末日聖徒にとって、クリスマスやイースターと同じように大切なイベントが年2回あります。それは総大会と呼ばれていて、毎年4月と10月に行われています。これは、どなたでも参加できます。そして生ける預言者や使徒からの話を聞いて、導きを得ます。その導きは光となるので、参加した人全員にとって時間を有意義なものにすることができます。
もっと詳しくお話しましょう。
総大会の始まり
1830年、ニューヨーク州フェイエットで最初の総大会が行われたという記録があります。その会を管理したのはジョセフ・スミスでした。その時は、教会員が約30人、そのほかの人が数人出席したくらいでした。
しかし、モルモン書を読んでみると、もっと前から総大会があったことが分かります。モーサヤ書第2章は紀元前124年頃の話が書かれています。ここに出てくるベニヤミン王は預言者でもあり、人々から慕われていました。そして大勢の人がベニヤミン王の話を聞くために集った話があります。
あまりにも大勢の人が集まったので、神殿の中で話をするのではなく、急遽外にやぐらを立て、その上から話をしました。人々はその話を家族と一緒に聞いたのです。その話は、イエス・キリストや贖い、救い主に従う者となるとはどういうことかについてでした。話す声が聞こえない人には、文字で書いてそれを配るほど、皆熱心に聞きました。
実はこれは現在も体験することができます。
総大会に参加するために、家族で集まる人達が大勢います。参加するための時間を計画したり、必要なら教会堂などで視聴するためにその場所へ向かう人もいます。もちろん、今はインターネットがあるので、数回クリックするだけ預言者の言葉を聞くことができるんです。
そして、ウェブサイトやリアホナという機関誌で、何度も話を聞いたり読んだりできます。
現代では、ジョセフ・スミスが最初に管理したころよりも沢山の人が総大会に参加しています。そして、ベニヤミン王が話した時よりも多くの人が神からの言葉をすぐに知ることができるのです。
ロバート・D・ヘイルズ長老はこのように言いました。
「この世界のどこにいても、いかなる手段で総大会の放送を受信しようとも、わたしたちは主の大会に集っていると証します。また、主の御言葉を聞くと証します。なぜなら主がこう言っておられるからです。『わたし自身の声によろうと、わたしの僕たちの声によろうと、それは同じである。』」
現在の総大会
総大会は、2日間行われます。アメリカでは、例年4月の第1土曜日と日曜日、10月の第1土曜日と日曜日に行われることが多いです。
暦などの関係で開催時期がずれることがあります。
お近くの教会に問い合わせたり、わたしたちにメッセージしてもらえたら、毎回の日程をお伝えします。また教会のHPでも3週間前から紹介されています。
日本では、地域によって教会での視聴の仕方が違います。日曜日に教会で総大会を視聴できるなら、聖餐会や通常の日曜の集会が行われないことがあります。こちらも事前にご確認ください。
ただ、リアルタイムでアメリカで行われている集会に日本語訳が付けられているので、日本の教会での視聴を待たなくても、総大会の話を聞くことができますよ。
総大会では、生ける預言者である大管長、十二使徒、七十人、そのほかの中央幹部役員がお話をします。そして、タバナクル聖歌隊が讃美歌を歌います。タバナクル聖歌隊の歌はとても素晴らしく、歌を聞くだけでも霊的な清い気持ちになれるでしょう。
ただ、教会員でない方やこれまで総大会に出席したことがない方は、難しい言葉や専門的な言葉のせいですべての話を理解できないかもしれません。ですから、予習としてこちらの記事と動画をご紹介します。ぜひご覧ください。
総大会を充実させるために
教会員であれば、次の勧めを聞いたことがある人がいると思います。「総大会に備えましょう」と。
総大会のための準備があるんです。準備をするかしないかで総大会が何倍も素晴らしいものになります。そして光が差し込むような導きを得る事ができるのです。総大会の準備の一部をご紹介します。
家事、仕事、宿題などを終わらせておく
