まだまだ寒さが続く中、受験生は厳しい試験に立ち向っています。春を迎えるまであともうひと踏ん張りのこの時期、不安を抱えている学生がたくさんいるのではないでしょうか。
また社会人であっても昇進や資格試験に挑戦している方も大勢いるでしょう。

そんなみなさんのために試験やテストの心得について、また福音の知識をどのように活かせるかについて紹介します。

試験の心得

入学試験や様々なテストで良い結果を出すためにできることはたくさんあるでしょう。学生だったら、学校の授業を受ける、塾や予備校に通う、模擬試験を受けることなどが挙げられると思います。

教会員のお友達が高校3年生の担任をしているので、受験の心得を尋ねてみました。すると彼女からは意外な答えが返ってきました。それは「基礎基本を身に付けることが大切」ということです。

「人によって過去問を解くなど様々なことを助言すると思います。でも基礎固めが一番大切だと思います。高校1年生からの積み重ねが大切です。普通の授業を大切にしてほしいです。授業で分からないことがあれば、その都度友達や先生に聞いて解決しておくべきです。」

わたしは専門的なテクニックを想像していたので、これを聞いて胸を突かれたような気がしました。

わたしは大学生の時、一流の音楽家たちが教えるマスタークラスに参加した時に、彼らが卓越した演奏技術を身に付けるためには基礎を固めることが不可欠だと言うのを何回も聞いたことを思い出しました。

どんなに簡単なことでも分かっているつもりになっているだけで、実は完全に身についていないこともあります。上を目指すあまり高度なことを求めすぎても基礎ができていないと応用もできないのだと思いました。

どの分野においても基礎は大切だという共通点がありますね。

その教師のお友達は、大学試験の心得についても教えてくれました。

彼女は「まず目標を見つけてどの方向に進むかを決めることが大前提です」と教えてくれました。

「高校3年生になっても目標のない子が多いです。目標がないと勉強に力を入れることは難しいと思います。目標が決まるとがむしゃらに勉強できるようになります。」

彼女は生徒に進路指導をする時に一番大切にしていることがあります。それは一人ひとりと丁寧に面談を重ねることです。

まず生徒に目標を設定をさせるところから始めました。

「目標がない子が多いので、まず何が好きなのかを聞きます。すると好きなことを答えられない子が多いです。

それから嫌いなことを聞きます。血を見るのは耐えられるか、危険な場所で働けるのかなどを聞きます。たいていの子は嫌いなことは答えられます。

他にも、これからどうやって生きていきたいのか?10年後にどうなっていたいのか等を尋ねます。生徒たちは毎回模擬試験を受けるたびに8つの志望校を書かなければいけません。ですからそのたびに面談をしました。

12月まではとても忙しかったです。休み時間、昼休みにも面談を行いました。お昼を食べれない時もよくありました。」

彼女が生徒に寄り添って話しを聞くことで、生徒が自分で考えて目標を決められるようになるのだと感じました。

試験を受けるための目標を設定するために聞く4つの質問

社会人になると、学生時代ほど定期的に試験を受けることも少なくなると思います。それでも昇進やキャリアアップの目標に向って、資格試験等のために勉強に励む人もたくさんいると思います。

そのほかに受験の心得としては、試験会場の雰囲気に慣れるために、予備校の模擬試験を大学で受けることも大切な準備になります。

試験直前の心得

試験直前には、今まで勉強してきたことをすべて出し切れるようにぜひ神様に頼ってくださいもし不安を感じているならば、「大丈夫だよ」と自分に言い聞かせてください。

もし不安をぬぐえない時は、信頼できる人に不安な気持ちを打ち明けて励ましてもらってください。先ほどの高校の先生は、受験直前は不安な気持ちを抱えている子が多いので、この時期は不安を取り除けるように「大丈夫だよ」と励ましているそうです。

また体調管理のためにも十分な睡眠時間を確保し、栄養のある食事を摂りましょう。

うがい手洗いも小まめにして、風邪や感染症の予防も怠らないようにします。当日までにしておくべきことは、天気予報のこまめなチェック、会場までのアクセスを調べることもあるでしょう。

テスト当日のためにお勧めのこと

テスト当日のためにできるお勧めのことをいくつかリストに挙げます。

・テストの前日は早く寝る。

・食べなれないものを口にしない。

・早めに家を出る。

家族で体調管理をする

試験を受ける人だけでなく、一緒に住んでいる家族全員が体調管理をしましょう。家族は試験を受ける人のために栄養のある食事を準備したり、様々な工夫をすることができます。

しかしそのために睡眠不足になったり、疲れが溜まってしまっては本末転倒です。試験を受ける家族を笑顔で応援するためには心の余裕も必要です。

試験と福音の関連性ーあなたの使命を見つける

ここからテストと福音の関連性についてお話したいと思います。先ほどの高校の先生がとても興味深いことを言いました。もし生徒たちが教会員だったならばぜひ伝えたいことがあるそうです。

それはこの世に生まれたわたしたちには、一人ひとりに神様から与えられた使命と達成すべき事柄があるということです。彼女はこのように言います。

自分の使命や目標を理解するならば、それを達成するために勤勉に学び、自分の可能性を広げることができます。勉強をしたほうが確実にやりたいことの幅や可能性を広げることができます」。

個人の使命は神様からの啓示によって知ることができます。

ジョセフ・スミスは最初の示現から3年たったある晩に、自分の至らなさや欠点について神様に赦しを求めて祈りました。すると天使モロナイの訪れを受け、神様が自分に用意された業があることを知らされました。(『2021年教義と聖約 わたしに従ってきなさいー個人と家族用』p10-11参照)

「その方はわたしの名を呼び、自分は神の前から遣わされた使者であること、その名はモロナイであること、神がわたしのなすべき業を備えられておられること、またわたしの名が良くも悪くもすべての国民、部族、国語の民の中で覚えられること、すなわち、良くも悪くもすべての民の中で語られることをわたしに告げられた。」(ジョセフ・スミスー歴史1:33)

神はジョセフ・スミスと同様、あなたにもなすべき業を用意しておられます。(『2021年教義と聖約わたしに従ってきなさいー個人と家族用』p10-11参照)。

神があなたのために用意された業とはどのようなことだと思いますか?

