モルモン教の会員である三十歳のブレイク夫妻(ホイットニーとスペンサー)は、原因不明の辛い不妊に悩み続けて三年経ったある日、旅行中にこんなことをひらめきました。スペンサーいわく、「私たちは、ほかの人の妊娠のお知らせを聞いたとき、どんな気持ちになるか、という話をしていて、私たち自身の不妊のお知らせを作ったら面白いんじゃないか、と思ったのです。」とのこと。「こんな風にしたり、あんな風にしたり、と車の中で模索を練りながら、二人とも笑いが止まりませんでした。」
“不妊のお知らせ”
模索の結果、ふたりは自身のブログで“不妊のお知らせ”を発表しました。この不妊のお知らせシリーズは、ネットで人気の“妊娠のお知らせ”にひねりを加えたものです。アイダホ州ナンパ在住のブレイク夫妻は、実際に友人知人に送るためにこのお知らせをつくったわけではありません。彼らの目的は、子供を授かり、喜びにあふれる夫妻がいる中、不妊に悩み、他人の妊娠のお知らせを素直に喜べない夫婦もいることをたくさんの人にわかってもらうことでした。
「ほかにも不妊に悩む人たちから大反響で、うれしいです。」とスペンサーは言います。彼は続けて「このような個人的な悩みを公の場に載せるのは、少し心配がありましたが、『なかなか触れづらい話題にユーモアを持って触れてくれてありがとうございます。』といったようなコメントをいただき、やってよかった。と思うんです。」
ホイットニーは、ブレイク夫妻は原因不明の不妊と診断されたと言います。「治療を受けずに妊娠を試み、治療を受けながらも妊娠に試み、と三年の月日が経ちました。そして養子をもうけることを考え始めました。するとすぐにとても良い平安な気持ちを受け、もう不妊治療はあきらめて、養子という形で家族を設けようと決めたのです。」
不妊を乗り越えて得た家族
ふたりにはハッピーエンドがあります。ブレイク夫妻は、養子縁組の許可がおりてから8か月後、現在4歳となる長男メイソンを養子にしました。その2年後には、現在2歳となる次男のケーレンを養子に迎えました。
「7年も不妊に悩み、こんなに苦しい思いは絶対に好むことはない、と言えます。でもこの経験のおかげで自分自身の人生のストーリーにより一層感謝の気持ちが持てるのです。」と、ホイットニーは言います。「不妊のおかげで、今の息子たちがいるんですもの。わたしの人生に、不妊はなくてはならなかったと感じます。不妊は、現在のわたしたちの家族を作り上げた大事な要素なんです。」
ホイットニー・ブレイクは、まわりで不妊に悩む人がいたら、その人をサポートする一番いい方法は、そのことに触れることだ、といいます。「誰かがわたしたちのもとにわざわざ来て、『つらい思いをして、大変ね。』と言ってくれることが、すごく特別でした。」とホイットニーは語ります。「時間をとってわたしたちを気にかけてくれることが一番の支えでしたね。」
この記事はAllison Slater Tateによって書かれ、http://www.today.com/に掲載されました。