教会ではグループに教える機会が頻繁にあります。あなたが教師である場合、あなたのクラスは参加者が安全と感じ、意見を発言しやすい環境になっていますか?そのミーティングの目的をよく理解できるようにするために、教師(ファシリテーター)はどのようなことに気を付けて準備したらいいか、またそのミーティングの上手な進め方を紹介します。
効果的なファシリテーターは積極的な聞き手であり、奥深い質問をしつつ命題をはっきりさせます。効果的なファシリテーターの働きは、グループがより協力し、多くのことを達成するという結果をもたらします。本当に素晴らしいファシリテーターは常に正しい手段と戦略を備え、もともと求められている標準を超越させるほどの力をグループに与えます。その結果として、素晴らしいファシリテーターはグループに即時に目に見える進歩を作り上げ、長期的な影響力を与えます。( Robyn Rickenbach, 2018)
良いファシリテーターの例(以下のことに長けている)
- 話し合いを活気づける
- アイデアを出す
- 好奇心や興奮を抱かせる
- 話し合いを生み出す
- 受け身と中立性を区別する
- 結果を生み出す
- とにかく話を聞く(Danny Bekett Jr., 2011)
良いファシリテーターになるためのアドバイス
- 前もって準備をする:最低でも一週間前には準備をしましょう。有能なファシリテーターの多くは、実際のレッスンの時間よりも3、4倍の時間を準備に費やします。(Hannah Feldberg-Dubin)
レッスンの内容に目を通す前に、そのレッスンに該当する聖典の部分を読むことによって御霊が導き指導してくれるようにしましょう。週を通して与えられる霊的な印象を書き出しましょう。生徒に読書課題や気になる質問をメールしたり、特定の生徒に前もってある話をまとめて発表するなどの手伝いのお願いをして生徒に積極的に参加してもらいましょう。レッスンを準備する上で、長期的な目標のうちのひとつは、生徒の真の改宗という変化をもたらすことであると覚えておきましょう。
聞く側の立場になり、生徒がしそうな質問を考えましょう。自分が教えるテーマが難しいと感じる時は、そのテーマに関して知識のある人に助けを求めましょう。確実に話し合いをする備えができるようにします。(Danny Bekett Jr., 2011)また、参加者の席順も考慮しましょう。イスは列、又は円に並べるべきでしょうか?円に並べるときは、みなが資格資料が見えるようにしましょう。また後から来た人が円に入れるように対応します。
ホワイトボード、パワーポイント、資格資料、ビデオなどあなたの用意しているレッスンには何が効果的でしょうか?またクラスリーダーを月ごとにアサインして、訪問者の紹介、開閉会のお祈りを決めてもらうこともできます。そうすることで余裕をもって図書館から必要なものを取ってクラスに行くことができたり、パワーポイントのセットアップなどをすることができます。ホワイトボードにレッスンで使う質問を書き連ねることで、参加者がそれに対して考え出せるようにすることもできます。
- ミーティングの構造を定義する:生徒にレッスンの学習目的を伝え、理解してもらいましょう。参加者全員がグループとしてどんな結果を目指しているのか知るために意見を一致させることは必須です。ミーティングを効果的に進めたいならば、100%明確である必要があります。参加者はレッスンが終了時間を越えて長引くのを嫌い、教師は信頼を失います。(Danny Bekett Jr., 2011)
ファシリテーターは、まとめも含めてレッスンのそれぞれの部分にどのくらい時間を裂くかを決める必要があります。(しかし、良い話し合いができている、又御霊の導きによっては用意した全部のレッスンを教える必要はありません。)
きちんと計画した時間通りにレッスンが進んでいるか確認する方法がいくつかあります。時計や携帯を使い、参加者にどのくらいの時間が過ぎているか教えることができます。どんな手法を選ぼうと、レッスン内の活動の終了時間が近づいたら参加者にお知らせをするようにしましょう。声に出してしてもいいですし、カードのようなもの(例えば残り2分、残り1分などと書かれたもの)を用意してもいいでしょう。そうすることで、話し合いの邪魔をしなくて済みます。(Hannah Feldberg-Dubin)
また、ファシリテーターとして、参加者の性格や価値観を理解することは助けになります。参加者について知るための時間を設けましょう。(Danny Bekett Jr., 2011)
- 参加者について知るために:何か今週良いことがあったかなど、彼ら自身についての質問をするのも良いかも知れません。参加者の為に毎日祈り、彼らが必要としていることについて霊感を求めることもできます。
- 雰囲気の測定:集団が集まると普通、集まった部屋で彼らの雰囲気を感じます。それは疲労、無気力、楽しみ、ふざけている、ネガティブ、シャイ、緊張など様々な可能性があります。時折ファシリテーターは、用意した活動を集団の雰囲気に合わせて変更し、あまり活気のないグループが、熱意や楽しみを感じられるように工夫する必要もあります。雰囲気を盛り上げる活動をいくつか用意しておくことで、参加者がより活動的になり、創造的な思考を生み出します。気分が落ち込んでいるときや、疲れているときに本領を発揮できる人はいません。(Hannah Feldberg-Dubin)使用するゲームを実際のレッスンのテーマに関係づけましょう。
- 話し合いを促す質問をする:前もって質問を考えるときに、どんな返答がくるかも考えるようにしましょう。全員が参加できるように、また参加しやすくなるようにしましょう。静かにしている人がいたら、その人に名指しで質問をして意見を聞き、話し合いを進行しましょう。「後ろのこちら側に座っている人たちの意見が必要です」などと言うこともできます。鮮明なイメージを与えるような質問をしましょう。また、回答を受けた後さらに話し合いを深めることができるようなフォローアップの質問も用意しましょう。1人の問題に集中して時間を取られないように注意しましょう。話し合いを円滑に進めるのがファシリテーターの役割です。個人的な問題を持つ人がいたら、彼らの意見を聞いたことを理解してもらいつつ、話し合いを進めなければならないことを説明しましょう。後でまたその話をできると提案しましょう。(Danny Bekett Jr., 2011)
話し合いを促す質問の例:
1. …をしたら何が起こるでしょう?
