4.シリーズの区分

ジョセフ・スミス文筆集のサイトには次のようにあります。

現時点で、印刷される版の「ジョセフ・スミス文筆集」は、およそ20巻からなると予想されています。それは5つのシリーズに区分されます。文書(12巻)、日記(3巻)、啓示と翻訳(3巻)、歴史(2巻)、法とビジネスの記録(1巻)です。 [6]

日記のシリーズはジョセフ・スミスとその筆記者が1832年から1844年までに記録したものです。「第1巻:1932−1839」は2008年11月26日に出版され、「第2巻:1841年12月−1843年4月」は2011年11月15日に出版されました。

文書については10巻の印刷物が予定されています。このシリーズには手紙のやり取り、説教やその他の講演、公式な宣言や発表、編集長の言葉、定期刊行物の記事、啓示の初期の草稿、「選考された議事録や大会報告」などです。このシリーズの数百の文書は今、このサイトで閲覧可能です。歴史のシリーズはジョセフ・スミスの歴史の草稿が全部です。スミス自身により1938年に始められていて、書記によって1844年のジョセフの死後も続けられました。印刷されるのは2巻ですが、ウェプサイトによると、「複数の巻からなる全体の歴史資料」はオンラインで出版されます。「第1巻:ジョセフ・スミスの歴史(1832−1844)」は2012年3月19日に出版され、「第2巻:割り当てられた歴史記録(1831−1847)」は2012年9月に出版されました。

「法律とビジネスの記録」シリーズはスミスが裁判官、見証者、原告、被告人としての立場にあった時の法に関する文書と、土地の売買、「教会所有のビジネスの記録」についての文書を含んでいます。第1巻は印刷される予定ですが、追加資料はオンラインで検索可能になります。

啓示と翻訳シリーズは、ジョセフ・スミスに与えられた啓示の現存の最も古い草稿が含まれています。それらは彼の存命中に出版されていました。その中には、モルモン書の印刷会社の草稿、印刷されたモルモン書、それに戒めの書が含まれています。「ファクシミリの版:啓示の草稿」は2009年の9月22日に出版されました。「第2巻:出版された啓示」は2011年3月18日に出版されています。

「管理に関する記録」シリーズには、スミスの出席した会合の議事録と「スミスの指導下に設立された組織」に関する記録が収録されています。これらはオンラインで閲覧出来ます。議事録集1、議事録集2、それにノーブー扶助協会議事録集が2011年にオンラインで出版されました。

ウェブサイトによると、

印刷されたものも含むすべての記録は、このウェブサイトで注釈付きで出版されます。このサイトには印刷された資料には入っていない資料も追加されると考えられています。歴史シリーズには、ジョセフ・スミスの草稿歴史全体(後に編集されて教会歴史として出版された)、文書シリーズには印刷の方にはサンプルしか載っていない証明書など、他の一般的な書類の多くが追加され、法律やビジネスのシリーズには、印刷には載っていない、追加の2冊に相当する分量の資料が加わります。啓示と翻訳のシリーズにはジョセフ・スミスの聖書翻訳の草稿が、管理関係の記録シリーズには議事録集、書簡集、その他の教会の組織についての記録集、他のジョセフ・スミス文書、そしてそれに類似の資料、そして様々な参考文献が含まれます。 [7]

 

5.プロジェクトの進展

ジョセフ・スミスの文筆集の10巻からなる文書シリーズの最初の巻は、1828年7月から1831年6月までをカバーする640ページの巻です。それは2013年に出版され、第2巻は、2013年の暮れに出版されました。それは1831年7月から1833年1月までをカバーしていました。

文書シリーズについて、教会歴史家の助手である、リチャード・E・ターリー・ジュニアは次のように述べています。

わたしたちはすべてを計画していました。これらの諸巻において、ジョセフ・スミスのことを直視することができます。この文書の集大成により、フィルターを通さずにジョセフ・スミスの書いたものを直接見ることができます。これはジョセフ・スミスとその生涯を理解するすぐれた方法です。関連のある文書を年代順に見せてくれ、出来事の前後関係を明らかにしてくれます。この文書を研究するにつれ、彼の生涯がいかに複雑であったかを知って感動し続けました。夫であり、父親であり、ビジネスを営み、預言者として指導し、コミュニティーを築きました。これらの文書を読むことで、彼がいかに驚くべき指導者であったかが分かります。 [8]

教会の歴史家であり記録係であるスティーブン・E・スノー長老は次のように述べています。

この新しい文書シリーズは年代順に、教会の回復の初期に起こった歴史的な文書を出版しています。それと一緒に、これらの文献はこれまでになかった形で、アメリカの宗教歴史の中で最も重要な人物の1人である、ジョセフ・スミスの生涯と預言者としての思索についての洞察を与えてくれます。 [9]

 

最初の巻にはジョセフ・スミスの自筆による初期の記録が含まれています。金版からコピーされたと思われる文字の広い版のもの(ポスター)も含まれています。「預言者」というモルモンのニューヨークで出版された新聞の編集長が、ジョセフ・スミスの死後1844年に制作したものです。[10]