総大会の日時は前もって伝えられています。なので、余裕を持って総大会に参加できるように、事前に計画をし、掃除を済ませておいたり、食事の買い出しや作り置き、仕事を総大会の時間までに持ち越さないようにしてみましょう。宿題や学校の課題も同じですね。また、受験勉強中の方は、総大会の時間をあらかじめ考慮して勉強計画を立てるといいですね。
自分の問題や悩みを書き出しておく
最近悩んでいることや問題になっていることについて考えてみましょう。そしてそれを日記やノートに書き出しておきます。そうすることで、自分の中で問題や悩みを思い起こすことができます。また、総大会中にお話を聞きながら、自分に必要な答えに気が付きやすくなるんです。不思議ですがこれは多くの教会員が経験していることなんです。
答えを得られるように祈る
問題や悩みを書き出したら、その答えを得られるように、大会の日までに祈ることをお勧めします。何度もお祈りしてもいいでしょう。そして祈りの答えだけに限らず、よく集中してお話を聞けるように、御霊を良く感じることができるように祈ることも助けになります。
過去の総大会の話を読んだり聞いたりする
もし最新の総大会まで時間があるのであれば、過去の総大会のお話を聞いたり読んだりします。過去の話に触れることで、自分の霊性を上げることができます。そして、次の総大会でよく御霊を感じることができるように自分自身を霊的に高めることができます。こちらのサイトから過去の総大会の話を読んだり聞いたりできますので、ぜひ活用してみてください。
預言者や使徒などの指導者のバックグラウンドを知る
これをしている人はあまりいないかもしれません。しかし、わたし自身がそれを行うことで総大会が身近になりました。預言者が昔どんな仕事をしていたのか、使徒たちはどこで伝道したのか、戦争中どのような経験をしたのかなど、教会ウェブサイトの検索欄で指導者の名前を検索すると、知ることができます。
例えば、十二使徒の1人であるゲーリー・E・スティーブンソン長老は、若いころ九州で伝道しました。ですから、総大会ではご自身で日本語翻訳を付けたりしています。この情報があると、日本人に向けて日本語で話しているスティーブンソン長老の気持ちがちょっと分かる気がします。また総大会では、指導者の過去の経験やそこから学んだことを聞くことができます。
総大会に思うこと
5人の教会員の兄弟姉妹に、これまでの総大会、そしてこれからの総大会に感じる事、思うことを聞いてみました。
「2021年4月の総大会の、バラード長老の「キリストに希望を抱く」が印象的でした。その話を聞いた時に自分がどんな状態だろうとどんな立場に立たされていようと、最大限の奉仕をしようと決めました。」ゆり
総大会は、新たな決意の場にもなりますね。
「預言者たちの話は、いつもいつもその時の私に必要なものばかりです。そして毎回総大会から、神様が私たち一人一人をとても気にかけておられるんだなということを、改めて学びます。」しょう
総大会が定期的に行われるので、とても大切なことを思い起こすことができます。
「わたしにとって総大会は、朝起きた時に顔を洗う習慣とよく似ているなと思います。顔を洗うことによって目が覚めて、『よっしゃ、今日も1日がんばろっ!』と私は思います。総大会も定期的に行われるので、目を覚まして『よっしゃ、がんばろっ‼』て思えるような機会です。」なみ
総大会が終わった後、気持ちを引き締めて明日から末日聖徒として生きていくことができます。
「今度の総大会では、人生について探っていこうと思っています。わたしは常日頃から人生について考えています。人生を今後どのようにうまく運んでいけるのか、それも含めて今回の総大会は期待しています。」りょう
いつも考えていることの答えや導き、ヒントをもらえるのは確かですね。
「総大会で期待していることは、悩みや問題の答えを預言者の答えを通して見つけることができます。もちろんたくさんの悩みを既にリストアップ済みです(笑)この悩みの答えがどうか見つかりますように。」 たか
