対立を好む人はほとんどいません。ですから宗教のように対立しそうなテーマは単純に避ける方が簡単ですよね。でもそうすると、そのテーマについて極端な意見を持っている方の手中に入ってしまいます。ですから友人、知人との日々の会話には進んで参加することが大事です。勇気を必要とすることですが、あなたが御霊の助けを求めて、そのテーマについて思いめぐらすとき、御霊は確信を与え、何を言うべきかを教えてくれため、実り多い会話をすることができるようになるでしょう。

御霊の導きを得ると異なる信条についての緊張した会話の中でも、平安と互いを尊重する気持ちを保つことができます。

 

1. まず理解するように努め、裁かない

会話を始める時に「勝つ」ことを考えないようにします。なぜなら相手の意見を理解し、ほんとうにそれに対して真摯に向き合うときにのみ、お互いにプラスの関係になるからです。相手の足を引っ張ろうとするよりも共通する土台を見つけるようにしてください。理解したいという気持ちで質問してください。

ダリン・H・オークス長老は次のように教えました。

「私たちは隣人や知人の言動を見て思い込みで裁くべきではありません。裁きは主がなさることで私たちがすることではありません。地上におられる間、主は姦淫を犯した女性を裁こうとはされませんでした。広い心を持つには私たちも人を裁くことをやめる必要があります。」(「真理と寛容」〔教会教育システムディボーショナル、2011年9月11日〕、speeches.byu.edu)

姦淫の罪を犯した女性を赦すイエス・キリスト

2. 自分が話している相手は神の子であることを覚えておく

決まり文句のように思えるかもしれませんが、これは真理です。天の御父は自分の好きなように信じるというあなたと同じ選択の自由を他の人にも与えられました。人が何を信じようと御父はその人を愛しておられるということを心に留め、私たちも同様に人を愛すべきです。御父のように人を見ることができるように祈り求めるなら、会話というものは人の視点を理解しながら、自分の視点も理解してもらうことだということを忘れないでいられるようになるでしょう。

 

3. 自分の個人的な視点から、自分の信条を静かな声で真摯に伝える

たとえば「意見を言ってくれてありがとう。お互いにもっと理解するために私の意見も言っていい?」と言うことができます。できる限り自分の信条を簡単に、はっきりと、真心から説明してください。なぜそれが自分にとって大事なことなのか、そして自分の愛する人たちにとって大切なのか説明してください。互いに尊敬の気持ちを持つよう求めてください。

ロナルド・A・ラズバンド長老はこのように言いました。

「救い主が難しい質問や試されるような考えにどのように対処したかを思い出してください。主は騒ぎ立てることもせず、相手を尊重し、真理を教えられましたが、決して自分が教えた通りに生きるようには誰にも強制されませんでした。」(「すべての人々への宗教の自由と公平」〔ブリガムヤング大学ディボーショナル、2015年9月15日〕、speeches.byu.edu)

 

4. 自分の信条に忠実でいる

他の人を理解するためのポイントは自分の信条を捨てたり、そこに意見の相違はないふりをしたりすることではありません。イエス・キリストの福音こそ天の御父のもとへ帰るただ一つの道なのです。オークス長老は次のような重要な勧告をしました。

「柔和になり争いを避けるよう努めるときでも、自分たちの理解する真理に向ける献身の度合いを妥協したり、弱めたりすることがあってはなりません。わたしたちの立場や価値観を放棄してはなりません。イエス・キリストの福音やわたしたちが交わした聖約のゆえに、真理と誤りの間で繰り広げられる永遠の戦いにおいて戦士としての役割を果たすことは避けて通れません。この戦いに中立地帯は存在しないのです。」(「違いがあっても周りの人を愛し、受け入れる」2014年10月総大会)

向き合うパリサイ人とイエス

5. 聖霊に頼る

聖霊はあなたをご存じであり、あなたが話している相手もご存じです。聖霊は自分の考えをどのように話すか、また他の人の意見を意義深い、安らかな、静かな方法でどのように理解するか知るために助けてくださいます。聖霊はどのような状況にあってもあなたの話す言葉を相手にふさわしいものとする助けをすることができます。(2ニーファイ32:5)

 

6. 思いやりの心を持って耳を傾け、相手を愛する

何よりも大事なのは親切になることです。キリストのような愛を見せてください。オークス長老が教えたように、

「キリストに従う人々は、礼節の模範となるべきです。わたしたちは全ての人々を愛し、良い聞き手となり、相手の誠実な信念に関心を示すべきです。賛成はできなくても、攻撃的になってはなりません。意見の分かれるテーマについては、争いを引き起こすような態度を執ったり、発言したりするべきではありません。…

わたしたちの立場が優勢でないときも、望ましくない結果を丁重に受け入れ、敵対者に対して礼儀正しく振る舞うべきです。どのようなことが起ころうとも、全ての人に親切な態度である一方で、人種、民族、宗教的信仰あるいは不信仰、性的指向の違いに基づく迫害を含めて、いかなる種類の迫害も拒むべきです。(「違いがあっても周りの人を愛し、受け入れる」2014年10月総大会)

 

7.会話を終える時を知る

もし単純に他の人を理解しようとし、彼らに尊敬の念を伝えるときでも、いつも相手が同じように応対するとは限りません。相手が心を開いて耳を傾ける気持ちがないときは、最良のアプローチは話題を変えるか、その場を立ち去ることかもしれません。しかし友情は保ち、相手があなたの考えをほんとうに理解したいときには、いつでも話せるように備えておいてください。

人々から去るイエス・キリスト

 

この記事はlds.orgに”7Keys to Successful Conversationsの題名で投稿されました。