ジェフリー・R・ホランド長老は、軍学校の学生にむけて誠実に生きることについて話しました。ウェスト・ポイント軍学校の生徒たちには、「士官訓練生は嘘をつかず、ごまかさず、それらをする者を容認しない」という規約があります。ホランド長老は、子供の時から聞かされていた、誠実さの価値を学んだ少年についての話をしました。

リンと王様の話

それは、他の子供たちとともに王様の話を聞くように招かれたリンという少年の話でした。その会で、王様は自分が年をとってきたので、新しい王様を選びたいと言いました。そのために、彼は子供たちにそれぞれ種を渡しました。彼らはその種を家に持ち帰り、世話をして、一年後に育ったものを持ってまた集まるように言われました。

リンは与えられた課題に胸を踊らせました。彼はその種を注意深く植え、小さな植木鉢のなかで大切に育てました。約三週間後、他の少年たちは自分たちの鉢の中で育ち始めた素晴らしい植物について話し始めましたが、リンの鉢はなんの芽もだしていませんでした。彼は心配になりましたが、出来る限りその植物の世話をしました。一年中、彼は他の子供達が木のように大きく育った彼らの種の話をするのを聞きましたが、彼の鉢はからのままでした。

与えられた一年が終わったとき、リンは決まりが悪い思いで、王様にそのからっぽの植木鉢を見せたくないと思いました。彼のお母さんは彼に、行って、正直に話すようにと言いました。彼女はリンに、一生懸命世話をしたけれどなにも育たなかったと本当のことを言うようにアドバイスしました。リンはお母さんが正しいことはわかっていました。誠実さを手に入れるためには、彼は正直に話す必要がありました。彼は緊張しながら、植木鉢をとってミーティングに向かいました。子どもたちは全員、一つの場所に植木鉢を置くように指示されました。部屋のいたるところに美しい花や植物、木が並びました。リンはじぶんのからの植木鉢を部屋の奥の床に置き、だれも気が付かなければいいのにと思いました。彼はその隣に立ち、待ちました。

すぐに王様が入ってきました。王様は歩き回り、全部の植物、花、そして木を見ました。そして彼は、リンのからの鉢のところに来ました。王様は警備の者に、リンとその植木鉢を部屋の中央にうつすようにいいました。怖がりながら、リンは王様のところに来ました。そして驚いたことに、王様はリンを次の国王に指名したのです。

部屋は静まり返り、みんなは何も育てることのできなかったたったひとりの少年が何故王に指名されたのかを理解しようとしました。王様は、それぞれの子供達に渡した種は一度茹でられたものだったと説明しました。その種が芽を出すのは不可能だったのです。彼は、ほとんどの子供たちは、その種が成長しないのを見て良い種と取り替え、嘘をつくだろうと知っていたのです。彼がリンの鉢を見たとき、彼はルールに従い真実を言う誠実な少年を見つけたとわかりました。その誠実な人こそ、王様が彼の国を任せたい人だったので、リンただ一人が新しい王に見合う人格を持っていたのです。

リンは誠実さを持っていました。王様になるチャンスを失うかもしれないとわかっていても、恥ずかしい思いをしても、彼はごまかしをすることを拒否し、裁きのときに真実を述べました。彼は誠実さの対価として王国をかけたのです。あなたは、自分の誠実さの対価としてなにを渡しますか?

 

買い物先での経験

少しまえ、わたしは買い物のあと買ったものを車のトランクに積んでいました。あまりたくさん買ったわけではなかったので、わたしは買ったものを全部子供が座るところに置いておきましたが、荷物を車に積む中で、カートのなかに100円にも満たない商品がひとつ入っているのを見つけました。わたしはレシートを確認し、その料金を払っていないことがわかると、すぐにカスタマーサービスデスクに行き、その分を支払いました。レジの人が、こんなに安いもののお金を払いに戻ったわたしの正直さに感心していました。でもわたしは、自分の誠実さは100円足らずよりずっと尊いものだと感じていました。もし、わたしが料金を支払うために戻らずそのまま帰っていたら、お店側の損害は大きなものではないかもしれませんが、わたしが失うものははるかに大きかったのです。わたしは神からの尊敬と自分自身への尊敬を失っていたでしょうから。

わたしの誠実さは100円よりもずっと価値のあるもので、わたしはその誠実さをそれほど小さなもののために売り払うことはしたくありませんでした。あなたの誠実さにはいくらぶんの価値がありますか?

 

 

この記事はmormonyouth.orgに”Integrity–What Are You Willing to Pay to Have it?”の題名で掲載されました。