合、どうしたらこれらの壁を乗り越えることができるのでしょうか?

ある改宗者の兄弟はこのように教えてくれました。

私がバプテスマを受けることを勧められた時「祈りの答えをまだ受けていません」と言って断りました。しかし間髪をいれず男性の宣教師が証をしました。その証を聞いた時に御霊を感じ、これは真実だと確信してバプテスマを受けました。バプテスマを受けたことを後悔していません。 

またバプテスマを受ける時に、家族から大きな反対を受けた兄弟もいます。彼は家族から教会に入るなら縁を切ると宣言されました。バプテスマを受けてから、伝道に出ました。

数年間家族とは連絡できない状態でしたが、神殿結婚をきっかけに家族と再会しました。そして子どもが誕生し、結婚した伴侶からの働きかけもあり、今では両親との交流ができるようになりました。例え時間はかかっても良い模範を示し、愛情を伝えることで、家族との関係が修復できたのです。

家族の中で教会員が自分ひとりだけの人が抱える孤独や悩みはとても大きいものです。でも神様はあなたを導いていらっしゃいます。教会の友人や指導者もあなたのことを励まし、支えてくれるでしょう。

世界一愛する人々から、自分が確固として信じている事柄を拒まれる、あるいは信条をあざけられること、人生においてこれほどつらい経験はなかなかありません。イエス・キリストの福音は、様々な形で喜びや充足感をもたらしてくれますが,弟子として歩む道は時に孤独なものとなり得ます。

個々の状況がどのようなものであれ、救い主イエス・キリストのおかげで、あなたは自分と家族に対していつも希望を抱くことができます。自分がどうしようもない、絶望的な状況に立たされていると感じるときは、このことを思い起こしてください (リアホナデジタル版2021年4月号「家族の中で教会員はあなただけですか?あなただけではありません」)。

バプテスマを受ける時に感じる壁や、受ける試練は自分だけではどうすることもできないものかもしれません。でも神様はあなたのことをすべてご存じです。決してあなたを一人にはせずに、不安、苦しみ、悲しみを乗り越えたり、問題に対処したりする力を与えてくださいます。

バプテスマの祝福は、個人だけでなく家族や子孫にも及ぶ

わたしの尊敬する友達は18歳の時に教会に改宗しました。彼女にバプテスマを受けた祝福について聞いてみました。彼女の素敵な言葉をそのまま紹介します。

改宗者として今まで良かったことは救いの計画を知れたことです。救いの計画を知ることによって、この世の中には試練がたくさんあるけど、それは永遠の観点から見ればほんの一瞬にしかすぎないことだから、辛いことがあっても乗り越えようという力と希望をくれます。

そして戒めがあることによって、色々な誘惑の危ないことから守られてきたと感じています。神様が御自身の子供である1人1人を愛していると知る時に、教会員であるないに関わらず、周りの人へどのように接すれば良いかが分かることにも感謝しています。

救いの計画について知っていることは本当に大きな祝福です。わたしたちはバプテスマを受けることによって、永遠に続く素晴らしい祝福を得る機会を得ます。この福音は個人だけでなく家族や子孫にも大きな祝福をもたらします。

ふさわしい男女は、神殿と呼ばれる特別な建物の中で、家族として永遠に結ばれる祝福を得ることができます。

もう一人、結婚して5人の子どもを持つ素敵なママさんにも、バプテスマと神殿結婚の祝福について聞きました。彼女は新婚時代にご主人と一緒にバプテスマを受けました。

バプテスマを受けて、ずーっと幸せを感じてます。

聖霊の賜物を受けられたので、どんな時でも主の助けや慰めを感じられるのでとっても感謝してます。パプテスマは夫婦で受けたので、勇気をもらってバプテスマを受けられました。

神殿結婚の祝福は、常に幸せを感じられることかなぁ。安心感があります。夫と子供たちと永遠に共に居られるのも嬉しいです。

バプテスマの偉大な祝福

家族が教会員だと一緒に教会に集い、家庭で子どもたちに福音を教えることができます。子どもたちが8歳になるとバプテスマを受けて教会の会員になることができます。

親は子どもたちにイエス様の教えをどのように普段の生活に取り入れたらよいのか、言葉や行いを通して示すことができます。イエス様の福音は、黄金律互いに愛し合うこと、奉仕することなど、本当に普段の生活でどのように周りの人と関わっていけばいいか教えてくれます。

教会員ではない家族への自然な伝道 

たとえ家族が教会員でなくても、福音の良さを伝えることはできます。私の祖母は教会の会員ではありませんでしたが、教会に対してとても良い印象を持っていました。

孫思いの祖母は、わたしや兄弟が遊びに行くと必ずごちそうを用意し、お小遣いで好きな物を買わせてくれました。親戚や知人の家や、勤め先の和裁教室にもよく連れて行ってくれました。わたしが高校を卒業してからは、沖縄や江の島など一緒に旅行に連れて行ってくれました。

祖母が亡くなってから知ったのですが、一人暮らしをしていた祖母は、近所の友人たちによく孫の自慢をしていたそうです。孫と一緒に旅行に行ったことや、孫が勉強を頑張って学校に入ったこと、気持ちが優しいことなどたくさん自慢していたようです。

