世の中には、どんなに頑張っていても、自分の力ではどうすることもできない出来事が起きます。これが当てはまると思ったことの1つが、2019年度の大学入試における英語民間試験の活用の延期です。既に来年度の入試を見据えて、準備を始めていた高校生は少なくはないでしょう。自分の力では大きな変化を望めない、絶望的で信じることが難しい困難な状況を乗り越えるために必要となるものの一つに、レジリエンスがあります。
レジリエンスとは
レジリエンスとは「回復力」という意味があり、不運や困難から立ち直る、あるいは容易に適応する能力です。数年前に、NHKの番組でも取り上げられました。その中で、レジリエンスを得るための必要な要素として、以下の5つが挙げられています。
レジリエンスを得るために必要な要素
- 楽観性
起きた困難な状況に対して、「なんとかなる・いつかできる」と思うことができる
- 自己効力感
できていないことではなく、できていることに注目し、自分の成長を認識できる
- 自尊感情
自分はできるという気持ち、自分を信じること
- 感情コントロール
状況に一喜一憂せずに、感情を保つことができる
- 人間関係
人に相談したり、助けを求めることができる
具体的にできること
レジリエンスを育てるために実際にできることは、まずは自分にできることに目を向けることです。そのために、今の自分の状況を客観的に観察します。第三者になったつもりでその状況を見てみると、以下の2つのことについて気づきやすくなるでしょう。1つは、自分自身の改善点を見つけることができます。改善すべきことが分かれば、それを直すために動くことができます。2つ目は、自分に非はないが、他の作用が働いて起こったことに対して、どのように対処すればいいか探しやすくなります。
何年も前に、わたしが派遣社員として働いていた時、上司から厳しい言葉をかけられたことがあります。その時は、どうしてそのようなことを言われているのか分かりませんでした。彼女の感情も混じっていたからだと思います。とても落ち込みましたが、仕事からの帰り道、その上司の言葉を客観的に振り返ってみました。上司がその言葉を言った気持ちを想像したり、第三者になったつもりでその時のわたし自身を見つめてみました。すると、自分にも至らない部分があることに気が付きました。悲しい出来事を冷静に観察できた経験です。
家族や友人の助け
辛いことがあると、塞ぎこんでしまうことがあるかもしれません。しかし、周りの人と関わることで、元気をもらうことがあります。悩みや心配事を誰かに聞いてもらうと心が軽くなります。いいアドバイスをもらえるかもしれません。また、わたしの場合は大切な人とただ一緒に楽しく食事するだけで、辛いことから立ち直る力を得ます。普段からよく周りの人とコミュニケーションを取っていると、自分が苦しい時にとても大きな助けを得やすいことがあります。自分が信じられる人との時間を通して、自分のことも信じることができるようになります。
わたしが上司から厳しい言葉を言われた時、自分にも非があることを分かっても、心が完全に晴れたわけではありませんでした。ですから、同じ職場の人たちに話を聞いてもらいました。すると、わたしと同じような対応をされていた人が何人かいたことが分かりました。その上司の人柄を聞くことができ、彼女は仕事への責任感がとても強いことを知りました。その後、わたしと上司の関係は良くなっていき、わたしが仕事を辞める時、彼女はとてもさみしいと言ってくれたことを覚えています。
気持ちを切り替える
落ち込んでいる時に、「気持ちを切り替えよう!」とアドバイスをもらったことがあるかもしれません。これは、とてもいい方法だと思います。まずは自分の体をいたわってみてください。温かい飲み物や軽い運動でも気持ちはリフレッシュできますし、お風呂に入ったり映画を観たりしてもリラックスできます。寝ることも気持ちを切り替える1つの方法です。気持ちが切り替わると、新たな目標を設定するなどの仕切り直しがしやすくなり、次の行動を起こすことが容易になります。意識することで、切り替えが早くなり、レジリエンスが養われます。
