夏休みですね。子育て中のわたしは、毎年お昼ご飯の用意と、繰り返される子どもたちの兄弟げんかと、終わりの見えない宿題で頭を悩ませていました。「夏休み早く終われ!!」と思いながらおよそ40日を過ごしていました。しかし今年はちょっと気持ちが違います。同じく子育て中の友人が彼女のSNSに、「地獄の夏休みとなるか楽しい夏休みとなるかはママ次第」と投稿し、それにハッとさせられました。それと同時に思い出したのが、相田みつをさんの「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」という言葉です。自分次第で目の前の状況が楽しく変わる、ということに気が付きました。
「今しかない」を楽しむ
ほかの友人は、夏休み前に、「夏休みが楽しみで仕方がない」という人と出会ったそうです。その人もお子さんがいて、「夏休みは普段過ごせない時間を一緒に楽しむことができる」と、とっても嬉しそうに話されたそうです。その話を聞いて、友人は考え方が180度変わったと言っていました。彼女は「今しか楽しめない時間を一緒に楽しまなきゃ大損だ!!」と思ったようです。まさしく、今年の夏休みは今しかありません。家族や友人など大切な人と過ごせる貴重な時間にもなります。そんな時間を苦と思って過ごすか、何か楽しいこととつなげて過ごすかで、まったく違ってくるかと思います。悩んでも楽しんでも同じ時間なら、楽しくなるように考え方を変えて、今しかない時間を楽しみます。すると苦痛ではなく幸せをたくさん感じられるようになるかもしれません。
早めに取り組む
小学4年生の息子にとって、夏休みはまさに地獄と隣り合わせでした。宿題が彼にとって大きな壁となっていたからです。去年も「夏休み、宿題がなければいいのに」とずっと言っていました。宿題が嫌で嫌で、去年は漢字ドリルを開いて、鉛筆を持ったまま1時間くらい空を眺めていたり、漢字5文字の練習に2時間近くかかっていたり。しかし今年の彼は違います。タイマーを使って時間を計り、その間は宿題をすること、宿題は朝のうちにやってしまえば、残りの1日は思いっきり遊べることに気づいたようで、去年よりも多い宿題は順調に進んで行きました。先日息子は「嫌なことはさっさと終わらせたら、あとは楽しいばかりだね」としみじみ言っていました。嫌だからこそ早めに取り組んでさっさと終わらせる方法を、息子は自分で見つけたようです。そして、やり遂げた後にある達成感を知ったようです。
目標を立てて充実させる
思い返せば、わたしは高校時代に夏休みの部活が苦痛だった時期があります。自分で選んで入った部活なのに、夏休みなのに休みがお盆の3日間と夏休み最後の2日間(宿題のため)しかなく、毎日練習に向かう自転車のペダルがとても重く感じていました。また強豪校との合同合宿もあり、暑い中できつい練習をするのか、と考えるだけで憂うつでした。それを見透かしたのか顧問の先生に、「嫌々練習していても意味がない!!」と言われ、確かに同じ時間練習するなら自分の身になるようにした方が無駄にならない、と気づかされました。それからわたしは練習前に、今日は積極的に動こう、もっと丁寧にやってみよう、などと目標を立てました。最初は思う通りにできず、目標を達成できない日が続きましたが、練習中の充実感は増し、苦痛だった練習が楽しくなりました。そして、そのうち目標を達成できるようになり、夏休みの練習が楽しくなりました。
時間は、自分の感情と関係なく過ぎていきます。苦痛なこともひたすら耐え忍んでいれば、いつか終わることがありますが、今この時はもう二度とありません。そんな貴重な時間を苦痛に耐えながら過ごすより、考え方の転換や順位の決断や目標設定などの工夫で、楽しい時間にすることができるかもしれません。ウークトドルフ長老がある女性の話を紹介してくれました。「人生にはうまくいかないことがいっぱいあるわ。だから,誰だって暗い気持ちになって落ち込むこともある。でもね,物事が思いどおりに行かなくても人生のすばらしいことや驚きに満ちたことに目を向ける人々を知っているけれど,彼らはわたしが知る中で最高に幸せな人たちなのよ。」今年の夏休みに、みなさんが少しでも多くの幸せを見つけて、楽しい時間を過ごせますように願っています。