もうすぐ新年度が始まります。新しい環境や人間関係が始まる人もいるでしょう。新しい出会いの中でも、自分によって誰かが助かったり幸せになったら、それは嬉しいですよね。
人類史上最大のベストセラーと言われている聖書には、キリストを信じていない人も使えて、社会で人の役に立つためにはどうすべきか、ということも書かれてあるんです。
今回は、聖書に記されている、キリストが教える人の役に立つ方法を紹介します。
模範になることを教える聖句
キリストが人の役に立つように、と教えた聖句の1つはこちらです。
あなたがたは、地の塩である。もし塩のききめがなくなったら、何によってその味が取りもどされようか。もはや、なんの役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々にふみつけられるだけである。マタイによる福音書5章13節
日本では海水から作られる海塩が一般的ですが、世界では岩塩がよく使われているそうです。聖書が書かれた地域には、死海や太古に海だった土地もあるので、岩塩が主に使われています。
イエス・キリストがこの地上で生きていた時代も、中東辺りに住んでいた人々にとって岩塩は生活に密着していました。キリストは、当時の人々にとって分かりやすいたとえを使って、教えを説いていたことが分かります。
また、当時の塩の役割は、食物の味付け、保存、また清めの意味がありました。
では、どうやったらわたしたちが「地の塩」として模範的になれるのでしょうか?塩の役割から解説しましょう。
「地の塩」の特徴
キリストがたとえ話に使った岩塩にどんな特徴や役割があるのかを解説します
塩は食べ物に味を付けたり、素材の味を引き立てたりしてくれます。また、漬物や塩漬けにすると、食べ物が腐るのを防ぐために保存料にもなります。
これは日本人にも馴染みがある特徴ですね。
しかし、保存には気を付けなければいけません。
塩は湿度が高くなると、「潮解(ちょうかい)」という現象が起きます。簡単にいうと、空気中の水分を取り込んでベタベタになったり溶けたりするんです。
また、ほかの成分が混ざったりすると、味が落ちてしまいます。
そもそも塩は本来の役割を果たせないと、ただのゴミとなってしまいます。
ほかにも、旧約聖書にはモーセの律法で動物に犠牲を捧げる時、供え物に塩を添えていたと書かれてあります。レビ記2章13節
日本でも家を清めるために塩を盛ったり、お葬式の後にお清め塩をもらったりしますよね。
食べ物の味付けや保存に限らず、旧約の時代も儀式などのお清めとして使っていたんですね。
地の塩になるための完璧な模範「キリスト」
キリストは、どうすれば人の役に立つことができるかを教えただけではなく、自分自身の行いでわたしたちのお手本となりました。大まかですがキリストの6つのお手本を紹介します。
儀式のお手本
バプテスマなど人々が救われるのに必要な儀式を自分でもお手本として受けました。またもちろん必要な儀式を人々にもされました。
福音を伝えるお手本
イエスは約3年間、人々に福音を教えて神様のことについて証ししました。
人を助けて仕えるお手本
奇跡を行い、病人を癒す儀式もしました。目の不自由な人は見えるようになったり、耳の不自由な人は聞こえるようになったり、足の不自由な人は飛び上がって歩いて、死者はよみがえりました。
戒めを守って成長するお手本
神様の戒めを忠実に守って、地上での生涯でいろんな特質を身につけました。
正しいことを行うお手本
御霊の導きに従って、誘惑に打ち勝ちました。またふさわしさを保ち続けました。
人の苦しみを理解し、やるべきことを行うお手本
人々を肉体の死と罪から贖うために、苦しみを経験し、十字架に掛かって亡くなりました。亡くなってから3日目の朝にキリストは復活しました。
キリストがたとえた「地の塩」の役割と私たちが実際にできること
キリストが示した模範は一見難しいと思うかもしれません。しかし、わたしたちができないことを主は命じられません。
「地の塩」となって人の役に立つために、キリストが教えた塩の役割とその象徴を一緒に考えていきましょう。
味付け
塩によって食べ物のおいしさが引き立つように、わたしたちによって周りの人を引き立てることができます。
- 仕事や勉強を手伝う
- その人の良い部分を見つけて本人や周りの人に伝える
- 他人であっても困っている人を助ける
- 程よい塩加減を目指して助け過ぎず、自立を促す
- 学校、職場など社会で自分の才能を活かす
