これまでに末日聖徒イエス・キリスト教会の集会に行ったことがある人の中には、なんか専門用語ばっかりだなって思った人もいるかもしれませんね。ビショップとかワードとか。ほかのキリスト教会の人でも分からない言葉もあります。今回はそんな教会の用語と組織について解説します。

集会所

末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は、日曜日に礼拝のために教会堂へ行きます。それぞれの会員がどの教会堂に行くかはちゃんと決められていて、その集会所のことを「ワード」と言います。

ワード

  • 会員が集う集会所の単位。
  • 自分が住んでいる地域によって日曜日にどこのワードに行くかが決まる。

例:渋谷区に住んでいるなら麻布ワードになる。

  • 住んでいる地域にワードがない場合は、ワードよりも小さな規模の支部がある。

世界には31,000を超える末日聖徒イエス・キリスト教会のワードや支部があります。

皆さんのお住まいの地域がどのワードなのかを調べるには、こちらのリンクから検索できます。https://bit.ly/2VLjsY0

ワードも支部もそれぞれを管理する組織があります。

  • ワード  ビショップリック(1人のビショップと2人の顧問)
  • 支部   支部会長会(1人の支部会長と2人の顧問)

そして、それぞれのワードや支部にはさまざまな組織があります。

組織

ワードや支部の中にある各組織は、3人の人から構成されている会長会があります。ではその組織を見てみましょう。

長老定員会

  • 18歳以上の男性の教会員のための組織
  • 「長老」と呼ばれる神権の職を持っている人がこれに属している
  • ワードや支部に所属している家族や会員にミニスタリングをして奉仕し、助ける

扶助協会

  • 18歳以上の女性のための組織

扶助協会は、女性たちが天の御父とイエス・キリストと主の贖罪を信じる信仰を深め、儀式と聖約を通して個人、家族、家庭を強め、困っている人々を助けるために一致して働くことによって、永遠の命の祝福に備えるのを助ける。

日曜学校

  • 12歳以上の男性と女性が一緒に福音を学ぶクラス
  • 18歳以下の教会員は年齢によってクラスが分けられる

初等協会

  • 1歳半から11歳以下の子供のための組織
  • 讃美歌や活動を通してイエス・キリストの福音を学ぶ

若い女性

  • 12歳から18歳までの女性がこの組織に当てはまる
  • 日曜日のレッスンに加え、それ以外の日は信仰と友情を深める楽しい活動や奉仕をしている

若い男性

  • 12歳から18歳までの男性がこの組織に当てはまる
  • 執事定員会→教師定員会→祭司定員会と年齢ごとに進級していく(それぞれ神権の役職)
  • 日曜日のレッスンや平日の奉仕活動、キャンプなどの活動を通して成長し、信仰を強める

召し

上記の組織のほかに、さまざまな役割がそれぞれのワードの中にあります。

ワードの指導者は、祈り、またほかの人と相談して、誰がその役職に相応しいか啓示を求めます。ワードにおける教会員の責任は、「召し」と呼ばれています。

各組織の会長会としての召しもありますが、教師や聖歌隊指揮者、ワード図書委員、自立支援スペシャリストなども召しです。

召しは一時的で、奉仕が目的です。ですから、お給料などはもらいません。そして、指導者の役職に付くことは会社の昇進とは違います。

ステーク

いくつかのワードや支部によって組織されるのがステークと呼ばれるものです。世界中に3,400を超えるステークがあります。このステークという言葉は、旧約聖書にある天幕を支えるための杭をイメージしています。これは、教会はステークによって支えられているということです。

ステークの指導者たちは1つのステークでいくつかのワードを管理します。それぞれのステークはステーク会長会によって導かれています。

  • ステーク会長会 1人のステーク会長と2人の顧問
  • 高等評議員 ステーク会長会をサポートする

また、ステークの単位で、日曜学校、扶助協会、初等協会、若い男性と若い女性の会長会があります。また、ステーク会長会は各ワードの長老定員会の会長会も務めます。

  • 祝福師:各ステークにいる

    祝福師の祝福を準備ができた会員に授けることができる

先ほどもお話したように、ワードの召しであってもステークの召しであっても、誰一人お給料はもらっていません。ビショップもステーク会長もそうです。そしてこれからお話する召しを果たしている人たちもそうです。

七十人定員会

この組織については新約聖書のルカ書10章にこのように記されています。


主は別に七十人を選び、行こうとしておられたすべての町や村へ、ふたりずつ先におつかわしになった。

ルカ1:1 

七十人の会長会は7人の男性教会員で構成されています。3人の七十人から成る会長会は、世界中にある22のエリアから成るステークのグループを導いています。

主な役割は次の通りです。

  • 十二使徒定員会のサポート
  • 世界中の教会の指導者のサポートと訓練
  • 伝道活動や人道支援、神殿建設、家族歴史、教会のその他の取り組みの管理をサポート

十二使徒定員会

十二使徒定員会は、末日聖徒イエス・キリスト教会で2番目に高位の管理組織です。イエス・キリストがこの地上に生きていた時に、12人の弟子を使徒として召したのと同じように、現代の十二使徒もキリストの福音を広めるという役割と神聖な責任があります。また、七十人定員会を管理しています。