諦めない・自分を信じる
そうして気持ちが切り替わり、新たに目標を設定できたら、あとはその目標と自分を信じて励んでください。絶望の中で何かを信じることは、簡単ではないかもしれません。しかし、リラックスして気持ちを切り替えることで、自分を信じることができる助けになります。もし、すでに多くの時間を使って、準備してきたことが活用されないようなことが起きても、それは無駄にはなりません。準備の段階で得た知識や経験は、自分自身の一部となり、いつか役に立つ時が来るでしょう。来年度の大学入試の民間英語試験のために勉強していたのに、大学入試に活用されなかったとしても、その勉強は決して無駄ではないのです。多くのメディアでも取り上げられていますが、これからの日本社会では、英語は必要不可欠となります。人よりも多く勉強していたとしたら、それを自分自身のアピールポイントとすることができます。どうぞ自分の努力を信じてください。
イエス・キリストの福音には元気になるコツがある
イエス・キリストの福音を知っている人には、レジリエンスが備わっている人が多くいます。それはキリストの教えがレジリエンスを高めてくれるからです。ダミアノ長老は次のように話しています。「イエス・キリストの福音によって強さを得、永遠を見通す人は、未来に元気に立ち向かうことができます。」メディアが取り上げたレジリエンスを高める内容とは少し違うかもしれません。しかし、これはとても大きな力となります。まずは祈りです。祈りによって導きを得ます。心が穏やかになり、次第に確信や自信が溢れます。普段から祈る習慣があると、本当に大変な時に助けを得やすくなります。まるで家族から助けを求めるように、祈りが身近になります。そして、信仰も力となります。神様は乗り越えられない試練を与えられません。必ず方法が備えられています。そのことを信じることで、絶望から希望へと変わります。「元気を出しなさい。わたしがあなたがたを導いて行くからである」という言葉に、絶対的なサポートをもらっている安心感を得ます。この安心感は、自分を信じて行動する原動力となり、逆境から立ち直ることができるようになります。アルマ書にはこのように書かれています。「神に頼る者はだれであろうと,試練や災難や苦難の中にあって支えられ、また終わりの日に高く上げられる。」
自分にできる最大限の努力は、確実に自分自身の実力を高めます。更に、神様を信じて頼るなら、レジリエンスは養われ、逆境が単なる苦しい出来事ではなく、人生を築く大事な経験の1つとなることでしょう。
人生折り返し時期に、
予測もしない出来事を経験しています。
しっかりしないと、倒れてしまいそうな状況を、私は生きています。
そんな状況を乗り越えていくチカラ、レジリエンスの必要性を感じています。
楽観性
自己効力感
自尊感情
感情コントロール
人間関係
上記以外に付け加えたいのは、
客観性です。
この舞台の主人公として、
試練や苦境をしっかり受け止めて、さらに成長した人間になることが、期待されている事だと思うのです。
そのシナリオを作るためには、
客観性、つまり視点を変える事が必要でした。
聖典には、苦境を信仰て生き抜いた記録が、各所に見受けられます。
視点を変えて客観的になる事で、見えなかったパンくずが、私を暗闇から光へ導きました。
私を苦境から引き上げて、その全体像や目的を見せてくれたのです。
レジリエンス、折れない心を持つには、確かに、コツがありますね。
Inamoripapaさん、コメントを下さりありがとうございます。レジリエンスの必要性を身をもって経験してくださっているということも教えてくださりありがとうございます。確かに客観性、大切ですよね。視点を変えることで解決の道が開けたり、置かれている状況を冷静に判断できて対処法が分かったりしますよね。
レジリエンスという特性は、すぐに身につけられるものではありませんが、意識して生活していくことでだんだん自分のものとなるのでしょうね。Inamoripapaさんも、大変な状況から抜け出せたと分かち合ってくださいましたが、その後何か変化などありましたでしょうか?またよかったら教えてくださいね。