ライオン 松本 真実
誰もが何らかの苦難を人生の中で何度も経験します。災害、病気、知人の死、複雑な人間関係等、数えるときりがありません。私の友人は、父親の誕生日に父親が癌だと宣告されました。このように、人生は一瞬で大きく変わってしまうことがあります。多くの人が、なぜこのようなことが私に起きているのだろう、と問いかけたことがあると思います。モルモンの聖徒たちは、福音の知識や信仰を通して、様々な苦難の中に平安と希望を見いだしています。
最近、二件の葬儀が相次いで、私の近所の教会で執り行われました。教会の指導者が、葬儀のための食料の手配や葬儀の手伝いを会員に求めました。すると、半日もたたないうちに、沢山の人々が必要以上の助けを差し伸べました。葬儀にも多くの人々が出席しました。息子を若くして亡くされた母親は、『沢山の人々の祈り、愛を感じています。聖霊を通して心に豊かな平安を感じることができました。そのおかげで、思っていたよりもこの辛い状況にうまく対応できています』と言いました。
モルモンは、神会という組織があることを信じています。神会は神、イエスキリスト、聖霊によって成り立っています。聖霊は霊であり肉体はありませんが、私たちに真理を教える力を持っておられます。又、私たちは聖霊を通して、慰めや導きを日々受けることができます。その導きに従うことにより、私たちは神の御手となり、周りの人々に祝福や平安をもたらすことができます。
末日聖徒は、人は死ぬと『・・・この死すべき体を離れるやいなや、まことに、善い霊であろうと悪い霊であろうと、彼らに命を与えられた神のみもとへ連れ戻される。そして、義人の霊は、・・・平安な状態に迎えられ、彼らはそこであらゆる災難と、あらゆる不安と憂いを離れて休む』(アルマ書40:11−12)ことを信じています。そして次の世界で、贖いと復活により、家族と共に永遠に住めることを信じています。この知識により、私たちは慰めを得ることができています。
それでも、身近な人の死はとても辛いものです。神様は私たちが熱心に祈り求める時に、私たちの重荷を軽くし、私たちを強めて下さいます。生ける現代の予言者モンソン大管長はこうおっしゃいました。『涙や試練,恐れや悲しみ,愛する人を失った心痛や孤独の中にあっても,命は永遠であるという確信があります。主なる救い主はその生ける証人です。聖文に記されている主の次の言葉があれば十分です。「静まって,わたしこそ神であることを知れ。」(詩篇 46:10)この真理について証します。』(リアホナ2013年3月号大管長会メッセージ)
私たちの天の御父である神は私たちをよく知っていて愛しておられます。その証拠として、御子イエスキリストを地上に送られました。キリストは、私たち一人一人の罪や心の重荷を背負うため、多くの堪え難い苦痛を経験された後、死を克服されました。そのため、イエスは私たちの苦痛や試練をよく理解しておられます。ですから、キリストを試練の中で思い起こすことによって希望、平安、励ましを得ることができます。前代のヒンクレー大管長はよくこの言葉を口ずさみました。『全てはうまくいく。励み続けなさい。信じ続けなさい。幸せになりなさい。決して落ち込まない。全てはうまくいく。』このように、モルモンの聖徒たちは福音を学び、信仰を行使し、あらゆる苦難に立ち向かっています。