「就活って一言でいわれているけど、実際のやり方や手順など、どこから手をつけていいものか…」なんて感じている人は少なくないと思います。特にフリーターや、新卒でまだ自分に合った仕事が見つかっていないという人は、将来に大きく関わってくるからこそ不安ですよね。周りの人たちがすでに就職していて焦っているかもしれませんが、彼らの就活の経験を聞いてみたくはありませんか?「成功している人の基盤となっているものはなんだろう?」「成功する理由は?」「自分がしたい仕事でお金は稼げるの?」「大手企業に勤めて給料が高くても、家族と過ごす時間がほんの少しだったら?それでもいいのだろうか?」まずは、就活を終えた人のアドバイスを読むことから始めてみましょう。ということで、今回は世界が認める大企業マイクロソフトに入社することになった方からのアドバイスを紹介していきます。

岡田圭さんからの就活アドバイス

わたしの名前は岡田圭です。2018年12月にBYU(ブリガム・ヤング大学)を卒業予定で、2019年4月から日本マイクロソフトで働きます。

就職活動で気を付けていたことは、自己分析→業界研究→企業研究→ES(エントリーシート)→実際のインタビューという順番で進めていくことです。

一つずつ、順を追って説明します。

【自己分析】

自己分析と聞くと、いろんなことを想像されると思いますが、わたしは「人生の目的とは何か?」という問いかけから始めます。やはり人生の中で「働く」という行為は大部分を占めます。大部分を占めているにもかかわらず、何のために働いているのか分からないというのは、時間や才能、リソースなどを有効に使えていないため、非常にもったいないと思います。わたしの場合はクリスチャンですので「イエス・キリストのような人格者になること」という人生の目的があります。そのためには、まず「人に仕える」ということが必要になります。では「人に仕える」という目的を達成するためには、「家族を幸せにする、また、わたし自身とかかわる人を幸せにする」という目的が出てきます。次に、幸せを提供するためには何が必要なのかを考え、導き出したのが「時間、お金、そして自分が好きで得意とする仕事」が必要ということです。ここで初めて「なぜ就職するのか」という答えが導き出せます。わたしの場合は「時間、お金、好きな仕事」ということだったので、「ワークライフバランスが取れている会社、十分に家族を養える給料、そしてわたしが楽しめる業種、職種」の条件がそろっている会社がマイクロソフトでした。

よく「なんとなくみんなが就職するから就職しなくちゃいけない」という人を見かけますが、こういう人はすごく危険だと思います。なぜなら、こういう人ほど「なぜうちで働きたいのですか?」という質問に答えられないからです。

ですので、自己分析というのは人生の目的から始めて、そこからどんどん掘り下げていき、自分自身の夢、目標、それを達成するための過程、そして現在の自分自身の能力(SWOT分析)を出すのが最初の段階かと思います。これがはっきりしないと、芯がブレまくります。笑

【業界研究、企業研究】

自己分析が完了すると、おのずと自分は何が好きで何が得意なのかがハッキリします。それから、自分に合う業界や職種をもっと絞っていきます。例えばわたしの場合はITが好きで、しかもITの専攻だったのでIT業界に絞りました。しかし開発側はあまり興味がなかったので、興味があったセールスやマーケティングのビジネス側に絞りました。そうすると、大手になりますがマイクロソフト、Google、Apple、Facebookなどの企業が出てきて、これらの企業がどういうことをしているのか徹底的に調べました(この時も各企業のSWOT分析をします)。ここで、ぜひみなさんにしてほしいのが、ネットだけの情報で完結しないことです。必ずOB訪問をすることをお勧めします。やはりネットに出ていることは偽りの情報も多いですし、実際にその会社で働いている方に、その企業の良い点、悪い点を聞く方が正確性もあり確実です。OBの探し方はいろいろですが、今はLinkedInなどの便利なツールがあるので、自分の学校の先輩のコネクションなどを使ったらいいかなと思います。