メリディアン誌の記事「モルモン教、ジョセフ・スミスの初期の文書を出版する」がモーリーン・プロクターによって書かれましたが、以下のとおりです。

その巻についての冒頭に述べてあります。「最初、ジョセフ・スミスはほんのわずかしか書いていませんでした。彼の家族は物書きを良くするような人たちではありませんでした。彼と多くの同世代の人たちは読むことは支障なくできますが、書くことはそれ程練習したことがなく、たぶん自分の考えを書くことは容易ではなかったでしょう。明らかに読み書きの能力はありましたが、1829前に彼が書いたものは何も残っていませんでした。成人してからも、スミスは書く力が限られていることに、いつもいらだちを感じていました。1832年の妻エマへ宛てて次のように書いています。「わたしはあなたが赦してくれると望んでいますが・・・。わたしが自分の考えを書いて伝える力がありません。」しかし、1827年、21歳で、彼は自分に託された多量の文書を生み出して、「神からの賜物と権能により」出来たと語っています。実際にはこれは自分の手で書き上げたというより、言われたことを口述したことになります。そしてこのような実践において彼は多作でした。モルモン書の500ページを越える内容を筆記してもらっただけでなく、1828年の夏に始まり、神の声による啓示の文章を何百ページも口述しました。

このプロジェクトが進むにつれて、すべての人に預言者ジョセフ・スミスの生涯や教えについての完全で完結した見識を提供出来るようになりました。このウェブサイトに載せられた最近の発表で、モルモン教の大管長会が、「ノーブー時代の五十人評議会の議事録に注釈を加えたものが、ジョセフ・スミス文筆集の近々出版される巻に載せることを許可し、 これらの議事録集が別の巻としていずれ出版されるように許可する」[11] と発表しました。

ジョセフ・スミスは「五十人評議会」を1844年の3月に設立しました。彼の死の数ヶ月前です。その時まで、これらの集会の議事録は研究のために使える状態ではありませんでした。ですから、それらの記録はそれまでに出版されたことがありませんでした。それらの議事録によって、「ジョセフ・スミスの出版していない説教や教示を、彼が評議会にどのように参加したかを伝えるとともに説明しています。評議会の進行状況から初期のモルモン教の聖徒が政府や神の王国についてどのような見方をしていたのかがうかがえます。」[12]この議事録は、評議会の書記であったウイリアム・クレイトンによって、手作り製本で3冊の本としてまとめられました。この五十人評議会のノーブーの時期における議事録は管理に関する記録シリーズの一つとして出版されると想定されています。

これらの重要な文書が印刷でも電子版でも出版されるに及んで、モルモン教の歴史と預言者ジョセフ・スミスの生涯と教えが正確に描かれ、祈りに満ち、一つ一つのポイントが吟味される時、これまでのでっち上げの話しや批評の多くが、ついにはなくなることでしょう。

 

6.新たな出版―「文書、第2巻」

文書シリーズは「年代順にジョセフ・スミスのドキュメンタリーの記録の核になっている部分を掲載しています。」[13]そのシリーズの第2巻は、「文書、第2巻:1831年7月から1833年1月」として2013年の12月に出版されました。それには「啓示、往復書簡、ジョセフ・スミスが参加した集会の議事録、教会の代表者に与えられた許可書が含まれています。」[14]その文書には、ジョセフ・スミスがどのように指導者として成長したかという実体とともに、イエス・キリスト教会の管理形態がどのように発展したかについて理解する特権が読者に与えられます。

「文書、第2巻」の編集長は、マシュー・C・ゴッドフリー、マーク・アシャースト-マクジー、グラント・アンダーウッド、ロバート・J・ウッドフォード、そしてウイリアム・G・ハートレイです。この新しい巻には40以上の啓示が載せられており、その多くは後に教義と聖約の中に入れられました。時間を追って教会の管理形態と教義がどのように発展して行ったかを説明しています。さらに、この巻に入っているのは、ジョセフ・スミスから妻エマに宛てた2通の手紙です。この2通は預言者が愛のある夫であり父親であったことを例証する助けになります。

 

7.ウェブサイトへの変更

2014年5月、ジョセフ・スミス文筆集プロジェクトはそのウェブサイトに内容と新しい特徴を加えることを発表しました。

  • 「注釈付きの歴史、第2巻」に載っている、ジョセフ・スミスが書くように割り当てられた歴史
  • ジョセフ・スミスの歴史記録の経験とこのウェブサイトに掲載されたすべての歴史との関係を描写している検索ツール
  • ジョセフ・スミスの手書き文書を検索するツール
  • 「注釈付き啓示と翻訳、第2巻」にある啓示の初期に出版された版
  • 1832年6月6日づけのエマ・スミスへの手紙
  • 「死者というテーマ」についての1844年4月7日に与えられた説教についての5つの記録
  • 1842年の1月から3月までの文書
  • 新しく更新された参考文献。それには文献を説明する新しい資料、新しく更新された地理についての記載、新しく更新された年代順の項目、ジョセフ・スミスの祖父母についての新しいビデオ、新しい地図
  • 新しく性能を改善された文書閲覧のツール

 

8.そのほかの資料

  • ジョセフ・スミス文筆集
  • 教会の歴史家および記録者のオフィス
  • ジョセフ・スミス:回復の預言者

 

この記事はモルモンウィキに投稿されたものです。パート1はこちらをクリックしてください。