ネルソン大管長が若い世代に対して個人の使命についてこのようにお話ししました。

「自分と、自分がこの地上で果たすべき使命について天の御父がどう感じておられるかを、イエス・キリストの御名により天の御父に尋ねてください。 熱心に尋ねるならば、やがて聖霊は人生を変えるような真理をささやいてくださるでしょう。……天の御父が自分をどのように御覧になっているか、またあなたが天の御父のために何をするよう望んでおられるかを垣間見ることができれば、あなたの人生はきっと変わると約束します。」(「本物のミレニアル世代になる」〔ヤングアダルト対象のワールドワイド・ディボーショナル、2016年1月10日〕broadcasts.ChurchofJesusChrist.org)

2021年ユースのテーマソング『Great Workーぼくらの未来』の中では、個人の使命を見つけることについて歌われています。

この歌には、わたしたちが神様の大いなる業(Great Work)に携わるように前世から備えられていること、そして主がそれを達成できるように導いてくださるという大切なメッセージが込められています。また大いなる業において、わたしたち一人ひとりに与えられた使命があります。わたしたちは自分一人で使命を達成するのではありません。主がそれを助けてくださいます。以下に歌の中のメッセージを簡単にまとめてみました。

「嵐の中を航海する時も、主はわたしたちを守り、導いてくださいます。もしあなたが主に頼るなら、主はあなたが何者であるかを教え、主があなたに用意された希望や夢をお示しになります。そしてあなたが主に従う時、道は開け、主の愛があなたを導くでしょう」(英語版『A Great Work』要約)

テストと福音の関連性ー備えの大切さ

べドナー長老は2020年10月の総大会で、人生の試しにどのように備えるべきかを学校のテストと関連付けてお話しました。べドナー長老は大学の教授や学長を以前していました。彼は学校の試験についてこのように言いました。

「…定期的な試験は学習に欠かせません。特定の教科に関して自分が確実に理解している事柄と、自分が学ぶべき事柄とを把握するうえで、効果的な試験は役立つものです。自分の知識や進歩を評価できるものに関して、判断基準を与えてくれるものでもあります。」

それから人生の試験、つまり試練についてもお話されました。人生の試練(試験)はその人がどれほど神様に忠実でいられるかを試すものだと示しました。

「そして、わたしたちはこれによって彼らを試し、何であろうと、主なる彼らの神が命じられるすべてのことを彼らがなすかどうかを見よう。」(アブラハム3:25)

べドナー長老は人生の試練(試験)を乗り越えるためには備えることが大切だと言いました。そして、彼の友人が試験のために勉強したお話を例に挙げて、どのように備えたらよいかを話してくれました。

「法科大学院で学んでいた実直な友人がいます。学期の間、サムは毎日復習とまとめに時間を注いでいました。各履修コースに関して、自分の取ったノートから学んでいたのです。毎週末、毎月末、サムは同じ方法に則ってすべての講義を復習していました。こうした取り組みのおかげで、サムは単に詳細を記憶するだけでなく、法律に精通するようになったのです。卒業試験が近づくころ、サムには備えができていました。実際、司法を習得する過程にあって、卒業試験の時期はいちばんストレスが少なかったそうです。試験で成功を収めるには、効果的で時宜にかなった備えをしておくことです。

法律を学ぶ際にサムが取った方法は、成長と進歩に関して主が示された重要なパターンの一つを際立たせるものです。

「​主​なる​神​は​こう​言われる。『わたし​は​ここ​に​も​少し、そこ​に​も​少し​と、教え​に​教え、​訓戒​に​訓戒​を​加えて、それ​を​人​の​子ら​に​与えよう。わたし​の​訓戒​を​聴き、わたし​の​勧め​に​耳​を​貸す​者​は、​知恵​を​得る​ので​幸い​で​ある。わたしは受け入れる者にさらに多く〔を与える。〕』」各自、「自分のなすべきことをよく考え」、「はたして信仰があるかどうか、自分を反省し、自分を吟味する」ようお招きします。生活様式の調整や制限を余儀なくされたここ数か月の間、どのようなことを学びましたか。生活において、霊的、身体的、社会的、情緒的、知的に何を改善する必要がありますか。何であれ、主なる神が命じられることをすべて果たせるように備え、その意志と能力を示そうとするべき時があるとしたら、それは今です。」(デビッド・A・べドナー「これによって彼らを試し」『リアホナ』2020年11月号)

あなたに贈るエール

試験を受けるにあたって多大な期待やストレスを感じているかもしれません。

でもあなたは一人ではありません。あなたを応援している人たちがいます。神様はあなたが幸せになり、用意された祝福を得ることを望んでいらっしゃいます。あなたが努力してきたその実力を本番で発揮することができるよう望んでいます。

またこの世の旅路を歩む時に、神様や預言者の教えに注意深く耳を傾けて、夢や希望を叶えることができますように願っています。

みなさんはよく試験に備えて良い結果を得た経験がありますか?また逆にこうすればよかったなどの改善点やアドバイスなどはありますか?ぜひコメント欄にご意見や感想をお寄せください。

試験に挑むための方法をもっと知りたいですか?

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