2015年7月20日に出版されたNASAの科学者らによる「新しいブルー・マーブル」(「青いビー玉」の意)と名付けられた宇宙から見た地球の新たな画像についてのメディアの記事の中で、宇宙飛行士のスコット・ケリーは次のように述べた。「宇宙にただよう私たちの星を丸ごと見た地球の一枚のスナップショットには何かすばらしいものがあります。」

さらに何か霊的なものもある、とトーマス・ジェファーソン大学の神経科学者であり、ペンシルベニア大学の宗教学の非常勤准教授であるアンドリュー・ニューバーグは記している。

「時にはたった1枚の写真が人を変えます。万物が深いところで互いに関連している」ことを認識させていると彼は述べた。

最初に「ザ・ブルー・マーブル」と形容されてから43年間、一般人が外から地球を見る機会を提供したことにより、私たちの故郷の星の画像は至る所に存在するものとなった。さらに最新の写真が示すように、それを見ることにより、畏敬の念を起こさせ、宇宙にあって地球がどのような立場にあるのかついて深く考えさせるものともなったのである。

ニューバーグはオーバービュー・インスティテュートでの自らの研究の中でこういった類の考察を役立てる研究をしている。この組織は宇宙の力を活用しながら人間関係を改善することを目的とする組織であり、「オーバービューエフェクト(概観効果)」学説にちなんで名づけられ、それは宇宙旅行が根本的には宇宙飛行士が地球上の生命をどのようにとらえるかという方向にシフトすると結論づけている。

自分の住む惑星全体を外から見ることにより、人々に霊的な質問について考えるように強調することにより、ニューバーグは世界はもっと住みやすくなると確信している。

「霊的なものは世界に対する新たな見方をもたらします」と彼は述べた。「霊的な経験は連帯感、一致、すべてのものがつながっているという思いを作り出します。これは概観効果にとてもよく似ています。」

外の宇宙と霊性

ニューバーグは言う。「宇宙に行った人と行ってない人の間にははっきりとした違いがあります」と宇宙に行った人の存在は「信じられないほど力強い」と彼は述べた。

宇宙飛行士のガーン(82歳)は彼の経験について次のように述べている。

「地球を振り返ってその全体像を見た時のことを説明するのはほぼ不可能です。」

彼の前後に行った宇宙飛行士と同じように、ガーンも自分の旅を宇宙的発見と呼んでいる。それは、人生を脅かす些細な心配事から自分を解き放つものだった。

霊的にも仕事の面でも「人生が変わる経験」だと彼は述べた。

地球を見ることにより畏敬の念が呼び覚まされ、争いよりも社会を形成し、自分の望みを置いて地球を守ることを優先する気持ちになる、と宇宙飛行士たちは声を揃えて言う。

さらに広い意味で

宇宙から実際に地球を見る機会のある人はほとんどいないだろう。しかし地球全体の画像を見るだけでもガーンやニューバーグが説明したような霊的な変化を呼び覚ますと過去に哲学者たちは記した。

この感情的、霊的な影響は人類の宇宙に対して長い間抱いてきた執着を説明するものとなる。例えば地球の画像は「Tシャツ、トートバッグ、まんが、コーヒーカップ」などによく用いられると彼は述べている。

人類と地球をテーマにした個展も開かれた。芸術や様々な活動を通して、地球と私たち人類の物質的、また霊的な関係を知り、感じることができる。

宇宙という空間の中で自分たちがどれほど小さいものかを認識することにより、「私たちは垣根を取り払い、人々と地球規模で融和した方法でつながることができます。」

ガーンは自分の命は、驚異的に入り組んだシステムの中の単に一つの小さな部品であるということを理解する力に対する証であるという自らの思いを繰り返しました。

「私たちは皆ちっぽけなちりのかけら、砂粒のようなものです。でもうわべだけの言語や人種の違いにばかり目を奪われています」と彼は述べました。「私たちは皆神の子供で、宇宙船地球号に共に乗った旅人なのだということを覚えておく必要があります。」

 

この記事は元々Kelsey Dallasによって書かれ、Deseret Newsに”The spiritual side effects of viewing Earth from outer space“という題名で投稿されました。