質問:

末日聖徒イエス・キリスト教会は世界中に神殿を建てています。

信者にとって神殿が重要な建物だということは知っていますが、一つ一つの建物がとても立派で豪華に見えます。また、建てられている場所も地価が高い一等地もあります。

そんなにお金があるなら、神殿を増やすのではなく、教会がしている慈善事業にもっとお金を回せばいいのではないでしょうか?

回答:

末日聖徒イエス・キリスト教会の神殿が、教会員たちにとって大切な建物だということを理解してくださって感謝します。

一般的に、「豪華な建物=贅沢」「寄付=善」となることが多いですよね。
この教会では、神殿を「余ったお金で建てている象徴的な建築物」とはしていません。救いの儀式を行うための宗教インフラと言っても過言ではない存在なのです。

また、教会では、困っている人を助ける福祉・人道支援を世界規模で行っています。

ポルトガル北ステーク、ポルト・ブラガワードの末日聖徒イエス・キリスト教会の会員
2023年5月にポルトガル対がん連盟を支援するため、「ヘルピングハンズ」奉仕プロジェクトを行った
ポルトガル北ステーク、ポルト・ブラガワードの末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は、2023年5月にポルトガル対がん連盟を支援するため、「ヘルピングハンズ」奉仕プロジェクトを立ち上げました。画像提供:ルイス・ソアレスビショップ 引用元Church News

実際に、2024年の活動報告を見ると、福祉・自立支援・人道支援・ボランティア奉仕を合わせて14億ドル超の支出があったとまとめています。また、192の国と地域で人道プロジェクトが行われたとしています。

もしまだ、神殿を建てる金銭的な余裕があるなら、もっと人道支援にお金を使ったらいいのではないか、と思う人がいるかもしれません。

そんな人は、ぜひもう一度、わたしたち末日聖徒にとって神殿がどんな存在なのかを知ってください。

青空とソルトレーク神殿
画像:末日聖徒イエス・キリスト教会

では神殿は何のため?

神殿は、毎週日曜日の礼拝行事などを行う通常の集会所(教会堂)とは違います。わたしたちが救いを得るために必要な儀式を受ける場所です。

この儀式は、この地上で神様に代わって業を行う神権を必要とする儀式です。そしてその儀式でわたしたちは神様と聖約を交わします。

旧約聖書にも描かれている神殿と同じように神聖で特別な場所です。

神殿での儀式を通して、わたしたちは

  • イエス・キリストに従うための聖約を結ぶ儀式
  • 家族が永遠に結ばれる儀式
  • 亡くなった人の救いのための儀式

を行います。

そして神殿を建て、そこで儀式を受けることは、神様が定めたことだとわたしたちは信じています。

あなたがたの油注ぎと、あなたがたの洗いと、あなたがたの死者のためのバプテスマと、あなたがたの聖会と、レビの子らによるあなたがたの犠牲の記念と、あなたがたが神との交りを受ける最も聖なる場所におけるあなたがたの神託と、シオンの啓示と基いの始まりのための、またシオンのすべての町の栄光と誉れとエンダウメントのためのあなたがたの掟と裁決は、わたしの聖なる名のために建てるようにとわたしの民に常に命じられる、わたしの聖なる家の儀式によって定められる。

まことに、あなたがたに言う。わたしの名のためにこの家を建てて、わたしがそこで民に儀式を示すことができるようにしなさい。教義と聖約124章39-40節

もちろん、神殿に入ることで得られる慰めや平安もあります。今抱えている悩みを乗り越えるヒントとなるようなアイディアや強さを得ることもできます。

美しい内装の東京神殿
画像:末日聖徒イエス・キリスト教会

豪華な建物なのはなぜ?

