イエス・キリストの弟子たちは、年齢にかかわらず主の命令に従っています。「全世界に出て行って,すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ。」(マルコ16:15)末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の会員は今日もこの戒めに従う義務があると信じています。教義と聖約(イエス・キリスト教会の現代の啓示を集めた聖典)もこの点について同じ見解を述べています。「そして,この福音はあらゆる国民,部族,国語の民,民族に宣べ伝えられるであろう。」(教義と聖約133:37)
十二使徒定員会(大管長会と全世界の教会を司る)のラッセル・M・ネルソン長老は次のように述べています。
十代の後半ないし20代の前半の人たちは世界の標準からすると若いです。しかし,彼らは賜物,例えば聖霊の力,神の愛,真理についての証などに恵まれているので,主の力強い大使になることができるのです。彼らのメッセージに耳を傾けるあらゆる人々に本当の喜びと限りない幸福をもたらす福音の良きおとずれを伝えるのです。そして多くの場合,彼らは自分にとって縁のない国や言語の環境でそうするのです。
この世代は備えられている
わたしはイエス・キリスト教会の会員として伝道することについて子供たちと沢山話し合いました。12歳の息子に教会の若者がなぜ伝道するのかと尋ねると,彼の簡単な答えは,「イエス・キリストの福音を宣べ伝えるために」というのです。人生を非常に割り切って見ているようです。彼は善悪の違いを知っていますし,正義のために立ち上がります。預言者や使徒たちは、この若者の世代はこの時代のために備えられたと言っています。ニール・L・アンダーセン長老は,イエス・キリストの使徒ですが,12−25歳の神の神権(神の子供たちの救いに必要なすべてのことを行うため神から人にゆだねられた権威と権能)を授かっている若者に話しました。彼の言葉は若い男性だけでなく,若い女性にも当てはまります。
皆さんは自分が今の時代に地上に送られている理由について考えたことがあるでしょうか。皆さんはアダムとエバの時代にも,パロがエジプトを治めていた時代にも,中国の明王朝の時代にも生を受けることなく,キリストの降誕から20世紀後のこの時代に地上にやって来ました。地上には神の神権が回復されていて,主は御自分の輝かしい再臨にこの世を備える業を始めておられます。現代は大いなる機会と重要な責任が待ち受けている時代です。皆さんの時代です。
バプテスマによって,皆さんはイエス・キリストを信じる信仰を表しました。神権に聖任されることで,皆さんの才能と霊的な能力は増し加えられています。皆さんの重要な責任の一つは,救い主の再臨に向けてこの世を備える手助けをすることです。
わたしは,他に目をやる必要がなく,ただ自分の子供たちを見ると上記のお話が真実であることが分かります。長男は,自分の精神と意志を持ってこの地上に生まれてきました。ときどきわたしたちの話し合いは権力争いになることもあります。しかし,彼は神権の祝福(権威をもった人が頭の上に手を置いて,病人を癒し,助けを求めている人に慰めと勧告を与えること)を受けました。その中で彼は頑固の賜物,頑として揺るぐことなく正義のために立ち上がる賜物を授かっていると告げられました。彼は自分の姉妹たちに控えめ〔服装などのこと〕にしているように真っ先に言う人です。弟にもそのように教えました。彼は,学期中は朝5時起きして邪魔されずに聖典を研究して祈るように決心しました。(ちなみに、早起きはわたしからの遺伝ではないとすぐ分かりました。わたしは早起きは苦手なので。)他の子供たちもそれぞれが独自の賜物や才能を持って生まれてきました。それらは神の王国を擁護し、建てることに使われるでしょう。
現代における若い兵士—正義を擁護する青少年
モルモン書:イエス・キリストについてのもう一つの証は,聖書と対をなす聖典で,古代アメリカ大陸に住む人々に行われた神の業が記録されていますが,およそ2,000人の驚くべき若い男性の話が書かれています。彼らの先祖は血を流すことを好み邪悪な人たちでしたが,福音を教えられると心から受け入れました。彼らは神との聖約として武器を埋め,そのことをもって自分たちの悔い改めの象徴としました。しかし,何年も経って,彼らの保護者であるニーファイという民はその敵であるレーマン人から攻撃を受けていました。その困難な状況を見て,この改宗者たちは武器を再び取ろうとしました。軍隊の指導者であるヒラマンと他のものたちは神との聖約を破らないようにこの人たちを説得しました。十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード長老は,このアルマ書にある「力強く教訓的な話」について語っています。