*この時点で自分のSWOT分析と企業SWOT分析を完璧に終わらせておいてください

【ES(エントリーシート)、インタビュー】

やっとエントリーシートです。笑

ここでは今まで存分に準備したものをすべて吐き出します。特に聞かれる質問で多いのが、「自己PR」「志望動機」そして「なぜその会社なのか」です。気づいている方もいるかもしれませんが、これらの質問は自己分析と企業分析を徹底的にしていれば簡単に書けます。書けない場合は、まだまだ分析が足りません。そしてES(エントリーシート)を書く際に最大限に意識してほしいのが、「自分のStrength(強み)で企業のOpportunity(機会)を最大限にする」ということです。企業はお人好しで新卒を獲得しにくるわけではありません。実際に会社の利益増加に貢献してくれる人を探しに来ています。なので、自分自身がその会社に何をReturn(貢献)としてもたらすことができるかを表現することが非常に重要になります。ES(エントリーシート)やインタビューで非常によく見かけるのが、会社の良いところを褒めまくって、それで終わってしまうパターンです。人事の方は褒められて気分的には良いですし、たぶん「ありがとうございます」って笑顔で喜ばれるので、「良い雰囲気で面接ができた!気に入られた!」って思うかもしれませんが、ほとんどの方が落ちてしまい、「なぜ?」というスパイラルに入ります。意識としては「50%褒めて、あとの50%は自分の経験やスキルでさらにあなたの会社に貢献できますよ!」とアピールすることが鍵かと思います。人事の方に「この子はうちにとって即戦力になる、将来的にうちの会社に利益をもたらしてくれる」と具体的なイメージを持たすことができたら、内定に大きく近づくと思います。あとは、ES(エントリーシート)もインタビューも練習あるのみです。いくらすごいスキルや経験を持っていても、決められた時間内で伝えられなければ本当にもったいないです。詳細は話しませんが、伝え方というところはすごく大事ですので、たくさん練習してください!(伝え方が9割という本が非常に参考になります。)

【最後に】

もう一度言いますが、仕事というのはあくまで人生を豊かにする「手段」です。今回は就活がテーマでしたのでこのように話しましたが、もし「条件に合う会社がない!」ということであれば、「起業」という選択肢も有りかと思います。わたしは、自分自身の人生の目的を達成するために一番有効な手段が、必ずしも「就活をすること」とも思わないので。これからの時代、大きく働き方も変わると思いますので、二足のわらじでやっていくのも全然有りかなと思います。

岡田圭君の卒業を祝う家族

霊的に備える

末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン書があるので誤ってモルモン教と呼ばれる)の会員として、霊的な側面からも少しお話を加えたいと思います。就活だけではないんですが、留学から内定までわたしが常に心掛けていたことは、「行いが伴った信仰」を持つということです。ヤコブの手紙2章26節では「行いのない信仰も死んだもの」という記述がありますが、留学を始めた最初の頃、どうなるか分からない未来を考えながら教会に行ったり毎日聖典を読んでいたら「最終的には神様がどうにかしてくれる」という信仰を持っていました。つまり、福音に沿った生活をしているので、ただ学校に行き、そのまま卒業したら良い仕事に就けると信じ切っていました。しかし、ある出来事がきっかけで、それは信仰とは呼ばず、ただ努力することから逃げる言い訳にしかならないことに気が付きました。教義と聖約9章7節に「見よ、あなた​は​理解​して​いなかった。あなた​は​わたし​に​求め​さえ​すれ​ば、何も​考えなくて​も​わたし​から​与えられる​と​思って​きた」とあります。まさにわたしはこの状態で、望めば待っているだけで何でも与えられると思っていました。この時からわたしは、マイクロソフトへ就職するために何が必要かしっかり考え、早い段階でインターンシップを見つけたり、色々なプロジェクトに携わるなど、自分にできる努力はすべて行いました。今振り返ると、このような「行いが伴った信仰」があったからこそ、就活でも自分が望むものが祝福として与えられたのかなと、よく感じます。ですので、ぜひみなさんにも「死んだ信仰」ではなく「生きた信仰」を持って、目標に向かって頑張ってほしいと思います。この記事が少しでも多くの人の助けになれば幸いです。

岡田さんのアドバイスは、どんな職種でも準備する上で活用できるものがあったと思います。この記事を読み、感じたこと、思いついたことを書き留め、自分にできそうな自己分析や研究方法を見つけられることを願っています。