最近、主人からある質問をされました。「杏奈はなんでアメリカ人に話すときと日本人に話すとき、そんなに違うの?アメリカ人に話すとき、そんなにテンション高くなくてもいいのに。僕と話すみたいに、杏奈らしく普通に話せばいいのに」わたしはその言葉を聞いた時にとてもショックを受けました。えっ?人から見たらわたしってそんなに変なの?わたしらしくって何?わたしは普通にしゃべってるんだけど……。そして、わたしはある伝道の経験を思い出しました。

「八方美人」は病のもと

2013年から2015年まで末日聖徒イエス・キリスト教会( モルモン書があるので誤ってモルモン教と呼ばれる )の専任宣教師として東京南伝道部(東京都一部、神奈川県、山梨県)に召されたわたしは、一生懸命働いていました。まったく英語が話せないわたしは、たくさんの外国人の同僚をもらって、同僚たちと会話することがとても難しく、いつももがいていました。また、道で会う人会う人に声をかけ、声がかれるまでずっと話していました。そんな生活が1年過ぎようとした時、わたしは体調を崩してしまい、伝道ができなくなってしまいました。そんなわたしは泣きながら自問しました。なぜこんなことが起こるんだろう?一生懸命やってきたのに、なぜ神様は助けてくれないんだろう?そんなわたしに伝道部会長が、こう言いました。「あなたは八方美人すぎるんだよ。もう少し自分を出したらいいのに」その言葉はわたしの心を突き刺しました。しかし伝道を終わらせたくないと懇願した結果、伝道部会長の許可のもと、療養のため3週間だけ実家の大阪に帰ることになりました。

わたしは大阪に帰って療養し、元気に回復しました。また明日から伝道を再開できることにとても喜んでいた時、次の同僚になる予定の姉妹から電話がありました。彼女はわたしに言いました。「松崎姉妹、わたしがあなたの次の同僚だよ。明日からよろしくね。でもあなたに1つ言いたいことがあるの。わたしはね、松崎姉妹とは伝道したくないの」わたしは驚いてショックを受けました。すると彼女は続けていいました。「わたしはね、標準語をしゃべって自分を隠してる松崎姉妹じゃなくて、大阪出身で関西弁をしゃべる、フレンドリーで面白い松崎杏奈姉妹と伝道したいの。あなたが培ってきた今までの経験を分かち合ってほしい」彼女の言葉はわたしの残りの伝道生活をもっと楽しくし、わたしは自分らしくいられることができました。

アメリカでもわたしらしく

主人にわたしの話し方の違いを指摘されてから、何が違うか自分でも考え、気づいたことがあります。わたしは特に第二言語である英語で話す時、強い言い方をしてないか?話をしていて嫌な気分にさせていないか考えていました。それは日本人と話す時よりも2倍疲れてしまい、たまに本当の自分を無くしそうになります。でもそんな時に聖典を読み、たくさんの人たちの経験や言葉を見聞きすると、励まされ「これもわたしの経験なんだ」と感謝することができます。そうやってわたしに元気をくれる好きな聖句があります。それは教義と聖約122:7です。「すなわち、これら​の​こと​は​すべて、あなた​に​経験を​与え、あなた​の​益​と​なる​で​あろう。」わたしの人生はわたしにしかできない。色んなことで間違えたり、落ち込んでしまっても、失敗から学んで笑える人生を歩む。それがわたしらしい人生なのかもしれないと思っています。

著者:ステイリ 杏奈