編集者の一言:この記事は2018年2月22日に書かれたもので、東京で行われた世界マラソンは2018年2月25日に開催されました。
モルモン教徒ランナーのウェンディー・ギャレットにとっては、42.195キロを走ることどころか、1マイル(約1.6キロメートル)を歩くことでさえ奇跡です。そしてギャレットは現在、6回目となる世界マラソンに向けて準備をしながら、歴史を作り上げようとしています。
事故から走れるようになるまで
2010年に、ギャレットは事故に遭い、左足は使い物にならなくなり、首や腰にも複数のけがをしました。事故から3年後、ギャレットは25人目の医師に脊椎損傷との診断を受け、ようやく彼女の状態に合う器具を手に入れました。その器具のおかげでギャレットは再びひとりで歩けるようになり、後には走れるようにもなりました。
「走り始めたときから、振り返っていません」
とギャレットは言います。
診断を受けてからたった一年後、開催数ヶ月前に亡くなった姉への思いを込めてギャレットは初めてボストンマラソンに出場しました。彼女は言います。
「心が壊れていました。とてもできないと思っていましたが、走ることは結果的に悲しみを乗り越える手助けとなりました」
得た証、そして夢
現在彼女は6つの世界マラソンを完走する予定です。既にボストン、ニューヨーク、シカゴ、ベルリン、そしてロンドンマラソンを終えたギャレットは今月、自身のリストに残る最後のレースに参加するために東京へと向かいました。そのレースを完走すれば、ギャレットは世界で初めて脊椎損傷を負って世界マラソンを自分の足で完走したランナーとなります。
自身の経験についてギャレットは「たくさんの奇跡に恵まれた、なんと素晴らしい道のりだったでしょう」と言います。大切な人の死、哀しみ、そして鬱などにも関わらず、彼女は目標を果たすために努力を続けました。そして、ギャレットは走ることを通して、神様が人生をどのように変えてくださったのか認識しています。
「神様の計画はわたしたちの計画よりもとても良いものです。もしわたしの思い通りになったなら、わたしはすっかり回復して、『普通の』暮らしをしていたでしょう」とギャレットは証します。「神様がわたしに用意されたのはわたしがこれまで歩んできた旅路なのです。」
何年ものリハビリや痛みにも関わらず、ギャレットは障害によって人生が変わったことを認識しています。
「障害のおかげで、人生が今まで想像すらできなかったくらい楽しいものになりました。
世界中を旅して、素晴らしくて霊感にあふれる人たちに出会えて、地域や国、国際的なレベルにおいて自分の物語と証を分かち合うことができました。」
ギャレットは東京マラソンを完走することが彼女の旅路もしくは物語の終わりではないと知っています。彼女の次の目標は、パラリンピック出場、世界すべての大陸でマラソンに参加すること、そしてなるべく多くボストンマラソンに出場することです。
現在試練に苦闘している人たちへギャレットはこんなメッセージを送ります。
「踏ん張ってください。神様があなたに用意された計画を信頼してください。事故や偶然というものはありません。主はあなたをご存知で、あなたを愛しておられ、あなたのために素晴らしいことを用意してくださっています。」
人生を振り返り、ギャレットはこう認識しています。
「天のお父様は、奇跡を起こすことがおできになるので、御心であればわたしがもっと早く回復できるよう助けてくださることもできたでしょう。しかし、なんらかの理由でわたしには学び、成長し、試される三年間が必要でした。その三年間のおかげで、わたしは走るマイルごとにそれがどれだけの奇跡か理解し、感謝することができます。…『とりあえず歩けるように頑張ってみましょう』と言われる状況から、5年後には世界的な目標を果たすため、東京マラソンへと向かうことになるなんて、愛にあふれる天の御父にしか起こせない奇跡です。」
この記事はもともとDanielle B. Wagnerによって書かれ、ldsliving.comに”Paralyzed Runner Set to Make History This Weekend at World Marathon Testifies of Miracles” の題名で投稿されました。
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