神殿が豪華に見えるのは、主に次の3つの理由だと言えるでしょう。

1.文字通り主の宮である

神殿は主の家、または主の宮だと信じています。また主が神殿を訪れることも信じています。立派な建物であることで、多くの人は敬意を持つでしょう。

神殿は聖なる建物であり、ふさわしい聖徒たちがその中で、自分自身と死者のために神聖な福音の儀式を執行する。主は神殿を訪れられる。したがって神殿は、礼拝する場所としては最も神聖な所である。聖句ガイド「神殿、主の宮」より

聖句ガイド』には、神殿は『文字どおり主の家』だと書かれています。言い換えると、神殿は単なる象徴的な場所ではありません。現代(この時代)の神殿は、主が実際に来られるように備えられ、聖別された家なのです。ジェラルド・コセ―「Preparing a place for the Lord

2.神にささげる最も神聖な礼拝の場所

古代の人々が信仰を持って建てた、ソロモン神殿に習っているという理由もあります。彼らが良い材料と優れた技術で神殿を建てたことから、主を礼拝することを大切にしていることが分かります。

神殿は、最高の次元の神聖な空間として造られます。聖書に記されている古代のソロモン神殿と同じように、神殿は最良の材料と職人技による建物であり、人々が自分たちの神にささげる供え物として建てられるのです。「Religion and Politics: Getting it Right in 2012

神殿は「地上で最も神聖な場所」とされ、世の中から区別された存在となります。

3.長い年月使えるよう高品質に建てる

高価な材料と高い技術で神殿を建てることは、主への捧げものとなると同時に、神殿が何百年も持つようにする目的でもあります。

末日聖徒イエス・キリスト教会の各神殿は主の家です。そして各神殿は、高品質の材料と厳格な建設基準のおかげで、長い年月にわたって使えるように建てられた美しい建物です。(訳:信仰プラス)The Process of Building a Temple

ナイロビ神殿に集うアフリカの末日聖徒イエス・キリスト教会の会員たち
ナイロビ神殿 Jeffrey D. Allred撮影 Deseret Newsより

なぜ1つの国に複数建てるのか

神殿は1つの国に1つずつ、という訳ではありません。日本も5つ目の神殿を建設しようとしています。

これには、現実的な理由があると言ってもいいでしょう。神殿はたまに行く観光名所ではなく、教会員が礼拝や奉仕で繰り返し訪れる場所なのです。距離が遠ければ神殿に入る頻度は落ちます。

日本に5つ目の神殿が建設されることで、多くの教会員は神殿に3~4時間以内に神殿に行けるようになります。そしてこのようなメリットもあります。

  • 移動時間・交通費・宿泊費・休暇の負担が減る
  • 高齢者や子育て中など、長距離移動が難しい人にも機会が広がる
  • 地域の成長に合わせて礼拝の機会を確保できる

神殿に行くことは、その人の信仰の現れでもありますが、国を超えて、また多くの犠牲を払って神殿に行くことを望んでいる教会員が世界中にたくさんいることを知ってください。

神殿の数が増えることで、教会員にとって神殿がもっと身近になります。神殿の祝福を受けやすくなります。

神殿で受ける儀式の一つであるエンダウメントは、「高い所からの力を受ける」と言われており、天から力が与えられると信じています。決断、問題、落胆など人生に訪れるさまざな場面で、力強く確かな導きを受けることが、神殿でできるのです。

何より、神殿はこの教会の教義の一つで、永遠の家族になるためには必要不可欠です。

そして永遠の家族は、定期的な神殿参入の祝福の一つです。定期的に、そして頻繁に神殿にはいることで、神様の望む愛ある家族のあり方を思い出すことができます。

末日聖徒イエス・キリスト教会の教義は、家族を中心としています。家族に関する教義に不可欠なのが、神殿です。神殿で受ける儀式は、わたしたちが永遠の家族として天の御父の御前に戻ることを可能にしてくれます。ダリン・H・オークス

まとめ

神殿を建てる事よりも、もっと困った人への支援にお金を使うように、という考えは、多くの場合弱い立場の人を思う気持ちから出ています。それ自体はとても尊いものです。

しかし、教会は人道支援を忘れずに、わたしたちがこの世で霊的に成長し、正しい選びをし、救われるために神殿を建てています。一人でも多くの人がこの神殿の祝福を得られることを望んでいます。