それを聞いた祖母の友人たちは「孫たちが一緒に旅行に行ってくれるなんて絶対にないことだ。あんたのとこの孫はいい子たちだね」なんて言ってくれたそうです。

そして亡くなる前に、わたしの母にこのように言ったそうです。「孫たちがいい子に育ったのは、教会のおかげだね。」

母が20歳の時に教会に改宗してから何十年もの間、母が家族と共に教会に通い、福音を家庭で学ぶ姿を祖母は見てきました。間違いや失敗もありますが、わたしたち家族はイエス・キリストの福音に沿って、正直に周りの人に親切に接しようと務めてきました。

祖母は、決して言葉にすることはありませんでしたが、教会の教えが良いものであることは分かっていたのだと思います。親が子どもに福音を教え、子どもがその子どもにまた福音を教え、このように福音は家族を祝福し続けます。

バプテスマをこの地上で受けなかった人はどうなるの? 

 この地上を去った後に、わたしたちは自分たちの思いや行いによってパラダイス、または霊のひとやのどちらかに行きます。生きている時にイエス・キリストの福音を受け入れてバプテスマを受けた人は、パラダイスに行きます。イエス・キリストの福音を受け入れなかった人は、霊の獄に行きます。 

しかし、神は憐れみ深い御方であるため、この世でバプテスマを受ける機会に恵まれなかった人たちのために、身代わりのバプテスマを用意してくださいました(『福音の原則』第41章:死後の霊界)。

亡くなった人に代わり、生きている人がバプテスマを受けます。通常、代わりにバプテスマを受ける生者は、その死者の子孫で、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になった人です。この業は、全世界の神殿で教会員によって執り行われています(『福音トピックス』死者のためのバプテスマ)。

わたしの母は、ある特別な夢がきっかけで、先祖の身代わりの儀式を行うために家族歴史を始めました。わたしの母がバプテスマを受けたばかりの頃、祖母がとても不思議な夢を見ました。夢の中には、当時亡くなったばかりの叔父が出てきました。

生前その叔父は、祖母と母親が住んでいる家に一緒に住んでいました。夢の中でその叔父が、たくさん荷物を背負って汗まみれで、祖母と母の家の前に立ち、中に入れてもらおうとして玄関の戸を必死で叩いていました。祖母が家の中から玄関のドアを開けようとしましたが、いっこうに開きません。

 そこに母がすっとやって来て、玄関の鍵を開けると、戸がすんなりと開いたのです。実は、叔父と母は、叔父が生きている頃によく衝突していたそうです。その二人の仲を取り持っていたのが祖母でした。

でも夢の中では、仲裁役の祖母がいっこうに叔父を家の中に入れることができず、なぜか母が叔父を家の中に迎え入れることができたのです。母はバプテスマを受けていましたが、祖母はバプテスマを受けていませんでした。

祖母からその夢のことを聞いた母は、仲裁役だった祖母にできなくて自分にできることは、まさに家族歴史を調べて先祖のために神殿で身代わりの儀式を受けることだと強く感じました。家族歴史を調べて先祖の救いのために儀式を行うように神様から言われていると感じました。

それから母は熱心に先祖の家系図や情報を調べて、多くの先祖の名前を神殿に提出し、死者の救いのために必要な儀式を行いました。母の熱心な行いにより多くの先祖が死者のためのバプテスマを受ける機会に預かりました。

これまでお話してきたように、わたしたちは福音を受け入れて、ふさわしい生活をすることで、個人だけでなく、家族や友人、周りの人、そして先祖や子孫と一緒に永遠に続く祝福を味わうことができます。

神様はバプテスマやそのほかの大切な福音の原則や儀式を通して、わたしたちが幸せになるための道を備えてくださっています。わたしたちは生きていく中で、たくさんの幸せと喜びと共に、苦しみや悲しみも経験します。

人生の旅路は決して一人で歩めるものではありません。家族や友人、周りの人と共に支えあい、そして何よりも救い主イエス・キリストに頼ることで、どんな困難や苦しみにも負けずに、希望を持ちながら前に進むことができるのです。
神様は救いの計画を通して、わたしたちが永遠に続く祝福を得られるように準備して下さっています。

わたしは幼いころから両親や兄弟たちと一緒に福音を学んできました。家庭や教会の子供のクラスで救いの計画を学んだことが、今でも私の心の支えになっています。
この地上での経験は楽しいだけでなく、苦しいこともたくさんあります。でも救いの計画を知っていることで、これまでどんなことがあっても慰めを受けてきました。

神様がわたしを心から愛していること、イエス・キリストがわたしのために道を備えてくださったことを知っていることで、安心感や幸せを感じることができます。

そしてふさわしい生活をするならば、常に聖霊を伴侶とし、慰めや導きを得て、どんな時にも幸せを感じることができることを知っています。
そして最後までイエス・キリストの福音に忠実に歩み続けるならば、愛する家族と共に、永遠に続く喜びを得られることを心から信じています。イエス・キリストの福音はわたしたちを幸せにしてくれることを証します。