セレスト・カカは夢のような生活をしていました。ガンと闘う日々が始まるまでは…

学業と仕事に励む22歳の彼女は、新郎のジョージと一緒に南国のパラダイス・ハワイに暮らしていました。そんな彼女に、予想すらしていなかった出来事が起こりました。

元オリンピック水泳選手だったセレストは、ユーイング肉腫というこどもや成年男女に発症するといわれる骨のガンを患っているとの診断を受けたのです。

「あっという間のことでした」とセレストは言います。

 

ガンと闘う日々の始まり

「医師の前に座り、悲しそうな目で見つめられました。わたしはその場にしばらく座ったまま、涙を流し、夫に電話をしました。それからほんの数日で、わたしは実家に帰り、シドニーの寒い気候に慣れようとしながら、病院での診察の予約をしていました。それが現実とは思えませんでした。」

セレストとハワイ州ライエ出身の夫ジョージは新婚たったの6か月です。去年12月に行われた彼らの挙式は完璧だったとセレストは言います。

「結び固めはオーストラリアのシドニー神殿で行い、そのあと友人や親族を招待して披露宴をしました。シンプルでも特別な、わたしが求めていたとおりのものでした。」

妻がガンを患っていると知ったとき、ジョージの「心は沈みました。」

「ガンについてわたしが唯一知っていたり、聞いたことのあることは、患者が亡くなったり、体が不自由になったり、人生が変わってしまったりということと、大きな苦痛を伴うものである、ということでした。はじめは、悲しみと怒りと恐怖がいっせいに襲いかかってきました」と夫ジョージは言います。

「泣く妻を抱きしめることしかできませんでした。」

セレストはもうすぐ抗がん剤治療の最初のクールを終えます。このあと13クールの投与を受け、ガンを取り除く手術を受ける予定です。

ガンによって人生を左右されることもありますが、セレストは、この経験はより夫婦の関係を強めてくれたと言います。

「まだ夫婦生活を始めて6か月しかたっていないけど、ジョージはいつも、どうしてわたしがこの人と結婚したかったのか思い出させてくれます。」とセレストは言いました。

「わたしを愛し、安心させて、全力で笑顔でいてくれることによってジョージはわたしに素晴らしい強さを与えてくれます。この独特な環境のおかげでわたしたちは夫婦としてとても成長し、一日一日を大切にし、なるべくハッピーでいられるように努力しています。」

とはいえ、妻がガンと闘う姿を見守るのはジョージにとって困難なことです。

「妻が毎日毎晩苦しみ、以前は何でもなかったことができなくなる姿を見るのは人生で一番辛い経験でした」と彼は言います。

「わたしの知っている人たちの中で、妻は最も利己心がなく、愛のある親切な人です。毎日彼女を目にしては、未だに彼女がわたしと結婚してくれたことが夢のように思えます。たとえベッドの上で体にたくさんの管がつなげられていても、彼女の毎日の目標は、わたしを幸せにすることなのです。そんな彼女をとても愛しています。もうこれ以上愛せないというくらい彼女を愛していましたが、不思議なことに、わたしの彼女への愛は日に日にどんどん育っていきます。だから彼女はわたしにとってとても大切な存在なのです。」

 

闘病生活で一番の試練

「わからないことが一番難しいですね」とセレストは言います。

「ガンの治療は患者によって異なるもので、わたしは自分の体が治療のクールや化学療法に対してどんな反応をするのかが不安でした。」

ジョージとセレストは、この困難な試練に見舞われ、福音が光の源となっているといいます。

「主がすべてのこととすべての人を管理されているということについてより学びました」と、ジョージは言います。

「わたしよりも、主の方が彼の娘であるセレストのことを助けられると知り慰めを得ました。主はわたしたちの思いや祈りをお聞きになり、困難な状況に涙を流す時にはそばにおられます。この試練に背を向けるかわりに、『天のお父様はわたしたちのために素晴らしいものを用意してくださっている』という信仰を持って真っ向から立ち向かうことにしました。」

「わたしたちがこの人生において、なぜ逆境に見舞われるのか認識する上で、イエス・キリストへの信仰が助けになりました」とセレストは言います。

「主がわたしを愛しておられると信頼しています。彼はわたしのことをご存知で、わたしを助けたいと望んでおられます。祈りと聖典学習は、わたしがより神様に頼り、主が御自分の子供たちをどんなに愛しておられるかを思い出させるとても力強い方法となっています。」

セレストは家族や友人からのサポートに特に感謝しています。

「ジョージとわたしのために祈り、断食をしてくれた世界中のたくさんの人たちの信仰にとても助けられています。一人一人の祈りには力があり、それが多ければ本当に心強いです。それが愛にあふれる天のお父様と御子イエス・キリストによって何倍にもされているときは、特にそうです。」

セレストとジョージはいつの日か家族を持つことを望み、セレストは、自身の経験がほかに苦しんでいる人の助けになってほしいと望んでいます。

「あなたはひとりぼっちではないし、自分だけの力で乗り越えようとしなくていいんです」とセレストは言います。「わたしが知っていることは、この経験を通して、わたしたち夫婦は愛と謙遜、主への感謝と信頼を増したということです。そしてそれ以外にもたくさんの素晴らしいレッスンを通して、わたしたちは霊的に成長しました」とジョージは言います。

 

この記事はもともとpacific.lds.orgに投稿されたものです。