モルモン教会とも呼ばれる末日聖徒イエス・キリスト教会の会員にとって、この地上での人生にはコードネームがあります。それは、「救いの計画」と呼ばれています。その計画って何?と聞かれることでしょう。わたしに言えることは、それはわたしたちに幸せをもたらすものだということです。わたしたちは自分が何者であるかを知っています。わたしたちがどこから来て、これからどこに行くのかを知っているのです。

わたしたちが信じていることは、わたしたちはこの地上に来る前、天のお父様と一緒に美しい場所で暮らしていたということです。わたしたちは互いに兄弟姉妹であり、示された一つの計画を一緒に聞きいれました。すなわち、わたしたちは地球に来て肉体を手にいれ、さまざまな経験を積み、その計画を通して天父のもとに帰り、ともに住むことができるというものです。その経験とは、この地上で子供を持つ親がするものに似ています。わたしたち親は、子供たちが成長し、成熟し、人生において大人として決断をするのを見守り、成功とともに家に帰ってきてくれるのを願っているのではないでしょうか。

救いの計画の祝福って?

1.肉体を得る

救いの計画の最初の、そして大きな祝福は肉体を得るということです!わたしたちは皆、赤ん坊に生まれ、やがて大人へと成長します。多くの素晴らしい経験をするために、体を動かして肉体を連携させることを学びます。スポーツをしたり、食事を用意したり、食物をたべたり、家を管理したり、運転をしたり、パソコンで文字を打ったり、そして想像できるほとんどの工芸品を、自分たちの手で創り出すことができるのです。自分の服をぬうことも、缶詰を作ることや、キルトを作ることも、家を建てることも、紙に文字を書くことも、わたしたちが学ぶことができるのは、すべて体があるからなのです。わたしはときどき、体があることを当然のように思ってしまうことがあります。このような素晴らしい祝福に感謝することを心に留め、そして可能な限りこの祝福をいつも大事に管理していく必要があります。

2.選択の自由がある

この選択の自由とは神からの贈り物であり、わたしたちが善と悪とを理解するのを助けてくれるものです。デルバート・ステープレー長老は1975年4月の総大会でこのように話されています。

「選択の特権は、人々が地球に住む前、前世にて行われた天上の大会議にて永遠の父なる神から、すべての霊の子供たちに紹介されました。人は霊の状態ですでに、選択の自由すなわち自由に選ぶ能力を授かっており、肉体を持った自由の民、すなわち死すべき体を持つ人間として自由に選び、そして行うという譲り渡すことのできない生得権を継ぐ者になるという祝福が、神の計画によって用意されていました。神の子供たちが善悪両方の影響下に置かれることは、神の子供たちが永遠の進歩を遂げるために不可欠だったのです。」

わたしにとって選択の自由というのは、救いの計画において最も難しい観点の一つです。他の人が間違った選択をしたために苦しむところを見たい人はいないはずです。誰も他の人が苦難を経験するのを見届けたくない、しかしこれは選択の自由において必要なものなのです。わたしたちは、自分たちの子供も含め、他人に正しい選択をするように強制することはできません。彼らが自分自身のために正しい選択をしたいと求める必要があるのです。

モルモン書から、子供たちを約束の地へと導いた預言者について学ぶことができます。リーハイは息子であるヤコブにこのように教えています。

「それは、すべての事物には反対のものがなければならないからである…もし事物に反対なものがなければ、義は生じ得ないし、邪悪も、清さも惨めな状態も、善も悪も生じ得ない。」(2ニーファイ2章11節)

わたしたちはこの地上で経験してきたことすべてを覚えていますし、自らの行動に関してそれを選ぶ権利があったことを知っています。ですからわたしたちは自分の行動に責任を持つことができるのです。選択の自由が素晴らしい祝福であることをわたしたちは知っていますし、誰しもが知ることができるでしょう。

3.自分が何者であって、どこから来たのか知っています

この祝福は、わたしたちの神聖な特質を理解するのを助けてくれます。『家族―世界への宣言』では、「人は皆,天の両親から愛されている霊の息子,娘 です。したがって,人は皆,神の属性と神聖な行く末とを受け継いでいます。」と記されています。

わたしたちが生きているこの世界には、人生の意味や平安を探し求めている人が大勢います。しかし、この救いの計画を理解するとき、わたしたちは自分が何者であり、どこから来たのかを知ることができます。それこそ、大きな祝福なのではないでしょうか。

4.天父のもとに帰り、家族とともに住むことができる

地球に来る前、わたしたちは一つの大きな家族としてくらしていました。そして今、自分の家族とともにこの地上でくらしています。ですので、いずれ天のお父様のもとへ帰り、家族とともに住むということは道理にかなっているように思えるのです。ほとんどの場合、家族はわたしたちを助けてくれます。家族の一員であるということは、幸福感を与えてくれます。この地上で家族の一員であること、そして天の家族のもとへ帰るということは、とても大切な救いの計画の一部です。

5.贖い

贖いは全人類にとって最もすばらしい祝福です。なぜならそれを通してわたしたちの犯した過ちが赦され、心の痛みが癒されるからです。ですが大半の人たちは、贖いがどのようにわたしたちに影響をおよぼすかを理解するのに苦労しています。モルモン教会の十二使徒の一人、デビッド・A・ベドナー長老はこのように話されています。

「わたしたちが現世で直面する肉体的な 痛み,霊的な傷,苦悩や心痛,病や弱さのうち,救い主が経験なさらなかったものは 一つもありません。自分の弱さに悩むとき,「この苦しみは誰にも分からない」と 声を上げることがあるかもしれません。し かし,神の御子は全てを完全に理解して おられます。わたしたち一人一人の重荷を 負われたからです。」(「容易に重荷に耐えられるように」『リアホナ』2014年5月号, 89ページ)

今回ご紹介した5つは、わたしたちが救いの計画によってもたらされる祝福です。時には一歩さがって、この地球でわたしたちに何が起こっているのかを考えてみましょう。すると、この試しの世にあっても成功することができると分かります。そして、自分が何のためにここにいるのかを理解し、苦難や困難を互いに励まし合いながら進むことができます。救いの計画は、本当に偉大な祝福なのです。