モルモン教-神権の祝福

あなたはモルモン教の会員と日曜日の礼拝に出席したことがありますか。もしそうであれば、あなたは12歳以上の少年が白いシャツとネクタイを身に着けて、聖壇の前にひざまずき、公式の祈りを捧げるのを見たことがあるかもしれません。またきっとほかの少年たちが聖餐のパンと水の入ったトレイを会衆に配っているのにも気づいたに違いありません。

これらの若い男性は、宣教師や教会の指導者と同じで、モルモン教の神権を行使しています。若い時から、彼らの肉体的、情緒的、社交的、霊的な健全さのために必要な福音の原則を教えられます。彼らは責任を与えられ、効果的な宣教師、父親、そして教会の指導者になるように訓練されます。

神権とは何か

キリストと使徒

キリストと使徒

神権は神の権能と権威です。それは神が万物を創造し、治め、そして支えている力です。神はこの権威の一部を人に与え、その人が神に代わって行動し、この地上で神の業を果たすようにさせるのです。

ジョセフ・スミスは神権が神と共に永遠の過去から永遠の未来にまで存続する原則で、その始めもなく終わりもないと教えました。(「教会の大管長の教え:ジョセフ・スミス」、2011年、101−113)神権はまた、イエス・キリストがこの世での務めを果たした時に受けていた権威でもあります。神権の力によって、主はパンや魚を増し、病人を癒し、らい病人を清め、死者を蘇らせ、その他多くの偉大な驚くべき業をなさいました。同じ権威によって、主は十二使徒を選び、聖任し、彼らに約束を与え、それによってこの地上で彼らが結び固める者は天でもそうなるように、また彼らが地上で解く者は天上でも解かれるように権威を授けました。(マタイ16:19参照)神権はそれを通して啓示が流れて行く通路のようなものです。神権を保持する人は、自分やほかの人々の益となるように啓示を受ける権利を与えられます。神権の権威と福音の儀式により、神の力が現れます。神権のない所には、継続的な啓示や示現は存在しません。そして、これらのものがないと、人々は滅びます。(箴言29:18

モルモン教における神権

モルモン教には2つのレベルの神権があり、それぞれアロン神権、メルキゼデク神権と呼ばれます。アロン神権は、小神権とか準備の神権として知られていますが、通常12歳から17歳の少年か、バプテスマを受けて日が浅い男性の教会員に与えられ、大神権ないしメルキゼデク神権を受ける準備になります。アロン神権は主がモーセの代弁者として務めるようにモーセに授けたアロンの名前に因んでいます。

アロン神権は3つの職または「定員会」に分かれます。すなわち、執事、教師、祭司です。12歳で、教会の男子はビショップ(カトリックの祭司に相当する)によって面接を受けます。もしふさわしければ、彼らはアロン神権を付与され、執事の職に聖任されます。この定員会の会員には聖餐の儀式に携わる特権が与えられ、聖餐の象徴(パンと水)を会衆に配り、そのようにしてより高い職につく準備をします。彼らが14歳になると、同じ面接を受け、教師の職に聖任されます。その職では聖餐を準備する責任を受けます。執事がいない時には聖餐のパスも行います。

祭司の職は16歳になると与えられます。祭司定員会の会員はバプテスマの儀式を執行することができ、アロン神権を付与し、ほかの執事や教師や祭司をそれぞれの職に聖任することができます。(神権の義務と祝福:神権者のための基本事項のマニュアル、パートB

メルキゼデク神権は神からの啓示についての鍵をもち、モルモン教の管理の権能です。この大神権はサレムの王メルキゼデクの名前に因んでいます。この王は偉大な大祭司で、アブラハムは什分の一をこの人に納め、彼から神権の聖任を受けました。聖典にはイエス・キリストはこのメルキゼデクの段階における大祭司として、永遠にその権威を授かっていると述べています。(詩篇110:4;ヘブル6:20;5:6−10

18歳で、モルモン教の男性会員は「長老」の職に聖任されます。それはメルキゼデク神権の一番低い職です。長老はアロン神権のすべての職の責任を果たすことができ、それらに関するよりも高い儀式、すなわち聖霊の賜物を授け、エンダウメントを受け、神殿結婚の儀式を受けることができます。鍵となる指導者の地位、例えばビショプはワードを監督し、ステーク会長は数カ所のワードを管轄します。「大祭司」というより高いメルキゼデク神権に任命されます。ほかのメルキゼデク神権の職は祝福師、七十人、そして十二使徒です。

神権の誓詞と聖約

「わたしたちは、福音を宣べ伝え、儀式を執行するためには、人は預言によって、また権能を持つ者による按手によって、神から召されなければならないと信じる。」(信仰箇条1:5

古代の場合とまさしく同じように、神権の権威は、その権威を主から授かった代理人の手を置かれることによって付与されます。それに加えて、ジョセフ・スミスは神権を受ける人は御父の「誓詞と聖約」によって受けること、またもしだれでもこの聖約を破るならば、この世でも、来る世でも赦しを受けることができないと教えました。反対に、これらの聖約に忠実に注意を払う者は神の王国で永遠の命を受け継ぎ、御父の持てるすべてのものを受けます。(教義と聖約84:33−44参照)

モルモン教が神権を主張する根拠

モルモン教の神権の権威は、救い主に至るまで途絶えることのない権威の系統をたどります。主のもともとの十二使徒が殺されると、神権の権威は地上から失われました。それはひどい悪が人々の間にあったからです。何世紀にも渡って、神の御名によって行動し、人類のために啓示を受ける権威を持った人は地上に一人もいませんでした。その結果、人々は霊的な暗闇とひどい混乱の中に住んでいました。

神は私たち神の子をすべて愛していらっしゃるので、暗闇の中で滅びるのを放っておかれませんでした。1829年5月、復活したバプテスマのヨハネによってアロン神権が回復され、ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリーに授けられました。それから間もなくして、ペテロとヤコブとヨハネも現れ、彼らにメルキゼデク神権を授けました。今日、世界中の何十万人もの忠実なモルモン教の会員に神権の権威が授けられています。そして、主がこの世から神権を再び取り除かれることはないと約束されたことが成就しています。(教義と聖約13参照)

この記事はfritzによって書かれました。