使徒は、通常の職業人生から離れ、教会での奉仕に人生をささげます。世界規模の教会の成長を監督し、世界各地を訪問して神の愛をその子供たちに伝え、キリストのもとに来て、学び、キリストに従うようすべての人を招きます。

教会ホームページより


大管長会

教会の最高管理組織が大管長会です。教会の預言者である大管長と、2人の顧問によって組織されています。彼らは十二使徒定員会の中から選ばれます。大管長が亡くなると、一番長い期間十二使徒定員会にいる人が新しい大管長となります。彼が祈り、神様から啓示を受けて2人の顧問を選びます。

大管長会は頻繁に世界各地を訪問し、多くの教会員や教会員でない人々に説教や励ましを与えるとともに、教会指導者を訪問します。そして、世界中の何百万人もの教会員に影響する諸事を監督するに当たり、イエス・キリストの導きを求めます。これらの事柄には、伝道活動、人道支援活動、神殿における奉仕、福音のレッスン、そのほか様々なことが含まれます。

教会ホームページより

末日聖徒イエス・キリスト教会の最高管理組織である大管長会を管理するのは、イエス・キリストです。キリストは預言者に啓示と導きを与えて教会を導きます。また、大管長会をサポートする役割は世界規模の教会指導者たちにもあります。


世界規模の教会指導者のことを中央幹部、または中央役員と呼んでいます。これは大管長会、十二使徒定員会、先ほどお伝えした七十人定員会が含む、七十人会長会,中央幹部七十人、教会の世界規模の日曜学校扶助協会初等協会若い男性若い女性の各組織の会長会が含まれています。

また、管理ビショップリックがあります。管理ビショップと2人の顧問は大管長会の支持の下で、人道支援や福祉プログラム、什分の一、断食献金、施設、会員記録の集約などの事務的な働きを管理します。


神の組織

この組織の仕組みは、神様が決められました。そして、教会の必要に合わせて変更されたり発展していきます。この神様の組織の中で大切なポイントがあります。

指導者としての召しを果たすために神からの助けを受けるには、無私無欲で誠実でなければならない、といくつもの聖句が教えていることです。

この聖句は神権を持っている人たちに向けて書かれてありますが、これはすべての指導者に当てはめる事ができるでしょう。

しかし、わたしたち​が​自分​の​罪​を覆い​隠そう​と​したり、自分​の​高慢、自分​の​うぬぼれた​野望​を​満たそう​と​したり、あるいは​いかなる​程度​の​不義​に​よって​で​も、人​の​子ら​を​制御​し、支配​し、強制​しよう​と​したり​する​とき、まことに、天​は​退りぞき​去り、主​の​御霊​は​深く​悲しむ。そして、主​の​御霊​が​退ぞき​去る​と、その​人​の​神権、すなわち​権能​は​終わり​で​ある。

まことに、その​人​は​気がつかない​うち​に、一人​放置​されて、とげ​の​ある​鞭​を​けり、聖徒と​たち​を​迫害​し、神​と​戦う。

わたしたち​は​悲しむ​べき​経験​に​よって​学んだ。すなわち、ほとんど​すべて​の​人​は、少し​ばかり​の​権能​を​得た​と​思うや、すぐに​不義​な​支配​を​始めよう​と​する性質​と​傾向​が​ある。

それゆえ​に、召される​者​は​多い​が、選ばれる​者は​少ない​の​で​ある。

いかなる​力​も​影響​力​も、神権​に​よって​維持​する​こと​は​できない、あるいは​維持​す​べき​で​は​ない。ただ、説得​に​より、寛容​に​より、温厚​と​柔和​に​より、また​偽り​の​ない​愛​に​より、優しさ​と​純粋​な​知識​に​よる。これら​は、偽善​も​なく、偽わり​も​なし​に、心​を​大いに​広げる​もの​で​ある。

聖霊​に​感じた​とき​は、その​とき​に​厳しく​責め​なさい。そして​その後、あなた​の​責めた​人​が​あなた​を​敵視しない​ため​に、その​人​に​いっそう​の​愛を​示し​なさい。 

教義と聖約121:37-43

大切なポイントなのでもう一度お伝えします。末日聖徒イエス・キリスト教会の指導者は、決して自分が偉いと思ってはいけません。自分の召しに与えられている権限を使って、人を支配するということは絶対にあってはならないことです。

召しを受けることは教会内での立場が偉くなるとか、昇進するようなことではありません。わたしたちの偉大な指導者、イエス・キリストのように、人に奉仕する立場なんです。ですから、教会で召しを受ける会員は、どのような役割であっても、無報酬で行います。

それは、主が、私たちが互いに仕え合う方法として召しを与えてくださったからです。そして神様の助けを受けて召しを果たしたことがある教会員なら、お金には代えがたい貴重な経験とあふれる祝福を得ていることでしょう。

これが末日聖徒イエス・キリスト教会の大きな1つの特徴です。

教会の用語や組織について感想や疑問がありましたらコメントで教えてください。

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