保存料
もしかしたら保存料としての役割は自分では気付きづらいかもしれません。しかし、上記に挙げた人の役に立つ方法の例を行うことで、きっとあなたの行いを見た人や受けた人は良い気持ちを感じるでしょう。
もしかしたら、自分もあんな風にやってみようと思うかもしれません。これは人に良い影響を与えているのではないでしょうか?そしてこの連鎖が社会をより良くして「保存料」的な役割になるのだと思います。
清める
周りや社会を清めることも実はとても簡単にできます。
- 地域の清掃に参加したり普段使う道のゴミ拾いをする
- 公共の設備を大切に扱う
- 友達や家族の悩みや愚痴を聞く
- 元気が出たり前向きになるような言葉を使う
自分の状態を保つ
塩はずさんに扱うと溶けたり味が落ちます。日本に出回っている海塩も湿気で固まってしまったら使いづらくなります。なので、いつも自分自身を良い状態に保つ必要があります。
- 心身ともに健康を保つ
- 新しい知識を付けたり、技術を学んだりする
- 福音を学んで良い教えを身に付ける
- キリストの模範に従って、必要な儀式を受ける
- 祈る
こうやって書き出してみると、そんなに難しいことじゃないと思いませんか?忙しくても「地の塩」としていられるように、神への信仰では「他人と自分のための30日分の1日1善のリスト」を作ってみました。良かったら参考にしてみてください。
番外編
- 日曜日に教会へ行く
- 無料英会話に参加する
- 前向きになれる投稿を自分のSNSに上げる
「地の塩」としての模範
「地の塩」と聞いてわたしが一番に思い出すのが、ある1人の女性です。彼女はいつも誰かに寄り添い、誰かの悪いことを絶対に言いません。
愚痴や悩みも言葉を選んでいます。もしかしたら気を使っているのかもしれませんが、彼女と一緒にいると、自分ももっと人に優しく、また良い言葉を選ぼうと思います。
そして、わたしはその女性のマネをした時期があります。相手の気分が損なわれないように気を付けて言葉を選んだり、自分のことよりも困っている人のことを優先したりしました。慣れないことをして疲れることもありましたが、心にはいつも良い気持ちが残りました。
自分の心と体の健康状態で、ときどきうまく言葉を選べなかったり、人のことよりも自分のことを優先にすることがわたしには時々あります。
しかし、失敗は次へ活かして、自分のことを優先にしたとしても、また元気になったら誰かを助けたらいい、と思うようにしています。
キリストが教えを説いた「地の塩」のように、1人1人が人の役に立つようにすることで、お互いに助け合うことが、もっと簡単になるかもしれません。
ラッセル・M・ネルソン大管長は、2020年から始まった世界的なパンデミックの経験から人と人との関係についてこのように言いました。
最近のパンデミックは、基本的に同時期に世界中に感染が拡大するという点で、類を見ないものでした。人によって苦難の大小が異なる一方で、だれもが何らかのチャレンジを受けてきました。そのため、共通の試練には、これまで以上に、神の子供たち全体を助けるという可能性があるのです。そこで聞きますが、この共通の試練により、あなたはお隣やお向かいに住んでいる人、あるいは世界中にいる兄弟姉妹とより近い関係になりませんでしたか?
それについて、二つの偉大な戒めが導きとなります。第一に、神を愛すること、そして第二に、隣人を愛することです。奉仕によって愛を表すのです。
孤独な人がいたら、たとえ自分も孤独であっても、手を差し伸べてください。理由やメッセージや用事は必要ありません。ただあいさつをして、愛を示すだけです。テクノロジーが助けになります。パンデミックがどうあれ、すべての大切な神の子供が、自分は独りでないことを知る必要があるのです。
難しいことをする必要はないのだと思います。ただ今あなたがいる場所の周りにいる人に、優しく、親切に、愛を示すことがポイントなのです。
きっと自分だけが幸せになることはできないと思います。誰かを助けて、一緒に喜びを分かち合う時に人は幸せを感じるのではないでしょうか。
まとめ
聖書に書かれてあるように、「地の塩」として人の役に立つためにどうしたらいいかをいくつか提案しました。
もしかしたらこれを読んでいる時に、いつも誰かを助けているあなたの知人を思い出したかもしれません。その人にはキリストの特質がありますね。
これからどんなことをして人の役に立ちたいと思いますか?ぜひコメントで教えてください。