旧約聖書を読んでいると、神殿についての話が出てきます。しかも1度だけじゃないですね。最初は布を張って作った幕屋でした(出エジプト記25章)。紀元前10世紀ごろ建てられたソロモン神殿は、とっても立派で美しい建物だったように書かれています。(列王記上第6章)
では、現在の人々には神殿は必要ないのでしょうか?神殿ってただの歴史的建造物ではありません。今も儀式が行われていて、イエス・キリストを近く感じる現代の神殿が世界中にあるんです。
神殿とは
神殿は、ヘブライ語で「神の住まわれるところ」という意味があります。旧約聖書には、このように書かれています。
「また、彼にわたしのために聖所を造らせなさい。わたしが彼らのうちに住むためである。」
(出エジプト記25章8節)
神様に命じられて人々が作った最初の聖所は、布で作り移動式の神殿でした。
神殿は人々が神様に近づくために、神聖な儀式に参加し、主に従う決意を深めるために行く場所です。末日聖徒イエス・キリスト教会では、神に命じられた通り、今も神殿を建て、神殿に行きます。
「わたしの聖なる名のために〔神殿を〕建てるようにとわたしの民に常に命じられる」と語られました(教義と聖約124章39-40節)。
末日聖徒イエス・キリスト教会が神殿を建てる理由
末日聖徒イエス・キリスト教会の神殿は、現在建設中や建設予定も含めると、世界中に282あります(2022年6月現在)。教会員でない方が見ても、大変美しい建物であるという声も聞きます。
日本には、東京、福岡、札幌に3つ、そして沖縄にもう1つ建設中です。
ただ、神殿には誰でも入れるというわけではありません。教会員でさえも、神殿に入るのが相応しいと証明された推薦状を持っていることが必要です。
神殿の中では、生きている人と亡くなった人のための儀式が行われています。それは、人類すべてが神様の御元に戻れるようにするためです。
世界中の人が、自分と自分の先祖のために大切な儀式を受けることができるようにするために、神殿は建てられています。
神殿の中では、人種や役職など関係ありません。みんな真っ白な服を着ます。これはわたしたちが同じ神様の子供として互いに仕え儀式を受けるからです。
教会指導者の一人、和田貴志長老は、「世界にたくさん、また1つの国にいくつもの神殿が存在するのは、主がわたしたちに神殿に定期的に行ってほしいと望んでいらっしゃるから」と話しました。(神への信仰インタビュー2022年5月31日)
神殿は神聖で大切な場所と教会員は信じています。それは神聖な儀式が行われているからですが、神殿の存在でわたしたちが聖く正しくあることができるとも信じているからです。
ゲーリー・E・スティーブンソン長老の息子さんたちがまだ幼かったころ、当時住んでいた街では遠くからも神殿が見える場所があったため、このように言ったそうです。
「神殿が見えている間は迷子にはならないよ。」
神殿は、わたしたちが神の御元に戻れるように、迷子とならない目印となります。
もっと詳しくお話しましょう。
神殿に行くことはキリストを近くに感じることを助ける
神殿が神様の御元に戻る目印となるのは、物理的な意味よりも霊的な意味が強いです。神殿の中のもの、絵画や工芸品に限らず儀式もイエス・キリストを象徴しています。
ですから、神殿に入るとキリストを近く感じることができます。キリストの絵も儀式もひとつひとつの意味をよく考えて、理解できるようにと祈りの気持ちを持って行くなら、さらにキリストの存在と愛を感じることができるでしょう。
「神殿で学ぶすべてのことは、イエス・キリストについてもっと理解できるよう助けてくれます。」
神様とキリストの愛や役割について、神殿の中で学ぶことはとても大きな祝福です。そしてそこで感じる幸せな気持ちは、神殿の外ではなかなか経験するのは難しいかもしれません。
しかし定期的に神殿に行くようにしたり、神殿に入れるふさわしさをいつも身に付けていたら、神様の御元への道を決して迷うことはありません。
神殿が世界中に建てられるのは、人々が迷うことがないように、という理由もあります。
