「約束の聖霊」とは聖霊ないしは聖なる御霊の結び固めの力です。この用語は使徒行伝2:33から来ています。
それで、イエスは神の右に上げられ、父から約束の聖霊を受けて、それをわたしたちに注がれたのである。このことは、あなたがたが現に見聞きしているとおりである。
イエス・キリストが去る前、主は使徒たちに、彼らを慰め無しでは放っておかれないと約束なさいました。主が去られた時、主は聖霊を送られて彼らを慰められました。慰めの他に、聖霊は、知恵、勧告、それに神に祈りを通して意志の伝達をする能力を与えます。
人が一つの救いの儀式を受ける時、例えばバプテスマの時ですが、約束の聖霊がその儀式が正しく執り行われ、完成されたことを、神に証言し、認可します。約束の聖霊は、それからその儀式を結び固め、神の目から見て有効なものにします。ふさわしい人には、その儀式が結び固められるのです。それを受けるのにふさわしいと偽っている人には、その儀式は結び固められません。聖霊はその人が真実か否かを知っているからです。もし、その人が後になって悔い改め、ふさわしくなれば、その儀式は有効なものになります。ふさわしい人でも、個人的にふさわしくないことをすれば、儀式の効力を失うことにもなります。
義人たちが復活する時、彼らは約束の聖霊によって結び固められ、彼らは父なる神が持てるすべてのものを受けます。神の最も忠実で愛のある子供たちには、神はいかなる祝福も止められることがありません。
正しい者の復活の時に出て来る人々に関するキリストの福音の証はこれである。すなわち、彼らはイエスの証を受け入れ、その名を信じ、そしてイエスの名によって水の中に沈められ、イエスから与えられた戒めのとおりにその埋葬に倣ってバプテスマを受けた者である。それは戒めを守ることによって、彼らが自分のすべての罪から洗われて清くされ、この力を持つように聖任され結び固められている者の按手によって聖なる御霊を受けるためである。また、彼らは信仰によって勝利を得、御父が正しくかつ真実な者すべてに注がれる約束の聖なる御霊により結び固められている者である。」(教義と聖約76:50−53)
この地上で結び固められる聖約は、約束の聖霊によって天でも結び固められます。例えば、モルモン教は地上で行われる神殿結婚は天でも有効であると教えています。モルモン教の神殿で結婚するモルモン教の会員は、この世とともに永遠にわたって結婚します。彼らが聖約を守り、ふさわしく生きることを条件としてこのことが起こります。この聖約のもとに生まれた子供たちは永遠に彼らのものになります。彼らはこの結婚を結び固めと呼び、そしてその結び固めはこの地上だけでなく、天においても有効です。もちろん、それはその二人が共にふさわしいことが条件です。バプテスマや他の儀式も永遠に有効となり得ます。
資料:
- 約束の聖き御霊、永遠の結婚生徒用マニュアル、(2003)、136ページ
- ジェームズ・E・ファウスト、聖霊の賜物:確かな羅針盤、エンサイン、1996年4月