あらゆるニュースの中から正確で信頼できる情報を見つけることは、教会の教えを学んで真理を見つけることと似ています。聖典に書かれている原則を応用してフェイクニュースを見極め、それを伝えることが教会員としての使命の1つでもあるのです。
真理を見つける努力
末日聖徒イエス・キリスト教会(時にモルモン書があるので誤ってモルモン教と呼ばれる)では、指導者である十二使徒、預言者、そして教会の頭であられるイエス・キリスト御自身から、真理を求めるように命じられています。教会員としての継続的な学びは、わたしたちの信仰にとって欠かせない部分です。真理を知ることが、力と自由を与えてくれるからです。もう一度、どうやって真理を知ることができるのか復習してみましょう。
まず、真理についての聖句といえば、これ。モロナイの偉大な約束!
「聖霊の力によって、あなたがたはすべてのことの真理を知るであろう」(モルモン書のモロナイ書10:5)
教会の指導者であるボイド・K・パッカー会長もこう言いました。
「……主は、わたしたちを促し、導き、教え、戒めるために、わたしたちの思いに純粋な英知を注ぐ方法を御存じです。神の息子、娘は皆、知る必要のあることをすぐに知ることができます。霊感と啓示を受け、それに従って行動できるようになってください。」(「わたしの知っていること」, 2013年4月総大会)
つまり、聖霊のささやきに応えられるよう備え、聖霊に耳を傾けることこそフェイクニュースを見極める最良の道しるべなのです。
もう1つの大切なポイントは、自分で調べたり学ぶ努力をすることです。
「神はあなたがたが善悪をわきまえられるようにしてくださ」ったとあります。(ヒラマン書14:31)
ジョセフ・スミスは若かった時、どの教会に入ればよいかを知るために、自分でいろいろな教会に行き、積極的に学びました。現代の教会員として、わたしたちはジョセフ・スミスのようにたくさんの相異なる意見を耳にしています。その意見の中には真実なものがあるかもしれないので、わたしたちの役割はそれを見つけることです。時にはその真理を独力で見つけることが困難なので、神に尋ねることが必要です。しかし、念頭に置かなければならないことは、ジョセフのように知りたいことについてよく努力して調べることです。全知全能であられる神に、ただ尋ねるのが近道であるというわけではありません。神は、わたしたちが真理探究への努力を払うことを望んでおられます。
フェイクニュースを見極める際によくある具体的な例はというと……「これが正しくないなあ」「これはあり得ないなあ」という印象を受ける時に立ち止り、聖霊に耳を傾けます。。そして、そのことについて他の情報源で確認すると、嫌な予感が当たっていたという経験を多くの教会員がしています。例えば、インターネットで何かを読んであいまいな情報だと思えば、その真偽を文献で調べてみたり、専門家の意見を聞いたりと、いろいろな方法で吟味した上で、その情報が真実であるかどうか祈ることができます。
真理を広める努力
けれども、キリストの教会の会員として、ただ何かを知るだけでは十分ではありません。行動する必要があります。フェイクニュースは悪い影響をもたらす可能性があるので、それに対抗できるように、真理を見つけて伝えることが大切です。これこそ末日聖徒イエス・キリスト教会の1つの目的です。教会には「教義と聖約」という聖典があります。その第75章4節にこうあります。「ラッパの音のようにあなたがたの声を上げ、わたしがあなたがたに与えた啓示と戒めに従って真理を宣言しなさい。」
ですから、末日聖徒イエス・キリスト教会は世界各国に宣教師を派遣しています。宣教師たちは真理を広めるために熱心に働いています。しかし、宣教師だけでなく、普通の教会員にも真理を分かち合う責任があります。真理を学んでからそれを心に留めて、周りの人々に伝えるという責任です。真理を伝えることは、世界中の人々の自由と幸せを維持することに繋がります。希望と喜びをもたらす助けができるのです。
ちなみに、真理は福音でもあります。福音の意味は「良きおとずれ」です。これはフェイクニュースを一掃する最強の武器です。イエスの教えに従うことによって、だれでも真理を識別する方法を身につけることができます。社会の全員がキリストの言葉を聞いて実践したら、高慢などの悪徳はなくなり、愛が人々の心に満ちます。そこに悪意のあるフェイクニュースが広まるはずがありません。
フェイクニュースは嘘の一種
聖典を見ると、わたしたちは隣人に嘘をつかないように言われています。フェイクニュースは嘘の一種です。
前述したジョセフ・スミスはフェイクニュースからの悪影響をまともに経験した人でした。真理を見出したことを公表したために、多くの人から反感と迫害を受けました。
19世紀初頭でのニューヨーク州の片田舎での出来事(神とイエス・キリストがジョセフに御姿を現し、ジョセフがイエスの教会を回復したこと)の後、回復されたイエス・キリストの教会の会員数が急速に増えたことが、反対する人々を恐れさせることになりました。なぜかというと、その反対者たちにとって、ジョセフがその増加しつつある教会員を後ろ盾にして、自分たち教会員の立場、またその政治的な力を拡大するだろうと考えたからです。反対者たちは、ジョセフと教会員のことを自分たちの立場を圧迫する脅威と感じ、自分たちが住む地方から撲滅しようとしました。正に、ジョセフについての間違った情報(フェイクニュース)が噂となって広がった結果です。
ジョセフの話から得られる教訓の1つは、うわさが何のために広められるかと考えることです。残念ながら、世の中には誤解や悪意から、フェイクニュースをわざと広めようとする傾向が絶えることがありません。それにどう対処すればいいのでしょうか。たとえば中傷記事を読んでいる場合、その記事の作者はどの出典を引用しているのか、そしてその作者には隠された意図はあるのか、このようなポイントまで知らなければ、フェイクニュースだと見破ることはできません。要するに、わたしたちがだまされないために費やす研究には終わりがありません。
信頼できる真理を探求することは、この死すべき生涯の目的の1つです。回復された教会の会員として真理を認め、しかも真理を守る責任があります。ですからフェイクニュースに直面する時に、教義と聖約に書いてあるように「熱心に…最良の書物から知恵 を探し求め、研究によって、また信仰よって学問を求め」る必要があります(教義と聖約88:118)。ソーシャルメディアや口コミだけに頼らず、ジョセフ・スミスが模範を示してくれたように、真理を自分でも、また聖霊によっても、求めるのが賢明な方法です。神はそうお望みで、その方法を与えられたからです。
- サム・ボールドウィン(日本語、アイダホ州)
- ディビッド・ベルナップ(運動科学、オクラホマ州)
- ジェーク・ベントリー(神経科学、ユタ州)
- タイラー・エバンズ(神経科学、ワシントン州)
- アンジェラ・グリフィン(言語学、カリフォルニア州)
- エディー・ホール(財政学、ハワイ州)
- ナタナエル・ヘバート(コンピューターサイエンス、ペンシルベニア州)
- レイチェル・マーティン(言語学、アラバマ州)
- トア・オコーナー(心理学、アーカンソー州)
- シドニー・サンズ(脳科学、ユタ州)
- カウア・スプロート(心理学、ハワイ州)
- ジェイコブ・ワイズナント(コンピューターサイエンス、オレゴン州)
- ディラン・ワイズマン(マーケティング、テキサス州)