日本人のモルモン教の会員(末日聖徒)が宣教師として召され日本で伝道するとき、彼らはアメリカ合衆国ユタ州プロボにある宣教師訓練センターというところに来て、福音を学び、宣教師として福音を宣べ伝える訓練を受けます。彼らはここでどのような生活を送っているのでしょうか?
日本に来るまでの宣教師たちの2週間
時々スケジュールが変わることがありますが、日本人の宣教師が宣教師訓練センターへ出発するのは月曜日です。地方空港から成田空港へ向かい、そこからシアトルかポートランドを経由してソルトレーク空港に着きます。空港からはシャトルに乗り、宣教師訓練センターのあるプロボへ向かいます。
宣教師訓練センターに着いたらフロントデスクでチェックインをします。その時に名札と一時的な寮の寝室の鍵、そしてブルーカードを渡されます。開いていればインターナショナル・オフィスで、そうでなければフロントデスクのスタッフが必要最低限なことを教えてくれます。普段であれば到着がちょうど夕食どきになるため、カフェテリアに行って食事をし、そして荷物を持って寝室に向かいます。ほとんどの人の場合、旅の疲れでゆっくりと寝る宣教師が多いのですが、早く寝すぎてしまうのと時差ぼけで、変な時間に目が覚めてしまう宣教師もしばしばいます。
アメリカ出身の宣教師は基本的に水曜日の午前中に到着するため、それまではインターナショナル・オフィスの宣教師や、その他宣教師訓練センターで奉仕をしている宣教師から福音について学んだり、予防接種や体調の確認、生活の変化に対応することなどの話を聞きます。全部英語で行われますが、多くの場合、日本語の通訳者が同席してくれます。
水曜日には全ての新しい宣教師が到着するため、残りの期間を過ごす寝室の鍵が渡され、同僚が発表されます。訓練センターにいる間に福音の指導をしてくださる先生の紹介もあります。この日から少し授業が始まり、基本的には1日に4時間から6時間くらいの授業時間があります。
宣教師の1日のスケジュールは、先生から教わる授業、個人や同僚との勉強時間、食事、運動の時間など細かく決められています。宣教師は毎朝6時半に起き、毎晩10時半に就寝します。日によっては、TRCと言って模擬レッスンのようなものがあります。宣教師は毎日、同僚と一致して御霊によって求道者にレッスンを教えられるように準備をしています。
到着した週の木曜日の夜には、日本語支部の支部会長会・姉妹とのオリエンテーションがあり、自己紹介、宣教師訓練センターでの標準、宣教師の目的、従順などについて話し合いがあります。この時に支部会長会の一人と短い面接があり、体調は大丈夫か、宣教師として按手されているか、アレルギーはないか、などの確認が行われます。この日にディストリクトリーダーのアサイメントも告げられます。基本的にはディストリクト内の長老の一人がこのアサイメントを受けます。
次の日の金曜日、他の国から来た宣教師とともにソルトレークにあるテンプルスクエアに行きます。朝5時45分にカフェテリアに集まり、朝食をとって朝6時15分に宣教師訓練センターを出発します。テンプルスクエアに行くまでに、インターナショナルオフィスの宣教師の誰かが簡単なツアーと教会歴史について教えてくれます。テンプルスクエアに着くと、すぐにソルトレーク神殿に行き、エンダウメントのセッションに入ります。その後、テンプルスクエアで奉仕している姉妹宣教師たちがツアーをしてくれます。テンプルスクエアを出発して次にはヒューマニタリアン・センターへと向かいます。そこでツアーがあり、30分ほど奉仕をする機会があります。そして宣教師訓練センターへ戻ります。
日曜日は普段のスケジュールとは少し違います。個人や同僚との学習時間はありますが、この日はディストリクトミーティング、神権会、扶助協会、面接などが行われます。聖餐会では、お話の直前に宣教師のうち誰が話すのかというアサイメントを与えられるため、宣教師はみんな短い証をする準備を事前にします。聖餐会の時の宣教師の音楽の発表も時々あります。支部長会は日本人の宣教師の歌声が好きなので、音楽が好きであればぜひ歌の発表をできるようにしておいたらいいのではないでしょうか。支部会長のお気に入りは「見出そうMy Friend」、「シオンの娘、ニーファイのようにEFYメドレー」、「信じ進まん」です。日曜日の夜にはファイアサイドがあります。
海外から来た宣教師は、到着した週の日曜日までに自宅に電話をするように言われます。それは無事に着いたことを連絡するためです。与えられる時間はたったの二分だけですが、海外から来た宣教師に与えられた特権です。日本はアメリカよりも16時間(夏期は15時間)早いので、日本人の宣教師は、ユタ時間の金曜日か土曜日の午後4時頃日本に電話をかけると、日本は次の日の午前7時から午前8時で、家族がまだ家にいて丁度いいかもしれません。
日本人の宣教師は滞在中に2度火曜日があります。火曜日は宣教師にとって特別な日です。夜にディボーショナルがあり、教会の幹部が訪れ、宣教師に向けてお話をしてくださいます。普段は70人の中から来ますが、運がいいと十二使徒が来ることもあります。日本では滅多にない機会ですね。
そして出発する前の金曜日にはインフィールドトレーニングというのが一日中行われます。これは、伝道地に着いてから行われるトレーニングの準備のようなミーティングです。一日中で疲れてしまいますが、とても多くのことを学ぶことができます。
出発はほとんどの場合が月曜日か火曜日の早朝になります。前日にしっかり荷造りをし、予定通りの夜10時半に就寝するようにしましょう。従順は鍵です。
「まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは、ラッパの音のように喜びの声を上げてわたしの福音を告げ知らせるために、世から選び出された。…あなたがたはわたしの選民を集めるために召されている。わたしの選民がわたしの声を聴き、その心をかたくなにしないからである。」(教義と聖約29章4節と7節)
宣教師としての召しは例え宣教師訓練センターであっても簡単ではありません。しかし従順に勤勉に行うときに、自分が何者であるかを理解し、主の僕としての召しを尊く全うすることができます。
あなたは専任宣教師として神様から預言者を通して選ばれました。そしてあなたの行く伝道地は、世界中に何百とある伝道部の中であなたにとって最善の土地であるのです。あなた自身がイエス・キリストの代表者であることを自覚し、従順になり、そして誠心誠意働く時に、主の御霊があなたに宿り、宣教師として成功します。神様から召しが与えられるということは、神様はあなたを信頼し、この業を全うできることを知っているのです。神様に頼り、素晴らしい伝道活動を行ってください。
この記事は福井敏敬によって書かれました。
Trackbacks/Pingbacks