日本で最初の神殿である、日本東京神殿が奉献されてから36年目となる2016年7月。北海道の大地に、日本福岡神殿に次ぐ日本で三番目の神殿、日本札幌神殿が完成しました。

最初にモルモン教のあらゆるニュースを載せている、モルモンニュースルームというウェブサイト上に、完成した札幌神殿の内部を写した写真が公開されました。その荘厳なたたずまいと、日本らしいデザインが随所に施された内装を見て、主の日本の聖徒たちへの愛を感じました。わたしたち日本人に、新しい神殿という祝福が与えられたのです。

 7月8日から23日までの2週間に渡って、札幌神殿はオープンハウス(神殿内部を一般公開すること)として一般の方々にも公開されました。もちろん多くの教会員も、神殿を見るために日本中から札幌へ向かいました。多くの人が神殿の中に入って見て回り、特別な気持ちを感じたと話しています。ここでは、何人かの感想をご紹介します。

日本の地に住む人々、一人一人

北海道に住むある会員の女性は、このように話してくれました。

「オープンハウスではたくさんの人が奉仕している姿に感銘を受けました。北海道にいる人達の神殿に対する特別な思いと決意を感じました。案内してくださる人に連れられて神殿の中を見させてもらうと、見るものどれも素晴らしいものです。建物の構造やデザインはもちろん素晴らしいですが、日本ならではの温かみをとても感じる場所に思えました。

今の時代に生きてる日本の人々だけでなく、大勢の先祖の切実な思いでこの地に神殿が与えられた事を感じ、心からの感謝と、この場所にふさわしくありたいと熱くなる思いがあります。天父が日本の地に住む人々を一人一人心に留めてくださっていて、心から愛してくださっているのを感じました。神殿は特別な場所です。」

次は、大阪に

遠くは大阪から札幌まで行った会員の男性は、中に入って感じたことを次のように分かち合ってくれました。

「オープンハウスに行く前から写真などで拝見していましたが、実際に神殿の中に入る事によって、そこでしか味わえない神聖な気持ちになりました。

また、札幌神殿は、北海道や札幌の特徴を取り入れたデザインとなっていました。その美しさに感動すると共に、自分の住む町大阪にも神殿を頂けるように、頑張りたいと思いました。」

幼い娘の目に映った神殿

2人の幼い子供を持つ会員の夫婦は、オープンハウスでの経験をこう話しています。

「夫が『子供たちに神殿の中を見せてあげたい』とある日突然言い出し、子供が生まれてから初めての旅行に行きました。神殿は一度奉献の儀式が行われると、推薦状を持つ12歳以上の教会の会員しか中に入ることができないため、幼い子供たちにとって今回の札幌神殿オープンハウスは、またとない機会でした。 ツアーの間、3歳の娘は眠くて機嫌が悪く、なだめながら見ていましたが、最後の日の栄の部屋のドアが開いた瞬間、『しゅてき・・・』とつぶやき、その荘厳な美しさに見入っていました。子供でも、この部屋にただよう天国の清らかさを感じられるのかな、と思いました。

また結び固めの部屋では、大きな合わせ鏡の間に立つと、奥にずっと続く自分たちの姿を見て、過去を生きたご先祖様、これから未来に続く私たちの子孫のことを想いました。東京神殿でちょうど4年前に私たちが結婚して結び固められた時にも、合わせ鏡の間に立ち、同じことを想ったことを思い出しました。今では4人家族。愛する人たちと、死ぬまでではなく永遠に一緒にいることができる幸せをかみしめました。」

夫と共に入った結び固めの部屋

ある会員の女性は特別な思いを抱いて札幌に向かったと、話してくれました。

「生まれて初めて、神殿のオープンハウスに参加するということで、楽しみな気持ちと一緒に、少しだけ不安もありました。それは、一緒に行く教会員ではない夫がどんな風に感じるだろうか、という思いからでした。息子が福岡神殿で結婚することになり、残念ながら夫は中に入れないことを伝えた時、「どうして入れないの?」と言われ、申し訳ない思いでいっぱいでした。仕方のないことなのですが、やはり心には「お父さんだけのけ者のようにして、ごめんね。」という気持ちがずっとありました。

