近年春が近づくと、お店やテーマパークなどのイベントで「イースター」という言葉をよく耳にすると思います。イースターとは何でしょうか? 日本人にどのような関係があるのでしょうか?
イースターバニーとイースターエッグの象徴
イースターとは、イエス・キリストの復活を祝うキリスト教の祝日のことで、復活祭ともいいます。ゲルマン神話の春の女神「エオストレ(Eostre)」が語源と言われています。(諸説あり)
イースターと聞くと、かわいいウサギや、カラフルなデコゆで卵を思い出す方もいることでしょう。これらにも意味があります。
ウサギはたくさん子供を産むことから、命のシンボルや新しい命を表します。また、実り豊かという意味もあります。
卵はもともとユダヤ教の春のお祭り(過ぎ越しの祭り)の時に、ゆで卵を食べていたことが関係しているようです。ゆで卵は殻をむいて食べるので、それが復活を象徴します。
ウサギはイースターバニーと呼ばれるようになり、いつしかイースターバニーが子供たちにカラフルなイースターエッグやチョコレートなどをプレゼントしてくれるというイベントとなりました。今では、日本でもおなじみとなりましたね。
しかし、イースター(復活祭)はおしゃれで楽しいイベントで終わらせられないほど、とっても意義深いのです。
復活
イエス・キリストは、十字架に張りつけられ亡くなりました。その後、イエスの体は墓に葬られましたが、3日後に確かに復活されました。
亡くなった人が復活するということは、簡単に想像ができず、まさに奇跡です。一般的に、身近に起きることではありません。しかし、死はどうでしょうか。すべての人がいつか死を迎えるということは、誰もが知っています。
新約聖書の中に、「アダムにあってすべての人が死んでいるのと同じように、キリストにあってすべての人が生かされるのである。」(コリント人への第一の手紙15章22節)とあります。すべての人が死ぬように、キリストの復活によってすべての人が復活することができるようになりました。
キリストより昔に存在していた人も、キリストの復活からずっと後に生まれた人もです。
どういう原理でこれが行われるのかは誰にも分かりません。それは、詳しく原理を知らなくても、スマートフォンを使って、電話、インターネット、動画編集まであらゆることができることと同じように思えます。
復活についてよく分からなくても、すべての人が復活することができるのです。キリスト教徒でなくても、人種に関わらずに、です。
復活の状態とは
人は死ぬと、体が動かなくなります。体から霊が離れるからです。復活によって体は完全な状態になり、霊と完全な体が再び一つになります。
モルモン書には次のようにあります。
「この復活は、老いた人にも若い人にも、束縛された人にも自由な人にも、男にも女にも、悪人にも義人にも、すべての人に与えられる。そして、髪の毛一筋さえも失われることはなく、すべてのものが今あるような、その完全な作りに、すなわち体に回復される。」(アルマ書11章44節)
また、復活は体だけでなく、生きている間に得た知識をそのまま保つことができるのです。(アルマ書11章43節)
日本では、亡くなった人の体は火葬します。なので、復活について考えるとさらに混乱するかもしれません。
しかし土葬される国でも、亡くなった人の体は生きていたころといつまでも同じではありません。キリストが復活されたことによって、朽ちた体も完全な形となることができます。
希望となる復活
誰もが復活するという事実は、希望を与えてくれます。病気や事故などによって苦しみ、体が不自由となったり、大切な人との死別など、誰もがなんらかの辛い経験をします。
しかし、復活すると、わたしたちの体はその苦しみから解放され、大切な人と復活した体で再び会うことができるようになります。
ダリン・H・オークス管長は次のように話しました。
「復活への確信はわたしたちに力と広い視野を与え、わたしたち自身や家族が先天的、後天的を問わず抱える肉体的、精神的、情緒的障害などのこの世での試練に耐える力を与えてくれます。そうした障害は復活までのほんの一時的なものであることが分るからです。…復活には家族と、つまり夫や妻、両親、兄弟姉妹、子ども、孫とともに生活する可能性が含まれています。このことを確信すると、この世で家族についての責任を果たしていく大きな励みになります。それは、この世にあっては愛のうちにともに暮らし、後の世にあっては喜びの再会と結びつきを待ち望むことができるからです。」
復活について知っていることで、死に対しての不安や恐れを和らげるだけでなく、遠い未来に対しても希望を抱くことができます。
イースターを身近に感じるために
復活について知識がついても、やはりピンと来ないこともあるかと思います。
そんな時は、もし自分が復活したら、と想像してみてください。自分の体が完全になるということ、亡くなった先祖に会えるかもしれないということ、ただ会うだけじゃなく握手をしたりハグすることができるということ、です。
さらに、大切な友人や家族、子供たち、孫やその子供たちとも再会することができる、ということもです。それができるのはイエス・キリストが2000年以上前に復活したからです。
もし、自分もキリストの復活の祝福を受けられるなら、と想像したら、少し身近に感じられるのではないでしょうか。
また、イースターの日に、意識をして卵料理を食べたり、ゆで卵を食紅で染めたりシールやクレヨンなどでデコレーションしたりしてもいいかもしれません。
今年のイースターは、そんな楽しい活動をしながら、イエス・キリストの復活について思い出して考えてみませんか。
「家族向け:キリストを中心としたイースターグッズや活動のアイディア7つ」もおススメです!
この記事を読んで、感じたことや、ほかにキリストの復活について思い出す楽しい活動のアイディアがありましたら、コメント欄に残してください。