『聖書』と『モルモン書』は、どちらもイエス・キリストを証しし、彼の福音を教える聖なる書物です。2冊とも世界中の何百万もの人々に祝福をもたらしてきました。では、それぞれにどんな特徴があるのでしょうか。
どのように書かれたのか?
聖書の最初の5巻(モーセ五書)は、預言者モーセがヘブライ人を導く中で書かれたとされています。その後、イザヤ、ダニエル、マタイ、ヨハネなど、多くの預言者や歴史家によって書き加えられていきました。
似たように、モルモン書はアメリカ大陸にいた預言者たちが、啓示と神聖な霊感によって書き記したものです。それぞれの預言者が、将来の人々のためにイエス・キリストとその福音について証しました。
いつ・どこで書かれたのか?
その大きな違いは、地理的、歴史的背景にあります
聖書は古代中東(イスラエル、エジプト、ギリシャ、ローマなど)で書かれました。天地創造から初期のキリスト教の時代までの、ヘブライ人、ユダヤ人、ローマ人の歴史を描いています。
一方モルモン書は、アメリカ大陸に存在した古代の文明(ニーファイ人、レーマン人、ヤレド人)に関する物語です。復活したイエス・キリストが彼らを訪れた出来事も記録されています。
どのように保存されたのか?
もう一つの重要な違いは、これらの神聖な記録がどのように保存されて受け継がれたのかです。
聖書は羊皮紙やパピルスといった素材に書かれ、何世紀にも渡って多くの人々によって書き写し取られ、異なる歴史的な時期に構成されてきました。長い年月に関わらず、人々の大切な守りと献身によって、今日まで保存されています。
モルモン書は金属の板に刻まれており、約1,000年以上にわたり完全な形で保存されました。最終的にモルモンという預言者が編集・要約し、後に預言者ジョセフ・スミスが神様の力と賜物によって翻訳しました。
それぞれの目的は何か?
聖書とモルモン書もどちらも神聖な目的を持っています。人々がイエス・キリストの元に来て、彼の福音に従い、神様にもっと近づけるように助けることです。
モルモン書は聖書の代わりではなく、また聖書よりも優れていると主張するものでもありません。むしろ、聖書を補う役割があります。これら二つの聖典を合わせて読むことで、救い主の愛、使命、そして教えについて、より深く豊かな理解を得ることができます。
疑問に満ちたこの世の中で、聖書とモルモン書を共に学ぶことは、平安と明確さをもたらし、イエス・キリストへのより強い信仰を育む助けとなります。