末日聖徒イエス・キリスト教会を導く指導者を大管長と呼びます。そして、大管長は神様から召された生ける預言者です。しかし、預言者も人間なのでいつかこの世の生涯が終わり、神様の元に帰ります。

大管長が亡くなると、新しい大管長が召されるまでの間、教会を導くのに必要な神権の鍵は、大管長や大管長会を指示する十二使徒定員会全体にゆだねられ、使徒たちが一致して教会を導きます。

この期間のことを大管長不在期間と呼びます。新しい大管長がまだ召されていないからといって、不安になる必要はありません。

継続する導きと安定

2018年にジェフリー・R・ホランド長老は、デゼレト・ニュースの取材でこう語りました。

どんなに大きな変化の時であっても、が途切れることは決してありません。啓示の導きが欠けることもないのです。

大管長が召されていないからといって、教会の指導は中断されることなく続き、神様の導きは常に働いています。この仕組みが、教会の安定と継続性を支えています。

歴史の中の大管長不在期間

教会の195年の歴史の中で、大管長不在期間は最終的に使徒として奉仕している期間が最も長い人が、次の大管長として召されてきました。

たとえば2018年にトーマス・S・モンソン大管長が亡くなった時には、当時一番長い間使徒として奉仕していたネルソン大管長が、第17代大管長として支持されました。

初期の教会では、この大管長不在期間が長く続いたこともありました。ジョセフ・スミスが殉教してから第2代大管長だったブリガム・ヤングが召されるまでには、3年以上の期間がありました。しかし、その後の時代では数か月、あるいは数週間で再組織が行われるようになりました。

再組織の過程

大管長が亡くなると、大管長会が解散されて十二使徒定員会が集まり、次の2つの質問を祈りをもって検討します。

  1. すぐに大管長会を再組織するべきか?
  2. それとも、しばらくの間は十二使徒定員会が教会を導くべきか?

もし再組織が決定されると、最も在任期間が長い使徒が全員一致のもとで新しい大管長として支持されます。この過程は厳粛な祈りと一致のうちに進められ、霊的な導きのもとで行われます。

十二使徒定員会の役割

大管長不在期間中、教会の指導は十二使徒定員会によって共同で行われます。使徒たちはそれぞれの責任を果たしながら、重要な決定は祈りと話し合いによってなされます。この仕組みは、教会が一人の個人によってではなく、複数の証人によって導かれる組織であることを象徴しています。

これからの歩み

教会員たちはこの期間を通じて、信仰と奉仕の生活を続けるよう勧められています。大管長不在期間は、教会が神様の定めた秩序に従って導かれていることを思い出させてくれる時期でもあります。

十二使徒定員会は一致し、主の導きのもとで教会を前進させる使命に専念しています。新しい大管長が選ばれるその日まで、教会は途切れることのない啓示と導きの中にあるのです。