英語の「科学」という言葉はラテン語の「シエンシア」という知識を表す言葉から来ています。科学の基本的な辞書にある定義は,「物質的、自然的な世界の構造や営みを、観察や実験をして組織的に研究する知的,実践的な活動」となっています。ですから,科学者は観察や実験によって現実の有益なモデルを生み出すように,自然の現象を記述したり説明したりすることによって知識を得るのです。

 

天然ガスそのものについての知識を統合して,ブリガム・ヤング大学(BYU)とスクリップス研究所の化学者たちが,合衆国の現在のエネルギー問題の答えになりうるプロセスを発見しました。観察の実験により,彼らは天然ガスを高品質のアルコール燃料に変える新しい方法を発見したことにより,燃料を石油に依存することを軽減できるのです。

 

「最も予期しない論文上の飛躍は,タリウムや鉛などの普通の『主要グループ』の金属が、天然ガスを液体アルコールに変換することを促すことでした。その研究チームはこの変換が摂氏180度で起こることを発見したのですが,従来『移行金属』触媒では、もっと高い温度(1400−1600度)が必要でした。」 

 

研究者はこの燃料の生産の一つのステップ全体を消去してしまうプロセスの方法と理由を理解するために、異なる分野の科学を使ってそれを可能にしたのです。例えば,BYUの教授のダニエル・エスは科学の理論を使って,穏やかな条件である低い温度で,このプロセスがどう,またなぜ起こるのかを理解しました。「ほとんど誰も天然ガスから得られる純粋な混合物で反応を実際試みる人がいません」とエスは述べて,付け加えます。「天然ガスから来る混合物を直接使って、その3つのものをすべて変換することができると分かったのです。」  エスはまた,この新しいプロセスの潜在的な利益は燃料の製造だけに限られず,天然ガスから由来する他の化学物質,例えばメタノールなどは製造するのに重要なものであるとコメントしています。どのような応用を試みても,その新しいプロセスはエネルギーの使用を減らします。

 

社会科学の領域では,BYUの研究チームはアルツハイマー病を発症する率を高くする作用のある遺伝子の研究を続けています。2009年以来,BYUの研究者は22本の新しいアルツハイマーの危険性を持った遺伝子の研究を共著で発表していて,最近彼らは遺伝子のいくつかの種類は,加齢と共に発病する危険性が倍増する可能性があると発見しています。

 

この研究はミズーリ州のセントルイスにあるワシントン大学の医学部が中心に進めています。結果は2013年12月11号の,科学雑誌「ネイチャー」にオンラインで掲載されました。著者は生物学教授のジョーン・カウイーとペリー・リッジとBYU卒業のミーガン・リアリーです。キャメロン・シュマッツは学部生ですが,この研究の共著者です。

 

賢明な方法を使って珍しい遺伝子組み換えを同定し,研究者たちはアルツハイマーの患者が数名いる家族に注目しました。チームは14家族から数名の個人を選び,その人たちからの遺伝子を順番づけました。それらの人にはアルツハイマーである人も,そうでない人もいます。病気である人とそうでない人のDNAを比較することによって,結局,病人に現れる遺伝子(PLD3)の変種のいくつかを同定しました。研究者たちはそれから,新たに1万1千人の病気の人とそうでない人の混じった集団を研究し,その遺伝子の変種がアルツハイマーを起こす確率を倍増することを突き止めました。 

 

アリソン・ゴウトはワシントン大学の共著者ですが,家族内の遺伝子の変種を研究することにより,その中でどれが実際に病因になっているのかをしぼることができると述べています。一方,もし血のつながっていない人たちをテストする場合,統計的な分析は偏りを生じ,これらのまれにある変種を同定することができないだろうとも述べています。

この研究を完成するために,「研究者たちは全エキソーム順列と呼ばれるプロセスを使って、前にアルツハイマーと関連していた遺伝子の中の変位を同定し,それから他の技術を使って、追加のサンプルの中のこれらの変種を並べたのです。」  その仕事の多くはBYU校内で行なわれ,学部生のキャメロン・シュマッツが5千をこえるDNAのサンプルをテストし,分析しました。

 

「この進歩は非常に速く,将来この病気と闘うための良い徴候になっている」とカウイー博士は語って,また続けて、「新しい遺伝子が直接新しい治療につながるわけではないですが,それが知識の土台を与えてくれ,その上に効果的な予防や治療をうち建てることができます。それぞれの新しい遺伝子はわたしたちに効果を上げるかも知れない治療法に対する新しい知見を与えてくれます。世界中の科学者はこれらの新しい発見によって励まされ,その情報をもとによりよい薬を開発しようとしています」と語りました。

 

追究する余地のある多くの科学分野があります。科学上の事柄を探求するために,それが自然のことであれ,社会科学の領域であれ,科学者がその知識や科学的な手法を応用し続ける時に,もっと多くの飛躍が彼らの演繹的な観察と理論化を通して起こるでしょう。

 

そのほかの資料:

新しい赤外線のテクニックが危険物質を遠隔から検出することを目指しています。

 

まとめ

記事のタイトル:BYUの科学者が驚くべき飛躍を達成する

著者:キース・L・ブラウン

要旨:科学者がその知識や科学的な手法を応用し続ける時に,もっと多くの飛躍が彼らの演繹的な観察と理論化を通して起こるでしょう。

 

この記事はキース・L・ブラウンによって書かれました。彼は末日聖徒イエス・キリスト教会の改宗者で、バプテスト派の家族に生まれ育てられました。LDSの信仰に改宗した時、彼はバプテスト派の牧師になろうとして勉強していました。キースはアイスランドのレイクジャヴィックで1998年3月10日にバプテスマを受けました。そのとき、彼は合衆国の海軍の務めに従事していて、アイスランドのケフラヴィックに駐在していました。現在メリーランド・アナポリスワードの宣教師で、同時にメリーランド・アナポリスステークの広報委員をしています。現在30年の経歴を持つ海軍の名誉復員軍人です。