2. あなたの経験において…
3. …について教えてください。
4. …についてどう思いますか?
5. …についてのあなたの概念は?(Danny Bekett Jr., 2011)
それ以外にも、いつ、なぜ、どこでなどから始まる質問も使えます。聖書の中には4004個のはてなマークが使われています。そのことから、神様は質問をよくされることがわかります。質問を磨くことで、受ける個人の啓示も磨かれます。参加者から質問を受けたら、「良い質問ですね!」などと言って、彼らの質問は価値あるものだと知らせましょう。
- 図やマーカー:ファシリテーター自身もしくはかわりに誰かがこれらを使って話し合いの中で出たアイデアや思い、キーワードなどに関してメモをとるようにしましょう。それは意見を言ってくれた参加者のそのままの概念、思い、キーワードである必要があります。その参加者からの詳しい説明が必要な場合は後ほど聞きます。(Danny Bekett Jr., 2011)
- 活発に耳を傾ける:効果的なミーティングの後は、参加者はみんな足並みを揃えて退出します。ミーティングで話されたことに関して同じ理解で、同じ言語を話すという意味です。それを達成するために、ファシリテーターは参加者すべてに話す機会と、お互いに耳を傾ける機会が与えられるようにする必要があります。その最善の方法は、ファシリテーターの聞き手としての技量を伸ばし、参加者にも同じように努力するよう奨励することです。
活発な聞き手となるために効力のある3つの技術にミラーリング、パラフレージング、トラッキングがあります。
1.ミラーリングとは、話し手の言葉をそっくり繰り返すことです。そうすることで、話し手は自分の言ったことを耳にすることができ、聞き手は両立の立場であることを見せることができ、また、信頼関係が生まれます。ミラーリングでは、あたたかく、受け入れるような話し方で、自分の言葉ではなく、話し手のことばを使うことを覚えておきましょう。
2. 一方で、パラフレージングは話し手と、他の参加者に今の意見が耳に入ったということを見せるためのストレートな方法です。ミラーリングとは違い、パラフレージングでは、「つまり…[相手の意見への自分の解釈]…と言っているようですが、そうですか?」といったように、話し手が言ったことを自分自身の言葉で繰り返します。
3. そして最後に、トラッキングでは、ひとつの話し合いの中で生まれるたくさんの意見をまとめます。異なる観点からの意見をまとめ、それぞれが同じくらい重要な意見だということをわかってもらうためです。(Hannah Feldberg-Dubin)
また「よく聞いてくださいね。」などと言って参加者の注意を引くこともできますね。
- まとめと次のステップの紹介:はじめにミーティングの目的を紹介したように、終わりには達成されたことをまとめ、次のステップや、参加者が次にすべきことを紹介しましょう。これが最も素晴らしい結果をもたらします。(Danny Bekett Jr., 2011)
- 沈黙を利用する:話し合いの中での沈黙は悪いことではありません。声に出しながら考えをまとめる人もいれば、静かに自分の中で考える人もいます。ファシリテーターとしての役割は、レッスン中話し続けることでも、長い物語を話すことでもありません。外交的なファシリテーターは誰かが何か言うまで自分が話し続ける傾向にあります。それが当てはまる人は、意図的に他の人に話す機会が与えられるように注意をしましょう。ファシリテーターの役割は、参加者に話をしてもらうことによって話し合いの場を設けることです。沈黙が何分か続くときは、「なぜ沈黙が起こっているのか説明してください」と参加者に聞いてみましょう。それから、参加者に話してもらうか、沈黙を続けましょう。沈黙の理由は、参加者が質問を理解していないからかもしれません。少し間を置いて、「質問の意味が分かりますか?」と聞き、また沈黙に戻りましょう。(Danny Bekett Jr., 2011)
その他のヒント:
- 個人の生活について分かち合うと、何週間か後に参加者も同じようにするでしょう。彼らがファシリテーターを信頼できると感じるからです。(Danny Bekett Jr., 2011)
- 教義の原則について教えるときに、御霊は訪れます。参加者が意見を言い、証を分かち合うときにも、御霊が訪れます。
- わたしたちは皆、霊的にはティーンエイジャーのようなものです。神様は、わたしたちが学び、耳を傾ける備えができていれば、教えてくださいます。
結論:
他のするべき価値のあることと同様、効果的なファシリテーターになることは練習が必要です。いい点は、これらの技術は全く持って学ぶことのできるものだということです。それには一歩を踏み出し挑戦することが必要です。参加者グループはそれぞれ異なりますが、ファシリテーターがこれらの技術を身につけようと努力するときに、対応するグループにとって何が最も効果的なのかわかるようになります。(Hannah Feldberg-Dubin)
文献一覧:
6 Tips For Being A Good Facilitator
Are You an Effective Facilitator?
Top 11 Skills of an Effective Facilitator – The Design Gym