ブリガム・ヤング大学(以下BYU)は人類の健康を脅かす現象,抗生物質に耐性を持ったバクテリアが増えているという現象に対策を取るべく,大掛かりな学際領域の試みを始めたばかりの共同研究チームで主要な役割を果たしています。
BYUの3つの学部にまたがる4人の教授が何年にも及ぶ,国家健康機関がスポンサーとなるプロジェクトに加わり,薬品に耐性を持った血液の化膿をより早く診断する試験方法を開発しようとしています。
現在,このタイプの化膿に対する診断テストは長く、結果が出るのに3日間かかる場合もあり、それでは患者を救うには遅過ぎることがしばしばです。
「目標は血液のサンプルをとったら,1時間以内に,どのようなバクテリアでそれがどのような抗生物質に耐性を持つかというプロフィールを知ることができることです」とBYUの4人の教授の一人である化学の教授であるアダム・ウーリーは語ります。「それからは,色々な方法を試し,多くの命を救うことが期待されます。」
診断が早まることによって,命も救われ,医者は大抵の薬剤に対する耐性を持ったバクテリアをまだ治療できる希少価値のある抗生物質を誤用せずに済みます。
「これらの抗生物質は最終的な手段で,極めて難しい炎症のためにだけ特別にとっておくべきです」とBYUの微生物学の教授でこのプロジェクトの共同研究者であるリッチ・ロビソンは述べています。
申請されているシステムは,NIHの5百40万ドルの助成金に基づいて開発されますが,電気工学の教授で主任研究者であるアロン・ホーキンズによって共同開発された光流動マイクロチップを使うことが特徴となっています。この画期的な器具の最新の研究が国立科学アカデミーの論文集に掲載されました。
ホーキンズ,ウーリー,ロビソンの3誌に加えて,やはりBYUの化学工学の教授のウイリアム・ピット,カリフォルニア大学のサンタ・クルズ教授であるホルガー・シュミット,さらにはそのシステムを市場に出そうとしているグレート・ベイスン・サイエンティフィックのチームがこのプロジェクトに加わっています。地元の感染性疾患の専門家であるラリー・フォードもこのプロジェクトにコンサルタントとして参加しています。
このシステムが使われる時には,病気の完成が疑われている患者から血を取り,先ずそれをフィルターにかけて,バクテリアを分離するために血液の細胞を何十億という単位で除去します。それからDNAがこれらのバクテリアから抽出され,それが抗生物質に耐性があるバクテリアの種類と一致していれば,そのDNAが発光性の分子によってラベルづけがされます。
サンプルとして取り出されたDNAが流動物を通すパイプを押し出されて,マイクロチップを通り,そこで小さな光のカーテンを通過します。ラベルづけされたDNAから発進される蛍光の信号がそこに耐性を持ったバクテリアが存在することを示します。
計画によると,比較的小さく安価な使い捨てのカートリッジに1平方センチの小さなチップを取り付ける予定で,それは病院での使用が可能なものです。
ホーキンズ氏は「わたしたちがやろうとしていることはすべてのことを統合することで,1つのシステムで血液のサンプルから診察までを済ますことです。これはよく開発された解決方法で,単にそのプロセスのある部分を扱うだけのことではありません」と語っています。
そのプロジェクトは何年もかかり,沢山の資金と学生たちの協力も必要です。その過程でBYUの研究者たちは沢山の研究論文を発表したいと思っています。その先ず最初の論文がホーキンズの国立科学アカデミーに発表した論文です。
ウーリーはBYUには検出,バクテリア,血液の研究,微少流体技術,さらにDNAにおける共同研究や専門知識の歴史があることによって,このような研究開発を行なう理想的な大学だと述べています。
ウーリーは「わたしたちはこのプロジェクトに必要なあらゆる専門技術を備えており,BYUでは教授職の人たちは大学の内外を問わず他の研究者とともに協力することが好きで,実際にそうしています」と語りました。