いよいよ最寄り駅で降りて、携帯電話の地図を見ながら神殿に向かいました。歩いていると、夫が「見えてるよ。あれだろう?」と、木々の間にのぞく尖塔に輝くモロナイ像を指差しました。

オープンハウスで特に印象に残っているのは、結び固めの部屋です。二枚向かい合った鏡が、家族は永遠という教えの象徴だと説明しました。夫は、「永遠という感覚は考えたことがないから分からない。」と話してくれました。感じたままの正直な気持ちを、そのまま伝えてくれたと思います。今は分からないかもしれませんが、オープンハウスで福音や永遠の家族について考える機会になったのは祝福です。いつか夫と神殿の結び固めの部屋で、永遠の家族として結び固められることを目指し、これからも神殿に参入し続け、主を信じて歩もうと思います。」 

長い祈りの答え

北海道出身の会員の女性は、自分の故郷に神殿が建った喜びをこのように話しています。

「7月8日(金)9時 待ちに待った札幌神殿のオープンハウスに母と妹、そして教会員の長男夫婦と一緒に行ってきました。完成した神殿を目の当たりにした時、その素晴らしさに感動するとともに一つの光景が目に浮かびました。それは2009年秋の総大会で、モンソン大管長より、札幌神殿の建設が発表された後すぐに建設予定地に孫たちを連れて見に行った、その光景でした。そこは子供の背が隠れるほどの草が生えた、広い広い野原でした。 『ここに神殿が建つのだ!』そう思うと胸が熱くなってきたのを思い出します。

わたしたち札幌の教会員、北海道の教会員が皆心を合わせ、一致して札幌に神殿が建つように強く強く求めて祈り続けた事、そして建設の為に与えられたチャレンジ、高いハードルをクリアするために何年も努力し続けた事を思い出します。今、心は喜びで一杯です!神様は私達の心の底からの祈りと努力に確かに答えて下さったのです。」

「わたしたちの夢、わたしたちの使命」

札幌伝道部で伝道した会員男性はこう話しています。

「札幌神殿のオープンハウスに向かう坂道に差し掛かった時、坂道に沿って立っている木々の向こう側から札幌の主の宮が見えた感動は今でも忘れられません。近づいてくる札幌神殿の外観を見ただけで、自然と敬虔な思い、そして神聖さを感じました。

神殿の中も、まさに「主の宮」でした。特徴的なのは、北海道の花であるライラックが随所に彫られ、羊蹄山(札幌から南西の方角にある山)をモチーフにした絵が描かれている箇所があったことです。それぞれ世界の神殿を見ると特色がありますが、札幌神殿の建物の細部を見て、主が北海道の、そして日本の人々一人一人をご存じで、気に留められておられるような気持ちになりました。

私が専任宣教師として北海道の地を初めて踏み、2年間の奉仕を終えたのが11年前のことです。私を含め、またこの地で数多くの宣教師たちが主の僕として働いてきました。私も今までの専任宣教師の一人として、「札幌に神殿を」という思いを持っていました。しかし、こんなにも綺麗で、偉大な神殿が建つことを誰が想像できたでしょうか。

「北の大地に神殿を……わたしたちの夢、わたしたちの使命」これは当時、札幌西ステークで掲げられたステークのテーマです。私はテーマが発表されたステーク大会に専任宣教師として出席していました。あの時確かに、全会員の気持ちが御霊に満たされ、一つになったことを覚えています。その当時を思い出す時に、札幌の会員一人一人の神殿への信仰という主への忠実な思いと行動が実を結び、結晶となったものが札幌神殿なのだと感じました。」

 

たくさんの人がオープンハウスに訪れ、神殿で神の愛と力を感じました。

今後は、神殿完成をお祝いする8月20日の文化の祭典、そして神聖な建物として神殿を神に捧げる式典である奉献式が8月21日に予定されています。

その後は他の神殿と同じように、ふさわしい教会員だけが入ることを許されますが、広い神殿敷地内の庭園は一般の方も入ることができ、神殿の外観や日本らしい庭造りを楽しむことができます。

日本札幌神殿の詳しい場所、またモルモン教について詳しくお知りになりたい方は、こちらの教会公式ホームページでご覧いただけます。

 

この記事は、佐々みちるによって書かれました。