宗教を超えて手を取り合う──末日聖徒イエス・キリスト教会の指導者たちが示す愛と協力の姿
現代社会では宗教の違いがしばしば分断や誤解を生む中、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教会と呼ばれるが正式名称は末日聖徒イエス・キリスト教会)の指導者たちは、他宗教を批判することなく、愛と理解に基づいた交流を通じて、宗教の壁を越える模範を示しています。
ヒンドゥー教の指導者との心の通った対話
2025年6月18日、ソルトレークシティにて、この教会を管理し導く大管長会のメンバーであるオークス管長とアイリング管長は、ヒンドゥー教の精神的指導者であるブラフマヴィハリ・スワミジ師と歴史的な会談を行いました。この出会いには、この教会の十二使徒定員会のベドナー長老とキアロン長老も同席し、共に「愛と平和、人道的支援を通じてすべての神の子どもたちを祝福する」という共通のビジョンを確認しました。

スワミジ師は、イスラム圏における初のヒンドゥー寺院であるアブダビのBAPSヒンドゥー寺院の建設を主導しており、宗教と文化の架け橋として国際的に評価されています。今回の訪問では、教会の施設や文化にも触れ、宗教を超えた友情と尊敬の精神が育まれました。
この会談は、形式的な交流にとどまらず、深い信頼と兄弟愛に基づく対話として、宗教間の平和と協力の可能性を示すものとなりました。
First Presidency Meets With Hindu Spiritual Leader in Salt Lake City より
カトリックとの共同奉仕──フィリピンでの象徴的な協力

また同年6月、フィリピンのマカティ市において、末日聖徒イエス・キリスト教会は、カトリックの神学校 Holy Apostles Senior Seminary の体育館改修のために多額の寄付を行い、教派を超えた共同プロジェクトが実現しました。
開所式では、マニラ大司教ホセ・アドビンクラ枢機卿と、末日聖徒イエス・キリスト教会のフィリピン地区を担当するスティーブン・バンガーター長老がバスケットボールを手に記念撮影し、喜びを共有しました。二人の姿は、宗教の違いではなく、共通の人間性と愛によって結ばれていることを象徴しています。
このような宗教間の協力は、カトリックが国民の85%以上を占めるフィリピンで、他宗教の存在と善意が注目される貴重な機会となりました。
Dialogue at work: Mormons help renovate Catholic seminary gym in Philippines より
宗教を壁ではなく橋に
末日聖徒イエス・キリスト教会の指導者たちは、「信仰は行動に表れる」という理念のもと、他宗教を否定することなく、協力と奉仕を通じて真の信仰を実践しています。新ローマ教皇のレオ14世を含む世界中の宗教指導者たちが「兄弟愛こそが人類の未来を築く鍵」と呼びかけており、この教会の取り組みはその精神を体現しています。
信仰の違いを理由に批判するのではなく、互いの中に神様の子としての素質を見いだし、共に手を取り合うこと、それこそが現代に求められている宗教の役割ではないでしょうか。
すべての人に思いやりと敬意を示すよう、 あらゆる地の教会員に勧めます。わたしたちの住む世界は多様性に満ちています。わたしたちと信条を異にする人々に敬意を示す必要があります。
トーマス・S・モンソン
神が御自分の驚くべき偉大な業を成し遂げるために用いておられるのは、 一つだけの民ではありません。末日聖徒だけで行うことはできません。いずれの民であれ、 一つの民にはとうてい不可能な、 あまりにも広大で困難な業です。
オルソン・F・ホイットニー(末日聖徒イエス・キリスト教会の初期の使徒)
わたしたちはすべての人に愛と善を行う必要があります。また、あらゆるコミュニケーションの場面で争いを避け、平和をつくり出す人になる必要があります。これは自分の原則や優先順位を妥協するのでなく、他人の原則や優先順位を厳しく攻撃するのをやめることを意味します。これは、わたしたちの完璧な模範である主が奉仕の業において行われたことです。それこそが、主がわたしたちに従うように招かれた模範なのです。
ダリン・H・オークス
小さな交流が大きな変化を生み出します。ソルトレークシティとマカティでの出来事は、まさにその証です。そしてこのような交流はこれまでにも多く行われています。どうぞ宗教間の違いが、互いを補い合い世界平和を築くパーツとなりますように。宗教が誰かを不幸にするものでありませんように、と祈ります。