赤ちゃんの死を乗り越える

神に頼り、子供の死を受けいれる

 

私の友達は最近出産しましたが、赤ちゃんは産まれてから7時間後にこの世を去りました。親族や友達にとって多大な影響を与えた出来事となりました。

複雑な妊娠経過

妊娠中から、赤ちゃんがとても稀な病気であることが分かりました。後頭孔脳脱出症というもので、赤ちゃんの呼吸するシステムが正常に育たないため、体内で亡くなる可能性がありました。産まれても数分しか生きられないと医者から言われていました。そのお話しを聞いた時は本当に驚きました。その夫婦がこれから通り過ぎなければならないことを考えると、とても辛い思いがしました。

一緒に教会に集っているモルモン教の教会員は、皆一致して、その家族のために断食したり、お祈りをしました。お医者さんは、早めに帝王切開して次の赤ちゃんに備えるよう促しましたが、彼女は生きている赤ちゃんと満期まで一緒に生きるという決意をしていました。私の友達は、赤ちゃんが亡くなってしまうことがわかっている家族のためのサービスを受けたりと、将来に向けての心の準備を始めていました。

出産時の奇跡と夫婦の信仰

破水したため、帝王切開の予定よりも早くにその赤ちゃんが産まれることになりました。赤ちゃんの頭は上向きだったため、帝王切開が以前から予定されており、上下と左右にお腹を切ることになっていました。驚くことに、当日は赤ちゃんの頭が下向きに変わっていたのです。そのお陰で、私の友達は左右にだけ切る帝王切開で済みました。

病院に行ってその夫婦と赤ちゃんを訪れた時に、そのお話しを嬉しそうに涙ぐんで話してくれました。「お母さんが必要以上苦労しなくていいように、この子は頑張ってくれたんだ。」と感謝の思いを伝えてくれました。また数分しか生きられないと聞いていたのに7時間も頑張って生きてくれたことが、とても嬉しそうでした。赤ちゃんはお風呂にも入ることができて、気持ちよさそうな声を出したというのです。

私が病室に入った時に、友達はもう亡くなった赤ちゃんを抱いていました。私に「赤ちゃん、だっこする?」と聞いてくれました。その赤ちゃんのずっしりとした重みを感じました。安らかな顔をしていました。この友達夫婦は、この赤ちゃんを迎えて笑顔でした。旦那さんは、この経験が自分たちの清めの時間になっていると言っています。この夫婦は、この時期のためによく備えてきたのだと感じました。

私よりも若い夫婦が、この赤ちゃんのお葬儀の手配もしている様子を見ました。私にはこの夫婦がどのような気持ちでこの時期を過ごしているのか、過ごしてきたのか想像することができません。でも確かなのは、彼らは神様にしっかり頼って生きていることです。だから笑顔でいられるのだと確信しています。彼らは、家族がこの世の後でも、一緒に生きられることを信じています。次の世で、この赤ちゃんと一緒に永遠に生きることができるのです。イエス・キリストの贖いのおかげで、私たちは試練の中にあっても平安を受けられることをお伝えします。

 

ライオン・松本・真実は料理やダンス、ケーキのデコレーションをすることが好きです。モアグッド財団では2014年から働いています。