アンモンの民の息子たちが両親と同じ聖約を交わしていなかったということをだれが最初に言ったのかは,聖文の記述を見るかぎり分かりません。わたしは,あの青年たちのうちのだれかが次のように提案したのではないかと考えたいと思います。「〔自分たちは〕武器を取〔り〕,……自分たちをニーファイ人と呼んで〔差し支えない。〕
それは,この2,000人の青年にとっては並々ならぬ務めでした。しかし,この青年たちは並々ならぬ者たちだったのです。聖文にはこうあります。「彼らは… …
非常に勇敢であり,体力と活力がみなぎっていた。しかも見よ,それだけではなく,彼らは託されたことは何であろうと,いつでも誠実に果たす者たちであった。
まことに彼らは神の戒めを守り,神の前をまっすぐに歩むように教えられていたので,誠実でまじめな者たちであった。」(アルマ53:20-21)
この話の残りを読むと,この青年たちが,ずっと年上ではるかに経験を積んだレーマン人の軍隊と勇敢に戦った様子が分かります。指導者ヒラマンによれば,「彼らはまるで神の力を得たかのように戦いました。……彼らはレーマン人が肝をつぶすほどの大いなる力で彼らに攻めかかり,そのために,レーマン人は降伏して捕虜になりました。」(アルマ56:56)
想像してみてください。戦う経験のなかったこの青年たちは,霊的にも肉体的にも自らを大いに備えており,たいそう力強かったので,敵を恐れさせ,ついには降伏させることができました。2,000人の青年たち全員が戦いのさなかに負傷することはありましたが,だれ一人死ななかったのです(アルマ57:25参照)。もう一度ヒラマンの言葉を引用します。「それは神の奇跡を起こす力によったものと考えざるを得ません。彼らは信じるように教えられたことを深く信じていたので,すなわち,公正な神がましますことと,疑わない者はだれでも神の驚くべき力によって守られるということを深く信じていたので,それが起こったのです。」(アルマ57:26)
これらの2,000人の若者は「ヒラマンの若い兵士」と呼ばれています。今日の青少年は,現代版の若い兵士です。イエス・キリスト教会の会員にとって毎日曜日に聖餐(救い主の贖いの犠牲を思い出すためにパンと水を取る儀式)を受けることは救い主イエス・キリストの名前を自分の身に引き受け,すべてのことに主に従うというバプテスマの時の聖約を更新する時です。ワード(会衆)の中では12−15歳の神権を授かっている若い男性は聖餐のパスをします。16歳以上のふさわしい男性は聖餐を祝福します。1年かそのくらいの期間,わたしたちの小さなワードにはほとんど若い男性がいず、執事の年齢(12−13歳)の少年は1人もいませんでした。だんだん,少年が12歳になり,その年齢の少年が引っ越して来て,今では8人の若い男性がいて,その大部分は執事です。これらの若い男性が1つの部屋に集まると,肌で感じるような力が彼らから出て来ます。それは傲慢でも誇りの力でもなく,救い主イエス・キリストに従うことだけを求めている義なる謙そんな人の持つ力です。
姉妹たちの力
地元のグループの若い女性が一緒になる時にも同じような気持ちがあります。彼女たちは,神権は持っていませんが,神権者を尊重しています。彼女たちも救い主にすべてのことにおいて従おうとしています。教会の姉妹として,また姉妹宣教師としてこれらの若い女性たちは善にたちする力強い勢力です。イエス・キリスト教会のかつての大管長であった,ゴードン・B・ヒンクリー大管長は次のように語りました。
わたしたちは若い姉妹たちの一部に〔姉妹宣教師として奉仕していただくことが〕必要です。彼女たちは驚くほどのよい働きをしてくれます。彼女たちは長老たちが入っていくことができないような所に行くことができます。(「教会のビッショップのために」,全世界指導者訓練集会,2004年6月,27ページ)
彼はまた述べています。
多くの伝道部会長は姉妹宣教師が福音の教えに対してドアと気持ちを開くことにおいて,長老たちより効果的であると姉妹宣教師を評価しています。ある伝道部長はわたしに,たぶん冗談としてですが,4つのペアーの姉妹たちが見つけることと教えることをすれば,1つのペアーの長老たちはバプテスマをするので忙しくなると言いました。
モルモンの宣教師として,若い男性と女性は主の力強い大使です。彼らは若いですが,創世の時から備えられ,人類歴史のこの時期に自分の役割を持っていました。それは世界を救い主イエス・キリストの再降臨に備えることです。彼らは天の父とその御子イエス・キリストを愛し、御二方の御心を求めます。そして彼らはその奉仕の業によって祝福されます。ネルソン長老は言いました。
伝道に出る決断は,その宣教師,将来の伴侶,そしてこれから来る世代の子孫の霊的な運命に影響を与えます。伝道に出たいという望みは,人の改宗,ふさわしさ,備えからわきおこる自然な思いです。