「皆さんも、神殿が見えている間は決して道を見失うことはありません。混乱に満ちた世にあって、神殿は皆さんと皆さんの家族に方向を示してくれます。「暗黒の霧」に巻かれて道を見失わないよう、皆さんを助ける永遠の道標です。神殿は「主の宮」なのです。聖約を交わし、永遠の儀式を行う所です。」ゲーリー・E・スティーブンソン
神殿が助けとなる
わたしが神殿に初めて入った時、まだ10代でした。神殿の玄関から一歩中に入った時、じゅうたんがとてもふかふかしていた印象が強く残っています。中はとても静かできれいでした。最初はすべてが初めてだったので、あとはあまり良く覚えていません。
しかし、その後も何度も神殿に行って、その経験がこれまでのわたしの人生でとても大きな助けになったと感じています。
まず御霊をたくさん感じられます。また、神様を近くに感じます。悩んでいたり決断をしたい時などに神殿へ行くと、何か背中を後押しされるような感覚がわたしはあります。心に平安があり、内側から元気になる感じがします。
1つのパワースポットだと個人的には思っています。
心の充電、初心に戻る、前に踏み出す、このような経験を何度もしてきました。
また、神様の元へ戻るための儀式を受けます。ちなみに、バプテスマはその始まりです。末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は毎週の聖餐に加え、神殿内で受けることができる儀式を受けて、死後に天に戻れるようにふさわしくあろうとします。
ちなみに、神殿内で行われる儀式は生きている人も死者も内容は同じです。自分のために儀式をしたら、亡くなった人のための儀式を受けることができます。
その儀式を受けるたびに毎回新しい発見、気付き、学びがあります。そしてそれはその時の自分に必要なものであることが多いです。
【神殿内で行われている主な儀式】
亡くなった方のための儀式は、生きている人が代わりに行います。身代わりで参加する儀式であっても、ほかの方をお手伝いする時であっても、自分にたくさんの祝福があります。結局神殿の祝福を一番受けることができるのは、神殿に行った自分だという話を聞いたことがあります。
もっと詳しくお話できればいいのですが、神殿の中で行われていることはとっても神聖なので、神殿の外でお話することができません。この約束を守ることは、神殿を主の宮として尊重し大切にしている証です。
ただ、教会のホームぺージや神殿の側のビジターセンターで、神殿とはどんな建物かもう少し詳しく知ることができます。ぜひのぞいてみてください。
神殿の祝福を受けるには
神殿の祝福を受けるためには、まず神殿に行く必要があります。定期的に何度も入るように計画することが勧められています。
距離や金銭の問題で頻繁に神殿に行くことが難しい場合であっても、次回の神殿訪問の計画を立てることが、人生で一度きりの神殿の経験にならないように助けてくれます。もし今神殿に行く計画がなければ、これを機に立ててみてください。
神殿に行くことで、信仰は強くなります。そして、自分がどうあるべきかを知ることができます。自分と神様、イエス・キリストとの関係が強くなります。福音の大切な教えを生活の中で思い出すことができるようになります。
もし、教会員でなかったり推薦状を持っていなくて神殿に入ることができなくても、神殿のロビーには入ることができます。
神殿の庭も散歩できます。先述したビジターセンターもおすすめです。日本なら東京神殿の併設施設にあります。
教会員でなくても特別な気持ちを感じることができるでしょう。
神殿は遠い存在ではありません。皆さんが神殿を知り、神殿に親しみ、神殿に行きたいと望むなら、神殿に行くことができます。
まとめ
現代の神殿は祝福された場所です。イエス・キリストについてよく知ることができます。
ぜひ一度、末日聖徒イエス・キリスト教会の神殿をご自分の目でご覧になってみてください。そして、機会があれば教会員に神殿の話を聞いてみてください。一人でも多くの人が神殿の存在を知って、祝福を受けられることを祈っています。
この記事の感想や、神殿についてもっと知りたい!などはコメント欄までどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=NkG82aJzz54
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