問題や悩みのリスト化をして総大会に臨む教会員は多いです。たか兄弟も答えを得られることを祈っています。
総大会の導きは光となる
事前の準備が大切な総大会ですが、大会中はノートを取るなどすると学びが深まります。
「大会では自分だけに当てはまる主の御言葉を受けることができます。ある会員はこのように証しています。
『あなたの説教を聞いて、驚きました。……あなたの話は主がわたしの家族に直接与えてくださった個人的な啓示です。聖霊が直接わたしに語ってくださったあのときほど、強い御霊の現れを経験したことは、かつて一度もありませんでした。』(中略)
このようなことが起こり得るのは、聖霊がわたしたちの理解できる言葉で、主の御言葉をわたしたちの心に伝えてくださるからです。わたしは大会でメモを取るとき、いつも話者の言葉をそのまま書き留めるとは限りません。御霊が与えてくださるわたし個人のための教えを書き留めるのです。」(ロバート・D・ヘイルズ「総大会―信仰と証を強める」)
実は終わってからも学ぶ機会がまだまだあります。おススメなのは、総大会について感じたこと、感動したこと、印象的だった話を誰かと共有することです。家族や友人、宣教師でもいいですね。自分のミニスタリング先の兄弟姉妹や、ミニスタリングブラザー・シスターとも話すことができます。
もし、お知り合いに教会員がいなかったら、ぜひ神への信仰にメッセージをください。FacebookやInstagramなど、SNSのダイレクトメッセージでもいいですし、Facebookにあるコミュニティーグループでは、ほかの教会員とも共有できます。この記事のコメント欄でもいいですよ。
感じたことを誰かと共有することはとても大切です。学びは誰かに伝える時に完成します。勉強ができる生徒がほかの生徒に学習を教える事で、自分自身も新たな理解と学びを得るのと同じです。そして、誰かに伝える時に自分が御霊を感じることができます。また、自分では気付かなかった部分も見えてきます。ぜひ、総大会で感じたこと、学んだことを誰かに積極的に分かち合ってください。そしてどうだったかぜひコメントして教えてくださいね。
総大会を集中して聞くアイディア
2時間も座ってお話を聞くので、途中で集中が切れてしまうなんて経験をしたことがある人もいるでしょう。わたしもそうです。集中できるように事前にお祈りしたり、答えや導きを探すことも助けになります。そのほかにも工夫できることがあります。
- 十分な睡眠を取る
- お腹いっぱいになりすぎない
- 家族や友人と一緒に聞き、すぐに感想を伝え合う
- あまりリラックスできるような恰好や椅子に座らない
- 話者のネクタイや服の色を書く
- 話者の似顔絵を書く
話者の衣服の色を書いたり似顔絵を書いたりなんて聞くと、集中していないように思うかもしれませんが、画面に注意を向ける一つの方法になるんです。また、大人だけでなく子供も話者に関心を示すことができるので、親子でやってみるのもいいですね。
そして疲れが溜まっていると、あっという間に眠たくなるかもしれません。自分の体調を整えることで、御霊も感じやすくなりますよ。
子供たちには以下のことができるでしょう。
- 福音に関係ある言葉を入れたビンゴをする
- 「祈り、救い主」などのキーワードを決めて、聞こえたらその都度ラムネなどの小さいお菓子を器に入れる(飽きてきたら食べてもいいですね)
- 教会のホームページにあるぬりえをプリントして色を塗る
- 話者の名前を順番に書く
1人で本などを読めるお子さんは、教会の子供用機関誌フレンドやモルモン書物語などの聖文の物語を読むのもいいですね。
いかがでしょうか?総大会について少しは知ることができましたか?総大会に限らず、祈りや断食で悩みの答えや導きを得ることはできます。しかし、末日聖徒イエス・キリスト教会には神様から召された生ける預言者がいて、キリストのことを証しする十二使徒もいます。
また、多くの御霊と導きを受けた指導者が証をします。その特別な時間に得た導きは光となり、わたしたちの実際の生活の中で希望を与え、行うべきことを教えてくれます。